表示名称成分詳細
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル
成分番号(JP number): 551859
- INCI
- PEG-20 GLYCERYL TRIISOSTEARATE
- 定義(Description)
- 本品は、イソステアリン酸(*)と酸化エチレンを付加重合したグリセリンのトリエステルであり、次の化学式で表される。x+y+z:平均20Poly(oxy-1,2-ethanediyl), .alpha.,.alpha.',.alpha.''-1,2,3-propanetriyltris-.omega.-[(1-oxo-16-methylheptadecyl))oxy]-, (20 mol EO average molar ratio)
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- PEG-20 甘油三异硬脂酸酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 26, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 10
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 피이지-20글리세릴트라이아이소스테아레이트
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル / PEG-20 GLYCERYL TRIISOSTEARATE
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルとは
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルは、界面活性剤の一種です。
化粧品に配合される場合は、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルと表示されますが、医薬部外品に配合される場合はトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルと表示されます。
化粧品に配合される場合は、主に以下の用途で用いられます。
乳化
乳化とは、1つの液体にそれと溶けあわない別の液体を均一に分散させることを言います(3)。
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルにはこの作用があり、O/W型乳化を引き起こします。
W/O型乳化とは、油を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に水が微細粒子状に分散する形で行われる乳化です。
逆に、水を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に油が微細粒子状に分散する形で行われる乳化をO/W型乳化と呼びます。
界面活性剤は分子中に親水基と親油基をもっているので両者のバランスが重要になります。親水基と親油基の強さを評価する手段として一般的にHLB値が用いられています。
HLB値は、0~20の値を取り、0に近いほど親油性、20に近いほど親水性が高くなります。界面活性剤が水中に分散するためには3以上、溶解するためには10以上が必要で、HLB値は理論的なものではありませんが、HLB値によってその界面活性剤の性質や用途もある程度決定されます(4)。
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルのHLB値は10.4 , 10.9で、O/W型乳化剤(親水性界面活性剤)です。
この特徴から、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルは主に洗顔料、シャンプー、ネイルなどに使用されます。
洗浄基材
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルは、クレンジング系の洗浄基材としても使用されます。
この場合は、化粧品成分表示一覧の最初の方に記載されます。
参考文献
- https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html
- 田村 健夫, 他(1990)「乳化作用」香粧品科学 理論と実際 第4版,270-273.
- 野々村 美宗(2015)「親水性・親油性バランス」化粧品 医薬部外品 医薬品のための界面化学,35-39.
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルの配合目的
- 乳化
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルの安全性情報
(1)より、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。
(2)より、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。
(1)ミヨシ油脂株式会社(2011)「Mファインオイルシリーズ」技術資料
(2)医薬部外品原料規格2021
日本語論文
なし
英語論文
なし