表示名称成分詳細
セスキステアリン酸ソルビタン
成分番号(JP number): 551649
- INCI
- SORBITAN SESQUISTEARATE
- 定義(Description)
- 本品は、ステアリン酸(*)と無水ソルビトールのモノ及びジエステルの混合物である。Sorbitan, octadecanoate (2:3)
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 山梨坦倍半硬脂酸酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 3.5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 솔비탄세스퀴스테아레이트
- CAS No.
- 51938-44-4
- EC No.
- 257-529-7
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
セスキステアリン酸ソルビタン / SORBITAN SESQUISTEARATE
セスキステアリン酸ソルビタンとは
[化粧品成分表示名称]
・セスキステアリン酸ソルビタン
[医薬部外品表示名称]
・セスキステアリン酸ソルビタン
セスキステアリン酸ソルビタンは、炭素数18の高級脂肪酸であるステアリン酸と無水ソルビトールのモノ及びジエステルの混合物です。多価アルコール型の非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
「セスキ」とは化学用語で3分の2、つまり1(モノ)と2(ジ)の中間である1.5を意味するラテン語由来の接頭語です。セスキステアリン酸ソルビタンは、ステアリン酸と無水ソルビトールのモノエステルとジエステルの混合物であることから、モノとジの中間であるセスキが接頭語として使われています。
界面活性剤としてのセスキステアリン酸ソルビタン
親水基として多価アルコールのソルビタンを含んでいるセスキステアリン酸ソルビタンは、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
ノニオン界面活性剤は、水中でイオン化しない親水基を持った界面活性剤です。酸性でもアルカリ性でも使用することができ、水の硬度の影響を受けにくいなど化学的に安定な性質があり、さまざまな界面活性剤と併用することができます。乳化作用・分散作用に優れており、幅広い分野で使用されています。
多価アルコール型のノニオン界面活性剤は、一般に天然由来で毒性も低いことから、化粧品・身体洗浄料だけでなく、食品や医療品の乳化・可溶化剤としても用いられています。曇天現象を起こさないため、幅広い温度領域で長期保存安定性を確保しやすいという特徴があります(1)。
セスキステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルは水溶性が低いため、界面活性剤として単独で使用されることは少なく、多くの場合親水性の高い界面活性剤と併用されます。
エマルションの基本構造には、水の中に油滴が分散したO/W型(Oil in Water type)と、油の中に水滴が分散したW/O型(Water in Oil type)があります。親油性の高いセスキステアリン酸ソルビタンを単独で乳化剤と使用した場合、多くの条件下でW/O型のエマルションが生成されます。
界面活性剤は分子中に親水基と親油基をもっているので両者のバランスが重要になります。親水基と親油基の強さを評価する手段として一般的にHLB値が用いられています。
HLB値は、0~20の値を取り、0に近いほど親油性、20に近いほど親水性が高くなります。界面活性剤が水中に分散するためには3以上、溶解するためには10以上が必要で、HLB値は理論的なものではありませんが、HLB値によってその界面活性剤の性質や用途もある程度決定されます(2)。
セスキステアリン酸ソルビタンのHLB値は4.0で、W/O乳化剤(親油性界面活性剤)です。
この特徴から、主にメイクアップ化粧品、スキンケア化粧品どに使用されます。
セスキステアリン酸ソルビタンの化粧品への配合
セスキステアリン酸ソルビタンは、化粧品のエマルションを調製するための乳化剤として、主にスキンケア製品、ベースメイク化粧品、メイクアップ化粧品などに使用されています。
セスキステアリン酸ソルビタンは、単体では成分を分散させる能力が高くはないため、多くの場合その他の乳化剤と組み合わせて使用されます。親油性が高いセスキステアリン酸ソルビタンは、親水性界面活性剤と併用することによって優れた乳化力を発揮します。
参考文献
- 野々村美宗 (2015)「ノニオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 52-56
- 野々村美宗(2015)「親水性・親油性バランス」化粧品 医薬部外品 医薬品のための界面化学,35-39.
セスキステアリン酸ソルビタンの配合目的
- 乳化
セスキステアリン酸ソルビタンの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS682.pdf
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS305.pdf
日本語論文
荻野 和男 , 大田 昌勝 , 松井 順一 日本化粧品技術者会誌 31(2), 158-166, 1997 J-STAGE
英語論文
なし