表示名称成分詳細
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル
成分番号(JP number): 552349
- INCI
- PHYTOSTERYL MACADAMIATE
- 定義(Description)
- 本品は、マカデミアナッツ油(*)から得られる脂肪酸とフィトステロールズ(*)とのエステルである。Fatty acids, macadamia nut-oil, esters with (3-.beta.)-sigmast-5-en-3-ol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 植物甾醇澳洲坚果油酸酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 7.9984
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 피토스테릴마카다미에이트
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル / PHYTOSTERYL MACADAMIATE
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルとは
マカデミアナッツ油を分解して得られる高級脂肪酸の混合物をフィトステロールを結合させた、体温に近い温度でとける油性成分です(8)。
環状アルコールの主なものをステロール(sterol)と総称し、動物に含まれているステロールは動物ステロールと称され、主な動物ステロールとしてコレステロールがあります。
そして植物に含まれているステロールはフィトステロール(植物ステロール)と称されます。
植物ステロールエステルは、フィトステロールと他の成分がエステル結合したフィトステロール誘導体であり、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルの場合はマカデミアナッツ油の脂肪酸とエステル結合した植物ステロール脂肪酸エステルです。
皮膚に対する刺激が少なく、安全性にすぐれた成分です。
抱水性エモリエント作用
性質が皮脂に近く、しなやかに柔軟性のある皮膚に整える効果があり、化粧品にはエモリエント剤として使用されています。
パルミトレイン酸を多く含み、肪酸組成がヒト表皮脂質に類似していて、体温付近に融点を持ち融点時の粘度も低いため、皮膚上での伸びがよく、良好な感触を与えてくれます。
エモリエント作用とは、皮膚からの水分蒸散を抑えてうるおいを保ち、皮膚を柔らかくすることをいいます。
ここで、エモリエント作用に関しては、植物ステロールエステルであることから皮膚親和性が高いため(5)6)、優れたしっとり感およびツヤ感を付与する目的でシャンプー製品、コンディショナー製品、アウトバストリートメント製品、スキンケア化粧品、リップ製品、アイメイク製品、ネイル製品などに使用されています。
抱水性に関しては、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルは単独でラメラ液晶を形成し、優れた抱水能を有することが報告されており(5)(6)、角層水分量増加や経表皮水分蒸散量の抑制といった保湿性が認められています(文献7)。
「液晶ラメラ構造」とは、角層の細胞間脂質と類似した構造によって、水分と油分が層状に規則正しく並んだものです。
エモリエント効果だけでなく少量の水となら混ざる性質を持っていることから保湿効果もあり、化粧品にしっとりとした感触を加えることができます(8)。
肌への効果としては、角質の水分量を高める優れた保水性があり、皮膚を保護しうるおいを与えます。
以上の目的でスキンケア化粧品、リップ化粧品、ボディ&ハンドケア製品、シート&マスク製品、メイクアップ化粧品、クレンジング製品、洗顔料、トリートメント製品、アウトバストリートメント製品、シャンプー製品、ネイル製品など様々な製品に汎用されています。
安全性について
眼刺激性について
日本精化の安全性データシート(文献1)によると、わずかな眼刺激性が報告されているため、一般に眼刺激性は非刺激-わずかな眼刺激性を引き起こす可能性があると考えられます。
安全性データをみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
参考文献
- 日本精化株式会社(2013)「Plandool-MAS」Safety Data Sheet.
- G. Imokawa, et al(1991)「Stratum corneum lipids serve as a bound-water modulator」Journal of Investigative Dermatology(96)(6),845-851.
- 芋川 玄爾(1995)「皮膚角質細胞間脂質の構造と機能」油化学(44)(10),751-766.
- 内田 良一(2011)「セラミドと皮膚バリア機能」セラミド-基礎と応用 ここまできたセラミド研究最前線,140-147.
- 日本精化株式会社(-)「Plandool Series」技術資料.
- 日本精化株式会社(2015)「植物由来ステロールエステル」技術資料.
- 日本精化株式会社(2013)「Plandool-MAS」技術資料.
- 宇山光男、 岡部美代治、 久光一誠 (2015) 「化粧品成分ガイド 第6版」
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルの配合目的
- 抱水性エモリエント作用
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR651.pdf
日本語論文
TGAを用いた市販食用油(種子系, ナッツ系等)の酸化安定性の比較
福田 靖子 , 柴田 靖史 , 熊崎 稔子 日本調理科学会大会研究発表要旨集 14(0), 42-42, 2002
橋本 悟 オレオサイエンス = / Japan oil chemists' society 1(3), 237-246, 2001-03-01
幼ラットの成長及び血液成分に及ぼすマカデミアナッツ油の影響(自然科学編)
白石 康恵 , 高居 百合子 , 手塚 朋通 , Yasue SHIRAISHI , Yuriko TAKAI , Tomomichi TEZUKA , 千葉県立衛生短期大学栄養学・生化学 , 千葉県立衛生短期大学栄養学・食品学 , 日本栄養クリニックス , Chiba College of Health Science , Chiba College of Health Science 千葉県立衛生短期大学紀要 = Bulletin of Chiba College of Health Science 7(2), 3-8, 1988
英語論文
Development of the novel plant-derived lanolin substitute and its cosmetic applications.
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Phytosteryl sinapates and vanillates: chemoenzymatic synthesis and antioxidant capacity assessment.
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