表示名称成分詳細
トリエチレングリコール
成分番号(JP number): 551875
- INCI
- TRIETHYLENE GLYCOL
- 定義(Description)
- 本品は、グリコール(*)の3量体である。2,2'-(Ethylenedioxy)diethanol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 三甘醇
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 트라이에틸글라이콜
- CAS No.
- 112-27-6
- EC No.
- 203-953-2
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
トリエチレングリコール / TRIETHYLENE GLYCOL
サフラワー油とは
サフラワー油とは、植物油脂に分類され、化学構造にグリセリンと高級脂肪酸とのトリグリセリドを主成分とする、植物性油脂です。
サフラワー油の原料植物は、イネ科植物ベニバナ(学名:Carthamus tinctorius 英名:Safflower)であり、ベニバナの種子から得られる油脂です。
ベニバナのベニバナ属は約20種が、カナリア諸島、地中海沿岸から中央アジアにかけて分布し、原産地はアジア南西部であるとされています。
現在では、エジプト、インド、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、中国、日本など世界各国で栽培されています。
ベニバナは化粧品使用目的だけでなく、観賞用、食用油用、染料用、薬用など幅広く活用されているのです。
和名であるベニバナは中国名の紅花を訓読したものであり、染料としての赤色色素を紅と呼んだことが関係しています(1)。
化粧品成分としては、油性成分としてベース成分、またエモリエント作用、感触改良作用を目的に使用されます。
サフラワー油は、化粧品成分表示名称として定められた名称であり、医薬部外品表示名称としてはサフラワー油、サフラワー油(2)として定められています。
また、慣用名としては紅花油と呼ばれています。
植物油は植物の種類、産地、部位、圧搾方法等により成分が変化するといわれています。
ですが、主要な脂肪酸成分と割合はわかってきています。
リノール酸:約74.2%、オレイン酸:約14.5%、パルミチン酸:約8.5%
ヨウ素価135-150
ヨウ素価から「乾性油」に分類されます(2)(3)。
リノール酸、オレイン酸を多く含んでおり、二重結合が2つの不飽和脂肪酸であるリノール酸が70%以上を占めることから、酸化安定性は低い植物性油脂です(2)。
常温で液体のため、サフラワー種子「油」という表記になっています。
常温で液体ではありますが、乾性油の特徴として、空気中で徐々に固化していきます。
皮膚に塗布をすると、皮膜状に固化していくこともサフラワー油の特徴です。
サフラワー油は酸化安定性を改良するために、原料となるヒマワリの品種改良を行い、酸化安定性を高めた「ハイブリッドサフラワー油」が存在します。
サフラワー油に比べ、ハイブリッドサフラワー油はオレイン酸の量が増加しています。
ハイブリッドサフラワー油は化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称はハイオレイックサフラワー油と定められているため混同しないように注意が必要です(4)。
化粧品製品としては、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、洗浄製品、ヘアケア製品、洗顔料&洗顔石鹸、リップ製品、ネイル製品などに幅広く使用されています。
エモリエント作用
皮膚表面によく広がる展延性、また皮膜を生成する作用により、角質層を閉塞させ、角質層からの水分蒸発作用を抑制します。
水分蒸発を抑制することで、角質層の潤いを維持し、肌の柔軟性、光沢、柔らかさを与えてくれます。
ベース成分
化粧品のベース成分としては水性成分、油性成分、界面活性剤、顔料・粉体成分のうち、油性成分として使用され、角質層からの水分蒸発抑制作用であるエモリエント作用を目的に使用されます。
その他
サフラワー油に含まれるアカセチン(5,7-ジヒドロキシ-4'-メトキシフラボン)がUVB光線への曝露によって引き起こされる損傷を抑制する作用が示唆されています。
太陽紫外線であるUVB光線に皮膚がさらされると、MMV-1が繊維化コラーゲンを分解する作用を促進させます。MMV-1のコラーゲン分解が促進することで、コラーゲンが減少ししわが形成されてくるのです。
ここで、サフラワー油はMMV-1の発現を抑制し、コラーゲンの減少を抑えることで皮膚に対する紫外線の影響を抑えるといわれています(5)。
安全性
サフラワー油は10年以上の使用実績があり、医薬品添加物規格、医薬部外品原料規格に収載されています。
一般的な使用であれば安全性は高いといわれています。
皮膚刺激性に関してほとんど刺激がないとの結果や、皮膚感作性に関してもアレルギーはないとの実験結果が報告されています(2)。
眼刺激性に関しては、詳細な調査を行った実験データはみあたりません。
参考文献
(1) 藤井尚子。「色をめぐる人間と自然と社会の構造―ベニバナの色名にあり人間的自然調べの「美」と「生命力」を中心に―。」(2007)
