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表示名称成分詳細

ベヘントリモニウムクロリド

成分番号(JP number): 552204

INCI
BEHENTRIMONIUM CHLORIDE
定義(Description)
本品は、次の化学式で表される4級アンモニウム塩である。Docosyltrimethylammonium chloride
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
山嵛基三甲基氯化铵
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
베헨트라이모늄클로라이드
CAS No.
17301-53-0
EC No.
241-327-0
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

V/44

原料情報

ベヘントリモニウムクロリド / BEHENTRIMONIUM CHLORIDE

ベヘントリモニウムクロリドとは

[化粧品成分表示名称]

・ベヘントリモニウムクロリド

[医薬部外品表示名称]

・塩化アルキルトリメチルアンモニウム液

ベヘントリモニウムクロリド(Behentrimonium Chloride)は、炭素数22のアルキル基をもつ塩化アルキルトリメチルアンモニウムです。アルキル型4級アンモニウム塩の陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)に分類されます。

ベヘントリモニウムクロリドは多くの場合、イソプロパノール、エタノール、水、またはこれらの混液を溶剤として溶かしたものが原料として市販されています(1)。

医薬部外品表示名称としては「塩化アルキルトリメチルアンモニウム液」という名前が使われています。

界面活性剤としてのベヘントリモニウムクロリド

親水基として4級アンモニウム塩を含んでいるベヘントリモニウムクロリドは、陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)に分類されます。

一般に、カチオン界面活性剤は繊維・毛髪や金属などの個体表面に吸着し、殺菌効果や繊維などの柔軟効果を示します。カチオン界面活性剤はその他の界面活性剤と比べて毒性が高く、配合量にも制限があるため、使用時には注意が必要です(2)。

アルキル型4級アンモニウム塩のカチオン界面活性剤は、水溶性で表面張力低下能が高いことが知られています。モノアルキル型、ジアルキル型共に、細菌や真菌に対して殺菌効果があります。アニオン性官能基が負に帯電した毛髪表面に吸着して、潤滑性を示す性質があります。油水界面や固液界面に吸着して、乳化剤や分散剤として働く場合もあります(2)。

ベヘントリモニウムクロリドはワックス状の固体であり、水に分散します。 ベヘントリモニウムクロリドは分散安定性が高い物質ですが、強力な酸化剤とは相溶性がありません。 セテアリルアルコールと混合すると、ベヘントリモニウムクロリドは比重が1未満の白色の固体になります(3)。

ベヘントリモニウムクロリドの化粧品への配合

ベヘントリモニウムクロリドなどの直鎖アルキルトリモニウムは、化粧品用ビオサイド(殺生物剤)、ヘアコンディショニング剤、帯電防止剤、乳化剤などの働きがあることが知られています(3)。

ベヘントリモニウムクロリドは、カチオン界面活性剤の中では毒性・皮膚刺激性が比較的低く、皮膚・毛髪保護作用があることから、主にヘアコンディショナーやトリートメントなどのヘアケア製品に使用されています。

Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから、安全性評価論文内で説明されている現在の使用方法と濃度内で刺激性がないように処方された場合の、ベヘントリモニウムクロリドの安全性が結論づけられています(3)。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2010年時点でベヘントリモニウムクロリドを配合している製品の登録数は合計743で、主にシャンプーやヘアトニック、カラーリングなどのヘアケア製品に使用されています(3)。

製品への含有量について2010年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、ベヘントリモニウムクロリドは0.2%から7%の配合率で使用されていました(3)。

参考文献

  1. 鈴木一成 (2008)「塩化アルキルトリメチルアンモニウム(表示名:ベヘントリモニウムクロリド)」化粧品成分用語事典2008, 422
  2. 野々村美宗 (2015)「カチオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 49-50
  3. Cosmetic Ingredient Review (2012)「Safety Assessment of Trimoniums as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology 31 (Supplement 3) 296S-341S

ベヘントリモニウムクロリドの配合目的

  • 殺生物剤
  • ヘアコンディショニング剤
  • 帯電防止剤
  • 乳化剤

ベヘントリモニウムクロリドの安全性情報

皮膚刺激性:10%濃度以下においてほとんどなし

皮膚感作性:10%濃度以下においてほとんどなし

Cosmetic Ingredient Review(2012)「Safety Assessment of Trimoniums as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(31)(6 Suppl),296S-341S.

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS572.pdf

日本語論文

なし

英語論文