表示名称成分詳細
ポリヒドロキシステアリン酸
成分番号(JP number): 552292
- INCI
- POLYHYDROXYSTEARIC ACID
- 定義(Description)
- 本品は、ヒドロキシステアリン酸(*)の重合体である。12-Hydroxyoctadecanoic acid, homopolymer
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 聚羟基硬脂酸
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 6.184, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 폴리하이드록시스테아릭애씨드
- CAS No.
- 27924-99-8/58128-22-6
- EC No.
- -/-
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ポリヒドロキシステアリン酸 / POLYHYDROXYSTEARIC ACID
ポリヒドロキシステアリン酸とは
ポリヒドロキシステアリン酸とは
ポリヒドロキシステアリン酸は、ヒマシ油に水素添加することで得られる飽和脂肪酸のトリグリセリドである水添ヒマシ油から得られる、化学構造的に炭素数18の脂肪酸であるヒドロキシステアリン酸の重合体です。
ヒドロキシステアリン酸は、12位の水酸基が化学活性(D型)と示す12-ヒドロキシステアリン酸として、最近では油ゲル化剤として使用されています(1)。
油ゲル化剤とは、80度ほどに熱された油に、12-ヒドロキシステアリン酸などの油ゲル化剤を少量加てかき混ぜると、油の温度が40から50度ほどに冷えてきた段階で、寒天ゼリーが固まるのように全面でゲル化させる作用を持つものです。
油ゲル化剤は、古くなった天ぷら油やフライ油などを凝固させ、可燃ゴミとして捨てやすくするために使用されるものです。
このような性質を持つヒドロキシステアリン酸ですが、非常に優れた顔料・金属酸化物微粒子分散効果を示すことから、古くからは化粧品や界面活性剤の原料として利用されてきました。
現在ではメイクアップ化粧品、日焼け止め製品、スキンケア化粧品、クレンジング製品などに汎用されています(2)。
ポリヒドロキシステアリン酸の効果
ポリヒドロキシステアリン酸は分散効果を示すことから、化粧品の分野において幅広く利用されていることが知られています。
分散とは、1つの相をつくる物質内に他の物質が微粒子となって散在する現象、つまり粒子を水や油などにきれいに混ぜることを言います。
例えばポリヒドロキシステアリン酸は、メイクアップ化粧品に色を付けるための顔料として配合される場合があります。
分散効果があると、顔料粒子が細かく均一に分散されると色も鮮やかになり、塗布するときにブツブツの塊がなく、ザラザラした使い心地もなく、使用性が非常に高くなる効果が各9人されています。
またこのムラなく、顔料粒子を均一に塗布することができることで、肌を均一に紫外線から防御できること、それに伴ってムラなく日焼け止めの効果を発揮することができることも確認されています。
したがってポリヒドロキシステアリン酸は、紫外線散乱剤を配合した日焼け止め製品やファンデーションやスティック状メイクアップ化粧品に使用されたり、また顔料分散性からクレンジング製品に配合することでクレンジング能を向上させることが報告されています(3)(4)。
参考文献
(1) 刊油脂,37No.4,61(1984)
(2) 太田静行,北里大学水産学部 「油のゲル化剤」
(3) 日光ケミカルズ株式会社(-)「HSオリゴマー600」技術資料.
(4) 日清オイリオグループ株式会社(-)「サラコス HS-6C」技術資料.
ポリヒドロキシステアリン酸の配合目的
- 分散
ポリヒドロキシステアリン酸の安全性情報
皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について
医薬部外品原料規格2021に収載されており、1980年代からの使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作性の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられますが、データ不足のため詳細は不明です。
眼刺激性について
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。
日本語論文
柴田 雅史 日本化粧品技術者会誌 53(1), 2-8, 2019 J-STAGE
エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS/MS)による芋焼酎粕に含まれるグルコシルセラミドの構造決定
澤田 和敬 , 中畑 絵里子 , 柘植 圭介 [他] , 平田 みよ , 髙峯 和則 , 永尾 晃治 , 北垣 浩志 日本醸造協会誌 109(7), 535-542, 2014 J-STAGE 日本農学文献記事索引
超微細粒子含有ポリエチレンフィルムの調製とその性質(第2報)
酒井 秀樹 , 佐藤 彰 , 長濱 正光 [他] , 阿部 正彦 色材協會誌 85(3), 102-107, 2012-03-20 J-STAGE 参考文献7件
コーティング用油脂応用化学(80)15.ヒドロキシステアリン酸の展開長倉 稔油脂 54(7), 98-105, 2001-07
英語論文
From near hard spheres to colloidal surfboards.
Palangetic L, et al. Faraday Discuss. 2016.PMID: 27412349
Viscoelastic properties of sterically stabilised emulsions and their stability.
Tadros T. Adv Colloid Interface Sci. 2015.PMID: 25900262 Review.
Martiel I, et al. Langmuir. 2014.PMID: 25136893
Hu H, et al. Langmuir. 2004. PMID: 15323487