(2) Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
(3) 資源天然物化学. (2017). 日本: 共立出版.p111
(4) 千葉義道。「食用油脂の同一線とその食品。」油化学19.8(1970):524-533。
(5) Eun Hee Jeong1†, Hee Yang1†, Jong-Eun Kim2*, and Ki Won Lee1*「Safflower Seed Oil and Its Active Compound Acacetin Inhibit UVB-Induced Skin Photoaging」J. Microbiol. Biotechnol. 2020; 30(10): 1567-1573
サフラワー油の配合目的
・角質層の閉塞、皮膜形成作用により角質層からの水分蒸発抑制作用(エモリエント作用)
・角質層の水分増加による、皮膚の柔軟性の改善作用
・アカセチンにより、MMV-1の発現を抑制し、コラーゲン分解を抑制する目的
サフラワー油の安全性情報
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS577.pdf
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRNS513.pdf
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr191.pdf
日本語論文
サフラワー油 出荷量減少に底打ち感 わが国の在庫調整は一段落 (特集・2005年の油脂原料) 油脂 58(3), 32-34, 2005-03
濃厚飼料多給メン羊におけるサフラワー油添加給与が呼気からのメタン放出量, 消化率および第一胃内液性状に及ぼす影響
堀口 健一 , 佐藤 博俊 , 高橋 敏能 日本緬羊研究会誌 2002(39), 17-24, 2002
ラット組織ペンタクロロベンゼン蓄積に及ぼす飼料への卵黄リン脂質とオリーブ油,サフラワー油,DHA濃縮油の各混合油脂添加効果
細山田 康恵 , 黒田 圭一 , 萩原 清和 [他] , 小畠 義樹 日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science 51(5), 251-258, 1998-10-10
岡田 孝宏 , 岩田 敏夫 油脂 51(7), 51-60, 1998-07
岡田 孝宏 , 岩田 敏夫 油脂 51(6), 46-52, 1998-06
茶葉,柑橘類,クロ-ブ含有成分のハイリノ-ル型サフラワ-油に対する抗酸化効果
下橋 淳子 , 寺田 和子 , Atsuko SHIMOHASHI , TERADA Kazuko 駒沢女子短期大学研究紀要 (31), 37-47, 1998
食品に含まれる抗酸化物質のハイリノ-ル型サフラワ-油に対する酸化防止効果
下橋 淳子 , 寺田 和子 , Atsuko SHIMOHASHI , TERADA Kazuko 駒沢女子短期大学研究紀要 (30), 31-38, 1997-03
サフラワ-油/米ぬか油混合油脂がラット血清コレステロ-ル濃度に及ぼす影響
古場 一哲 長崎県立女子短期大学研究紀要 (45), 33-37, 1997
サフラワー油の脱水過程でモレキュラーシーブから溶出した微量金属元素の放射化分析
高砂子 昌久 [他] , 小林 光一 , 多留 康矩 , 高岡 京 油化学 41(11), 1120-1124, 1992-11-20
サフラワー油を原料とする脂肪酸カルシウムの給与が山羊の体脂肪中のリノール酸割合に及ぼす影響
常石 英作 [他] , 佐藤 博 , 滝本 勇治 , 渡辺 彰 日本畜産学会報 63(7), 739-742, 1992
399.サフラワー油食もしくは牛脂食の長期摂取が脂質代謝に及ぼす影響 : 代謝,加齢,女子
下村 吉治 , 鈴木 正成 体力科學 39(6), 821, 1990-12-01
<研究ノート>サフラワー油または牛脂投与ラット組織中の脂質に及ぼす飼料中のα-Tocotherol 量の影響
仲佐 輝子 , 田中 里佳 , 沖中 同志社家政 21, 45-53, 1988-02-20
サフラワー油-ステンレス板系またはアルミニウム板系における油中の溶存水量とこれらの金属板から油中に溶出した金属量との相関関係
高砂子 昌久 , 高岡 京 油化学 35(12), 1010-1013, 1986
フーリエ変換近赤外スペクトル法を用いたサフラワー油溶存水 (クラスター水, 非対称的水素結合水, 自由水) に対する酸化鉄 (III), 酸化アルミニウムの選択吸着性の検討
高砂子 昌久 , 高岡 京 油化学 34(2), 102-106, 1985
フーリエ変換近赤外スペクトル法によるデカン酸メチル及びサフラワー油中の溶存水の状態分析
高砂子 昌久 , 高岡 京 油化学 33(11), 772-775, 1984
高砂子 昌久 , 高岡 京 油化学 32(6), 315-320, 1983
サフラワー油を長期間保存したときの自動酸化に対する溶存水の影響について
高砂子 昌久 , 高岡 京 油化学 31(7), 438-442, 1982
ヨウ化マンガン (II), ヨウ化マグネシウム, 及びヨード酢酸の存在下におけるサフラワー油の加熱反応:重合生成物の比較
