表示名称成分詳細
ビサボロール
成分番号(JP number): 552068
- INCI
- BISABOLOL
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表されるテルペン化合物である。(R*,R*)-.alpha.,4-dimethyl-.alpha.-(4-methyl-3-pentenyl)cyclohex-3-ene-1-methanol; 3-Cyclohexene-1-methanol, alpha,4-dimethyl-alpha-(4-methyl-3-pentenyl)-, (theta,theta)-(+/-)-; 3-Cyclohexene-1-methanol, alpha,4-dimethyl-alpha-(4-methyl-3-pentenyl)-, (S-(theta,theta))- (levomenol)
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 【化粧品に配合可能な医薬品の成分について】*ビサボロールについて記載。<100g中の最大配合量(g)について> 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの: 1.2000g,<100g中の最大配合量(g)について> 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの: 1.2000g,粘膜に使用されることがある化粧品: 0.7905g, 注1) 旧基準に収載されていた成分。注3) 一部、用途の違いによりその整合性を図ったこと。
- 中文inci(CN/中国名称)
- 红没药醇
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): (none)
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 비사보롤
- CAS No.
- 515-69-5 / 23089-26-1
- EC No.
- 208-205-9 / 245-423-3
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
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ビサボロール / BISABOLOL
ビサボロールとは
ビサボロールは、成分番号 552068I、NCI名 Bisabololで 次の化学式で表されるテルペン化合物です(1)。
医薬部外品原料規格では、「ビサボロール」英名:Bisabololで収載され、比重d(20/20):0.920~0.939、屈折率 n(20/D):1.490~1.499と規定される液体です(2)。
ビサボロールは医薬部外品へ配合できますが、以下のように配合上限が定められています(3)。
- 薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤、育毛剤…1.0%
- その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤、薬用口唇類 薬用歯みがき類 浴用剤…0.30%
ビサボロールは、以下の分量の範囲内において、化粧品の成分とすることができます。
ただし、安易に化粧品に配合できることを意味するものではなく、配合にあたっては企業責任のもとに品質及びその安全性を確認し配合することが求められています。
なお、数値は100g中の最大配合量(g)を示します(4)。
- 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの…1.2000
- 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの…1.2000
- 粘膜に使用されることがある化粧品…0.7905
ビサボロールは古来キク科のカミツレより抽出され使用された成分です。
カミツレは、カモミールとも呼ばれ、狭義ではジャーマンカモミールのことを指します。
カミツレは、西洋では紀元前2000年には使用されていた記録があり、古代バビロニアでは薬用に使用されてきています。
現在でも世界各地で薬用を目的に栽培されています(6)。
ビサボロールは、構造異性体が存在しますが、ビサボロールとして化粧品に使用されるのはα体です。別名でレボメロールとも呼ばれます。
ビサボロールは、カミツレのみに含まれている成分でなく、他の植物にも存在します。
ブラジル南東部に生育するカンディアの樹の精油からビサボロールを単離精製する方法も使用されていますし、ホワイトテクノロジーと呼ばれる植物糖の発酵に基づく方法でも生産されています(5)。
ビサボロールの配合目的
ヒーリング作用
抗酸化作用
美白作用
ビサボロールは、癒し、ヒーリング、抗酸化、美白など、数多くの利点を持ちます。
古来より野生のカモミールから抽出され、伝統医学において敏感肌の処置や赤み・炎症を抑えるために何百年も前から使用されてきました(5)。
その働きについて検証がなされたのは、美白作用、抗炎症作用と皮膚刺激の抑制、防腐の補助作用です(7)~(12)。
https://www.cir-safety.org/sites/default/files/bisabolol.pdf
ビサボロールの安全性情報
https://www.cir-safety.org/sites/default/files/bisabolol.pdf
皮膚刺激、アレルギー、光感作性について、ほとんどないと検証結果が出ています。
化粧品に配合される範囲内であれば、安全に使用できる物質です(13)。
参考文献
(1)日本化粧品工業連合会 ビサボロール 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知
(2) 医薬部外品原料規格 ビサボロール
(3)「医薬部外品の添加物リストについて」の一部改正について 令和3年3月25日 薬生薬審発0325第7号
(4) 化粧品に配合可能な医薬品の成分について 平成19年5月24日 薬食審査発第0524001号
(5) BisaboLife™でビサボロールを持続可能な方法で復活させる | Givaudan
(6) 東邦大学薬学部|薬用植物園|ハーブ園|カミルレ(カミツレ)| (toho-u.ac.jp)
(8) 株式会社資生堂(1987)「化粧料」特開昭62-039517.
(9) 本田 成美, 他(1986)「皮膚刺激感の検討(1)」日本化粧品技術者会誌(20)(1),12-16. DOI:10.5107/sccj.20.12
(10) ヤクルト(1988)「皮膚刺激感抑制剤及びこれを配合してなる化粧料」特開昭63-280006.
(11) 花王株式会社(1988)「抗菌剤組成物」特開昭63-033326.
(12) 株式会社資生堂(1998)「皮膚外用剤」特開平10-279417.
(13) F.A. Andersen(1999)「Final Report on the Safety Assessment of Bisabolol」International Journal of Toxicology(18)(3_Suppl),33-40. DOI:10.1177/109158189901800305
日本語論文
化粧品における配合成分の検査結果及びビサボロールの分析条件の検討(平成24年度)
中村 絢 , 蓑輪 佳子 , 鈴木 淳子 [他] 東京都健康安全研究センター研究年報 (65), 77-85, 2014 医中誌Web
人工透析患者の皮膚掻痒感の緩和に向けた援助:カモミールローションを使用して
広瀬 幸恵 , 塚田 めぐみ , 青木 弘美 , 高谷 智子 日本農村医学会学術総会抄録集 57(0), 261-261, 2008 J-STAGE
英語論文
Determination of alpha-bisabololand d-panthenol in cosmeticproducts by gas chromatography.
Andre D, et al. Int J Cosmet Sci. 1991.PMID: 19291052
Grassi A, et al. Clin Ter. 2000.PMID: 10876973 Clinical Trial. Italian.
alpha-(-)-bisabolol reduces pro-inflammatory cytokine production and ameliorates skin inflammation.
Maurya AK, et al. Curr Pharm Biotechnol. 2014. PMID: 24894548
Mamalis A, et al. J Drugs Dermatol. 2013.PMID: 23884490
[Absorption, distribution and metabolism of [14C]-levomenol in the skin].
Hahn B, et al. Arzneimittelforschung. 1987.PMID: 3663271 German.
Yarosh DB, et al. J Dermatol Sci. 2006.PMID: 16423507 Clinical Trial.
Lupo ML, et al. J Drugs Dermatol. 2007.PMID: 17763597 Clinical Trial.