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表示名称成分詳細

ベンジルアルコール

成分番号(JP number): 552210

INCI
BENZYL ALCOHOL
定義(Description)
本品は、次の化学式で表される芳香族アルコールである。Benzyl alcohol
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
苯甲醇
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用 【化粧品への使用制限成分リスト】(※1 a.表に記載の防腐剤は、いずれも化粧品中の微生物の生長を抑えることを目的として投入する物質である。b.化粧品中のその他の抗微生物作用を有する物質は、本表に含まれていない。例えば、数多くの精油(essential oil)、一部のアルコール類など。d.全てのホルムアルデヒドを含有する化粧品又は本表中に記載のホルムアルデヒドを放出する可能性がある化粧品について、完成品中のホルムアルデヒド濃度が0.05%(遊離ホルムアルデヒドで計算)を超える場合は、製品ラベルに「ホルムアルデヒド含有」を標識しなければならない) 化粧品中の最大許可濃度:1.0% (※2 これらの防腐剤が使用制限物質である場合、詳細な条件は使用制限物質表3を参照すること。)
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
벤질알코올
CAS No.
100-51-6
EC No.
202-859-9
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
III/45 and V/34

原料情報

ベンジルアルコール / BENZYL ALCOHOL

ベンジルアルコールとは

ベンジルアルコールとは

ベンジルアルコールは弱い特有の香気をもつ揮発性の芳香族アルコールです。ベンゼン環にメチレン基(CH₂)を通じてヒドロキシ基(−OH)が結合した構造をしています。

ベンジルアルコールは主に溶剤および染料の浸透促進を目的として化粧品に使用されています。

安全性

ベンジルアルコールは化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、『食品添加物の指定添加物リスト』・『日本薬局方』・『医薬部外品原料規格2021』に掲載されています。

  • 『食品添加物の指定添加物リスト』(1)
  • 『日本薬局方』(2)
  • 『医薬部外品原料規格2021』(3)

一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは『日本薬局方』『医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いております。

これまで、ベンジルアルコールはは化粧品の原料として40年以上使用されている実績があます。

現在、ベンジルアルコールはは安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます。

参考文献

  1. 一般社団法人 日本食品添加物協会『食品添加物の指定添加物リスト』食品添加物一覧 日本食品添加物協会 (jafaa.or.jp)
  2. 厚生労働省『第十八改正日本薬局方』「日本薬局方」ホームページ|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
  3. 厚生労働省『医薬部外品原料規格 2021』000240227.pdf (pmda.go.jp)

ベンジルアルコールの配合目的

  • 溶剤
  • 染料の浸透促進
  • 防腐剤およびそれを混和する

溶剤としての機能

溶剤としてベンジルアルコールは配合成分の溶解性向上目的で主に洗浄系製品や染料、防腐剤の溶解剤に使用されています。

ベンジルアルコールは分子中に親水基と親油基が存在しますが、親油基の大きさが小さく界面活性を示すには至らず、他の有機化合物を水あるいは塩類の水溶液中に高濃度に溶かす性質をもつ、比較的低分子量の有機化合物であるハイドロトロープ剤です。水にはわずかに溶け、一方で多くの有機溶媒と混和します。

染料の浸透促進

染料の浸透促進に関しては、ベンジルアルコールは羊毛用染料をよく溶解します。

そのため、羊毛繊維に対する染料の染色速度および増染毛度を高める染色助剤として使用されてきました。

今では酸性染毛料において、染毛速度および染毛度の増強補助としてヘアカラー剤、ヘアマニキュアなどに使用されています。

防腐剤およびその溶媒としての利用

ベンジルアルコールはグラム陽性菌およびグラム陰性菌に活性を示すことから、ベンジルアルコールそのものの効果は弱いと考えられていますが、防腐成分の溶媒および防腐助剤として使用されています。また、他の防腐剤(とくに安息香酸、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、安息香酸Na、デヒドロ酢酸Na、ソルビン酸Kなど)を溶かし込む溶媒として使用されています。

また、ベンジルアルコールは抗菌性は高くありませんが、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に活性を示すことから、防腐成分の溶媒および防腐助剤として使用されており、とくに安息香酸、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、安息香酸Na、デヒドロ酢酸Na、ソルビン酸Kなどの防腐剤を溶かし込む溶媒として使用されています。

ベンジルアルコールの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS574.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS323.pdf

日本語論文

乳化型半永久染毛剤の検討

出原 信幸 , 吉岡 隆嗣 , 芹澤 陽子 , 松田 憲雄 日本化粧品技術者会誌 30(4), 448-452, 1996 J-STAGE

ベンジルアルコ-ル・塩基性染料系とm-クレゾ-ル・塩基性染料系の空気/水界面における吸着挙動の比較

原田 悠三 [他]繊維学会誌 50(4), p170-174, 1994-04

溶剤添加染色に関する基礎的研究 (第4報) ベンジルアルコール・塩基性染料系とm‐クレゾール・塩基性染料系の空気/水界面における吸着挙動の比較

原田 悠三 , 藤岡 留美子 , 田中 筆子 , 松元 道子 繊維学会誌 50(4), 170-174, 1994 J-STAGE

溶剤添加染色に関する基礎的研究 第1報 ベンジルアルコール・酸性染料混合物の空気/水界面における吸着原田 悠三 , 藤岡 留美子 , 田中 筆子 繊維学会誌 49(5), 232-236, 1993 J-STAGE

英語論文

Influence of Cosmetic Type and Distribution Channel on the Presence of Regulated Fragrance Allergens: Study of 2044 Commercial Products.

Couteau C, et al. Clin Rev Allergy Immunol. 2020. PMID: 32323145

Determination of suspected allergens in cosmetic products by headspace-programmed temperature vaporization-fast gas chromatography-quadrupole mass spectrometry.

del Nogal Sánchez M, et al. Anal Bioanal Chem. 2010. PMID: 20495907

Integrated approaches to testing and assessment as a tool for the hazard assessment and risk characterization of cosmetic preservatives.

Canavez ADPM, et al. J Appl Toxicol. 2021.PMID: 33624850

Rapid assessment and prediction of the efficiency of two preservatives against S. aureus in cosmeticproducts using High Content Screening-Confocal Laser Scanning Microscopy.

Almoughrabie S, et al. PLoS One. 2020.PMID: 32716948 Free PMC article.

In vitro induction of apoptosis, necrosis and genotoxicity by cosmetic preservatives: application of flow cytometry as a complementary analysis by NRU.

Carvalho CM, et al. Int J Cosmet Sci. 2012.PMID: 22118339

A comparative study of leukaemia inhibitory factor and interleukin-1alpha intracellular content in a human keratinocyte cell line after exposure to cosmetic fragrances and sodium dodecyl sulphate.

Parodi A, et al. Toxicol Lett. 2010.PMID: 19878710

[Determination of eleven preservatives including bronopol in cosmetic by reversed-phase ion-pair chromatography].

Hu J, et al. Se Pu. 1999. PMID: 12552895 Chinese.