椎名久子 油化学 31(7), 421-426, 1982
水を溶存するサフラワー油に浸漬したブリキ板からの鉄, スズの溶出及び油の酸化劣化の検討
高砂子 昌久 , 高岡 京 油化学 31(3), 167-174, 1982
サフラワ-油 (植物油脂のステロ-ル組成) 油化学 30(9), p599-600, 1981-09
サフラワー油-酸化鉄 (III) 混合系における, 微量溶存水が溶出した鉄イオンの放射化分析について
高砂子 昌久 , 高岡 京 油化学 30(9), 558-561, 1981
ヨウ化マンガン (II) の存在下におけるサフラワー油の加熱反応
椎名 久子 油化学 30(8), 491-494, 1981
ガスクロマトグラフィーによるサフラワー油中の微量水分の定量について
高砂子 昌久 , 高岡 京 油化学 30(1), 56-59, 1981
流通法による脂肪酸誘導体の合成に関する研究 (第10報):サフラワー油脂肪酸へのアクリル酸の付加反応
鈴木 修 , 山科 孝雄 , 横地 俊弘 油化学 29(7), 489-494, 1980
高砂子 昌久 , 高岡 京 , 外山 修之 油化学 29(3), 162-168, 1980
ヨウ素の存在下におけるサフラワー油, サフラワー油脂肪酸, サフラワー油脂肪酸メチルエステルの加熱反応:共役化反応について
窪田 安彦 , 橋本 哲太郎 油化学 28(9), 600-604, 1979
ガスクロデータ:いか油の脂肪酸組成/サフラワー油の脂肪酸組成
油脂及び油脂製品試験法部会・ガスクロデータ小委員会 油化学 28(6), 432-433, 1979
流通法による脂肪酸誘導体の合成に関する研究 (第7報):サフラワー油脂肪酸メチルへのフマル酸ジエステルの付加反応
鈴木 修 , 山科 孝雄 油化学 27(9), 585-591, 1978
流通法による脂肪酸誘導体の合成に関する研究 (第6報):サフラワー油脂肪酸メチルへのマレイン酸ジエステルの付加反応
鈴木 修 , 山科 孝雄 油化学 27(7), 435-440, 1978
流通法による脂肪酸誘導体の合成に関する研究 (第4報):サフラワー油脂肪酸あるいはそのメチルエステルへの無水マレイン酸の付加反応
鈴木 修 , 山科 孝雄 油化学 27(5), 286-293, 1978
椎名 久子 , 橋本 哲太郎 油化学 27(3), 148-155, 1978
ヨウ化マグネシウムの存在下におけるサフラワー油 脂肪酸および脂肪酸メチルの加熱反応
椎名 久子 , 橋本 哲太郎 油化学 25(4), 194-198, 1976
阿部 又信 [他] , 山本 嘉博 , 上原 良吾 , 荻原 国威 , 佐藤 民雄 日本畜産学会報 47(11), 639-647, 1976
椎名 久子 , 橋本 哲太郎 油化学 24(12), 851-855, 1975
ヨウ素の存在下におけるサフラワー油脂肪酸メチルの加熱反応:反応生成物の同定
窪田 安彦 , 橋本 哲太郎 , 山口 剛史 油化学 24(2), 94-99, 1975
アルカリ金属およびアルカリ土金属ヨウ化物によるサフラワー油の異性化反応
椎名 久子 , 橋本 哲太郎 油化学 24(3), 161-165, 1975
サフラワー油給与が乳牛の血清リポ蛋白質と乳脂肪酸組成におよぼす影響
田中 桂一 [他] 岐阜大学農学部研究報告 (34), 373-386, 1973-11
サフラワー油およびサフラワー種子給与がヤギの第一胃内における不飽和脂肪酸の水素添加におよぼす影響
田中 桂一 [他] , 清水 良三 , 林 英夫 日本畜産学会報 44(4), 212-215, 1973
ステアリン酸およびサフラワー油給与が乳牛の血漿中脂質および乳脂肪におよぼす影響について
田中 桂一 [他] , 中島 岩男 , 林 英夫 日本畜産学会報 44(3), 165-173, 1973
サフラワー油の給与量の増加がヤギの第一胃内における不飽和脂肪酸の水素添加におよぼす影響について
田中 桂一 [他] , 清水 良三 , 林 英夫 日本畜産学会報 44(3), 143-147, 1973
英語論文
Khémiri I, Essghaier B, Sadfi-Zouaoui N, Bitri L.Oxid Med Cell Longev. 2020 Nov 4;2020:4103418. doi: 10.1155/2020/4103418. eCollection 2020.PMID: 33204394 Free PMC article.
Safflower Seed Oil and Its Active Compound Acacetin Inhibit UVB-Induced Skin Photoaging.
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Cai J, Wen R, Li W, Wang X, Tian H, Yi S, Zhang L, Li X, Jiang C, Li H.BMC Biotechnol. 2018 Aug 29;18(1):51. doi: 10.1186/s12896-018-0433-2.PMID: 30157831 Free PMC article.
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