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デキストリンとは

デキストリンは、デンプンを加水分解してマルトースになるまでの中間生成物として得られる多糖類であり、植物系水溶性高分子です。デキストリンは、白色の粉末または顆粒状で存在します(1)。

デキストリンは化粧品成分名称であり、医薬部外品表示名称でも使われています。

デキストリンは、デンプンとグルコースの中間体であり、デンプンは加水分解することにより、低分子かされることで最終的にはグルコースへ変化していきます。加水分解の過程でデキストリン、マルトデキストリン、粉あめと変わっていき、加水分解の度合いを示す値がDE（Dextrose Equivalent）の値によって表されます。 DEとは加水分解によって得られたグルコースの割合を表しており、DEが0のものがデンプン、100のものをグルコースと表現し、デキストリンはDEが10以下のものを示します。

特性もDEによって変わってきます。 DEが高いほど粘性、吸着性は低く、溶解性は高くなり、グルコースの特性に近づきます。 DEが低いほど粘性、吸着性は高く、溶解性は低くなり、デンプンに近づくため、デキストリンはDEが10以下となっているため、粘性、吸着性は高く、溶解性は低くなっています(2)。デキストリンの溶解性は液体には溶けにくいのが、熱湯には溶けやすく、エタノールに溶けません(1)。

デキストリンは食品添加物、医薬品添加物にも使用されています。化粧成分としては、親水性増粘剤を生かした、感触改良、乳化安定、結合、賦形剤として使用されます。

化粧品としては、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、シート&マスク製品、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、洗顔料、洗顔石鹸、クレンジング製品、シャンプー製品、コンディショナー製品、ボディソープ製品、ボディ石鹸、アウトバストリートメント製品、入浴剤など様々な製品に使用されています。

親水性増粘剤

熱湯に溶けやすい性質を生かして増粘剤として使用され、特徴的なコクのある粘性を持っているため、感触改良、保湿効果を期待して使用されます(1)。

結合、賦形

デキストリンは、粘稠性から粉体原料の飛散防止目的で結合剤としての使用、微量しか使用しない場合の賦形目的としても使用されます。

安全性

デキストリンは40年以上の使用実績があり、日本薬局方にも収載されています。一般的な使用では安全性が高いと言われています。皮膚刺激性、皮膚感作性としてはほとんど刺激、アレルギーがないことが検証の結果が示されています(3)。眼科刺激に関しては検証を行ったデータは見当たりません。

参考文献

宇山侊男, 他（2020）「デキストリン」化粧品成分ガイド第7版,p48.
多糖類.com「デキストリン」〈 https://www.tatourui.com/about/type/14_starch.html　2021年11月25日アクセス〉
Monice M. Fiume, 他（2016）「 Safety Assessment of Microbial Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」Crossref DOI link: https://doi.org/10.1177/1091581816651606　2021年11月25日アクセス