表示名称成分詳細
ブタノール
成分番号(JP number): 552139
- INCI
- N-BUTYL ALCOHOL
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される脂肪族アルコールである。Butan-1-ol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 正丁醇
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 부틸알코올
- CAS No.
- 71-36-3
- EC No.
- 200-751-6
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ブタノール / N-BUTYL ALCOHOL
ブタノールとは
ブタノールは炭素数4の炭素鎖にヒドロキシ基(-OH)が結合した一価アルコールです。一価アルコールとは、化学的に1個のヒドロキシ基(-OH)が結合したアルコールのことです。
一方で2個以上のヒドロキシ基(-OH)が結合したものは多価アルコールと呼ばれています。また、ブタノールはフルーツのような香りがして、揮発性の液体です。ブタノールには以下の異性体があります。
- 1-ブタノール(n-ブチルアルコール、ノルマルブタノール)
- 2-メチル-1-プロパノール(イソブチルアルコール)
- (R)-2-ブタノール
- (S)-2-ブタノール
- 2-メチル-2-プロパノール(tert-ブチルアルコール)
ブタノール類はいずれも可燃性です。そのため、日本の消防法では危険物第4類(引火性液体)第2石油類に指定されています。消防法別表に載っている引火性の液体のうち第2石油類は以下のものです。
「第2石油類とは、灯油、軽油その他一気圧において引火点が21度以上70度未満のものをいい、塗料類その他の物品であって、組成等を勘案して総務省令で定めるものを除く」
ブタノールはネイル製品の皮膜を形成するニトロセルロースや樹脂などを溶かす助溶剤としてマニキュア、トップコート、ベースコートなどネイル製品に汎用されています。
三共化学株式会社のホームページによるとマニキュアの主成分は、下記から構成されています。
- 樹脂
ベースです。ニトロセルロースやアクリル樹脂、アルキド樹脂などが主流です。
- 顔料
色を出します。
- 有機溶剤
樹脂を溶かします。これが乾くことで樹脂が固まります。
- 可塑剤
塗りやすい柔らかさを保ちます。
ブタノール(および同様の目的で添加される溶剤)はここでいう有機溶媒に該当します。
一般的に分子の持つ極性が近い者同士であるほど溶けて混ざりやすいという性質があります。
ブタノールは比較的極性が小さな化合物のため、ニトロセルロースや樹脂などを溶かすことができます(1,2)。
安全性
化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、ブタノールは『医薬部外品原料規格2021』・『食品添加物の指定添加物リスト』に掲載されております。
- 『医薬部外品原料規格2021』(3)
- 『食品添加物の指定添加物リスト』(4)
一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは『医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いております。
また、これまで、ブタノールは化粧品の原料として40年以上使用されている実績があます。
現在、ブタノールは安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます。
参考文献
- 『洗浄・溶剤・接着等お役立ち便覧 ネイルについて』 ネイルについて|洗浄・溶解・接着等 お役立ち便覧 (sankyo-chem.com)
- 厚生労働省『医薬部外品原料規格 2021』000240227.pdf (pmda.go.jp)
- 一般社団法人 日本食品添加物協会『食品添加物の指定添加物リスト』食品添加物一覧 |日本食品添加物協会 (jafaa.or.jp)
ブタノールの配合目的
- 溶剤
ブタノールの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS472.pdf
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr162.pdf
日本語論文
なし
英語論文
Occurrence of 1,4-dioxane in cosmetic raw materials and finished cosmetic products.
Black RE, et al. J AOAC Int. 2001.PMID: 11417628
Huang HY, et al. J Chromatogr A. 2003.PMID: 12735448