表示名称成分詳細
トリオレイン酸ソルビタン
成分番号(JP number): 551878
- INCI
- SORBITAN TRIOLEATE
- 定義(Description)
- 本品は、オレイン酸(*)と無水ソルビトールのトリエステルであり、次の化学式で表される。Anhydro-D-glucitol trioleate
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 山梨坦三油酸酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 6
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 솔비탄트라이올리에이트
- CAS No.
- 26266-58-0
- EC No.
- 247-569-3
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
トリオレイン酸ソルビタン / SORBITAN TRIOLEATE
トリオレイン酸ソルビタンとは
トリオレイン酸ソルビタンは、界面活性剤の一種です。
化粧品に配合される場合も、医薬部外品に配合される場合も、トリオレイン酸ソルビタンと表示されます。
化粧品に配合される場合は、主に以下の用途で用いられます。
乳化
乳化とは、1つの液体にそれと溶けあわない別の液体を均一に分散させることを言います(3)。
トリオレイン酸ソルビタンにはこの作用があり、W/O型乳化を引き起こします。
W/O型乳化とは、油を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に水が微細粒子状に分散する形で行われる乳化です。
逆に、水を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に油が微細粒子状に分散する形で行われる乳化をO/W型乳化と呼びます。
界面活性剤は分子中に親水基と親油基をもっているので両者のバランスが重要になります。親水基と親油基の強さを評価する手段として一般的にHLB値が用いられています。
HLB値は、0~20の値を取り、0に近いほど親油性、20に近いほど親水性が高くなります。界面活性剤が水中に分散するためには3以上、溶解するためには10以上が必要で、HLB値は理論的なものではありませんが、HLB値によってその界面活性剤の性質や用途もある程度決定されます(4)。
トリオレイン酸ソルビタンのHLB値は2.0で、W/O乳化剤(親油性界面活性剤)です。
これらの作用を期待されて、トリオレイン酸ソルビタンはメイクアップ化粧品、ヘアケア製品、スキンケア化粧品、ネイルなどに使用されています。
ただし、単独では分散性、乳化力が弱く、他の乳化剤と組み合わせて調整剤として使用されることが多いです。
参考文献
- https://cosmetic-ingredients.org/surfactant/トリオレイン酸ソルビタンの成分効果と毒性/
- https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html
- 田村 健夫, 他(1990)「乳化作用」香粧品科学 理論と実際 第4版,270-273.
- 野々村 美宗(2015)「親水性・親油性バランス」化粧品 医薬部外品 医薬品のための界面化学,35-39.
トリオレイン酸ソルビタンの配合目的
- 乳化
トリオレイン酸ソルビタンの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS682.pdf
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr196.pdf
日本語論文
W/Oエマルジョンを反応場とした中空有機シリカ球状粒子の作製
梅本 拓史 , 松本 太一 , 和田 憲幸 , 小島 一男 日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集 2005F(0), 744-744, 2005 J-STAGE
英語論文
Yutani R, et al. Chem Pharm Bull (Tokyo). 2015. PMID: 26329869 Free article.
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Impact of Surfactants on SkinPenetration of Dexpanthenol.
Laffleur F, et al. Curr Drug Deliv. 2018.PMID: 28472909
Development and characterization of a novel antiacne niosomal gel of rosmarinic acid.
Budhiraja A, et al. Drug Deliv. 2015.PMID: 24786487
Investigation of microemulsion system for transdermal delivery of meloxicam.
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Shen WW, et al. J Pharm Sci. 1976.PMID: 1032661
Hwang CC, et al. J Pharm Sci. 1983.PMID: 6620136