表示名称成分詳細
ダイズステロール
成分番号(JP number): 551758
- INCI
- GLYCINE SOJA STEROLS
- 定義(Description)
- 本品は、ダイズGlycine sojaから得られるステロールである。Glycine Soja Sterol is a mixture of phytosterols obtained from the Soybean, Glycine soja, Leguminosae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 野大豆(GLYCINE SOJA)甾醇类
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5.742
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 돌콩스테롤
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
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ダイズステロール / GLYCINE SOJA STEROLS
ダイズステロールとは
ダイズステロールは、成分番号 551758、INCI名 Glycine Soja (Soybean) Sterolsの、ダイズGlycine sojaから得られるステロールです(1)。
医薬部外品原料規格では、「フィトステロール」英名:Phytosterol に分類されます。融点は、131~146℃ と規定されています(2)。
フィトステロールは、植物油脂から抽出して得たステロールのことを指します。
フィトステロールは、医薬品添加物規格にも、成分コード番号105179、「フィトステロール」英名:Phytosterol、フィトステリンとして収載されています(3)。
ダイズステロールは、マメ科の一年草である大豆(Glycine max)から抽出した植物性ステロールです。
ダイズステロールは大豆の胚軸 に多く、大豆100あたり約160mg含まれているといわれています。
植物ステロールを摂取すると、コレステロールと同様に、小腸で胆汁酸やリン脂質、脂肪酸、モノグリセ リドとミセ ル を形成し、吸収されます。その後体内で、胆汁酸に代謝されて体外に排泄されます。
植物ステロールには、体内のコレステロール値を下げる効果が知られています。
ダイズステロール内のステロールの組成は、シトステロール 約50%、スチグマステロール 約35%、カンペステロール 約15%となっています。
ダイズステロールの配合目的
- エモリエント効果
- 皮膚コンディショニング
- 親油性増粘剤
- 乳化安定剤
- 保湿効果
- 皮膚保護膜形成
働きと用途
ダイズステロールは、コレステロールとよく似た性質を持ちます。
コレステロールは、抱水性が高く、化粧品には、油剤、エモリエント剤、ラメラ構造の安定作用により皮膚コンディショニング剤、親油性増粘剤、乳化安定剤として使われています。
また、保湿効果があり、表皮にやわらかい膜を作り、肌にハリを与えキメを整えます。
化粧品分野では、化粧水などのスキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア、シートマスク、シャンプー、コンディショナー、洗顔料、アウトバストリートメント、クレンジング、ヘアスタイリング、ボディソープなど様々な製乳液、クリーム、美容液、ファンデーション、養毛剤に使われています。
また、肌馴染みの良さに関連するリポソームを微細化する手法として、フィトスタノールエーテルとフィトステロールを使用する方法が開発され、微細でかつ内水相容積の大きなリポソームを調製できることが見出されています(5)。
ダイズステロールの安全性情報
https://www.cir-safety.org/sites/default/files/soy042019SLR.pdf
ダイズステロールは、大豆由来であり、人間が数千年にわたって接種してきた物質です。
したがって安全性は高いですが、大豆アレルギーを持つ方はアレルギーを起こすリスクがあります(4)。
参考文献
(1) 日本化粧品工業連合会 ダイズステロール 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知
(2) 医薬部外品原料規格 フィトステロール
(3) 医薬品添加物規格 フィトステロール
(4) 植物 ステロールの 生理機能 と安全性 について 佐藤 斉 味の素株式会社 オ レオサイエンス 第3巻 第8号(2003)
(5) 松尾 真樹, 他(2007)「超微細化リポソームの安定化技術」日本化粧品技術者会誌(41)(3),167-172.
日本語論文
三浦 孝之 , 佐藤 薫 日本食品科学工学会誌 66(10), 381-386, 2019 J-STAGE 日本農学文献記事索引
平野 久 , 藤田 清貴 日本プロテオーム学会誌 4(1), 19-30, 2019 J-STAGE
芳野 恭士ニューフードインダストリー 56(5), 31-40, 2014-05
血清コレステロールレベル低下に対するダイズはい芽油の影響(原文標題は英語)
Sato Hitoshi , Ito Kazuko , Sakai Keiichi [他] , MORINAGA Yasushi , SUKEGAWA Eiji , KITAMURA Takehiko , SHIMASAKI Hiroyuki , ITAKURA Hiroshige Journal of oleo science 50(8), 649-655, 2001-08-01 J-STAGE 医中誌Web 参考文献18件被引用文献2件
ダイズのヘルシ-テクノロジ---ダイズタンパク質とコレステロ-ル低下
菅野 道広 食品工業 39(18), 59-68, 1996-09-30 被引用文献2件
ピリブチカルブのトウモロコシおよびダイズにおけるスクワレン代謝に及ぼす影響〔英文〕
森中 秀夫 [他] , 北村 洋一 , 続木 建治 , 臼井 健二 , 松本 宏 , 石塚 皓造
雑草研究 38(3), p167-174, 1993-10
ピリブチカルブのトウモロコシおよびダイズにおけるスクワレン代謝に及ぼす影響
森中 秀夫 , 北村 洋一 , 続木 建治 , 臼井 健二 , 松本 宏 , 石塚 皓造 雑草研究 38(3), 167-174, 1993 J-STAGE
ヒナに給与したアルファルファ緑葉タンパク質濃縮物とダイズタンパク質の血漿コレステロール降下作用
上田 博史 , 大島 光昭 日本畜産学会報 63(10), 1032-1037, 1992 J-STAGE
Gypsophilaサポニンおよび飼料中のカゼイン含量がヒナの発育と血漿コレステロール濃度に及ぼす影響
上田 博史 日本畜産学会報 63(9), 905-911, 1992 J-STAGE
ヒナの血漿コレステロール濃度に及ぼす飼料のタンパク質とダイズサポニンの影響
上田 博史 日本畜産学会報 63(8), 793-799, 1992 J-STAGE
マメ科種子中のグリセロ脂質,ステロール脂質およびスフィンゴ脂質の化学的特性
小嶋 道之 , 長沢 丈志 , 古川 直樹 , 毛利 英孝 , 大西 正男 , 伊藤 精亮 日本食品工業学会誌 38(12), 1076-1085, 1991 J-STAGE
種雄牛の脂肪壊死症の発生状況と植物ステロール給与例の臨床観察
岡田 雪男 , 多久 和正 , 原 文男 , 白石 忠昭 , 藤田 忍 , 金山 保夫 , 森脇 稔幸 , 安達 浩治 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 41(8), 555-560, 1988-08 日本農学文献記事索引
ラットのコレステロ-ル代謝に及ぼす大豆外皮(Soybean hull)ならびに大豆外皮から抽出,分離したヘミセルロ-ス標品の影響
綾野 雄幸 [他] , 太田 冨貴雄 , 野崎 郁夫 , 江頭 祐嘉合
千葉大学園芸学部学術報告 (38), p9-18, 1986-10機関リポジトリ 日本農学文献記事索引
沢村 正義 , 佐藤 彰洋 , 芦澤 穂波 , 中島 悦子 , 石鍋 佳子 , 浅野 公人 , 東谷 望史
英語論文
Secondary metabolites from Glycinesoja and their growth inhibitory effect against Spodoptera litura.
Zhou YY, et al. J Agric Food Chem. 2011.PMID: 21545185
Kato S, et al. Toxicol Ind Health. 2009.PMID: 19482914
Radwan SS, et al. Chem Phys Lipids. 1975.PMID: 1168102
Takada Y, et al. Breed Sci. 2012.PMID: 23136503