表示名称成分詳細
セスキイソステアリン酸ソルビタン
成分番号(JP number): 551644
- INCI
- SORBITAN SESQUIISOSTEARATE
- 定義(Description)
- 本品は、イソステアリン酸(*)と無水ソルビトールのモノ及びジエステルの混合物である。Sorbitan, isooctadecanoate (2:3)
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 山梨坦倍半异硬脂酸酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 6.8, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 솔비탄세스퀴아이소스테아레이트
- CAS No.
- 71812-38-9
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
セスキイソステアリン酸ソルビタン / SORBITAN SESQUIISOSTEARATE
セスキイソステアリン酸ソルビタンとは
[化粧品成分表示名称]
・セスキイソステアリン酸ソルビタン
[医薬部外品表示名称]
・セスキイソステアリン酸ソルビタン
セスキイソステアリン酸ソルビタン(Sorbitan Sesquiisostearate)は、イソステアリン酸と無水ソルビトールのモノ及びジエステルの混合物です。多価アルコール型の非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
「セスキ」とは化学用語で3分の2、つまり1(モノ)と2(ジ)の中間である1.5を意味するラテン語由来の接頭語です。セスキイソステアリン酸ソルビタンは、イソステアリン酸と無水ソルビトールのモノエステルとジエステルの混合物であることから、モノとジの中間であるセスキが接頭語として使われています。
界面活性剤としてのセスキイソステアリン酸ソルビタン
親水基として多価アルコールのソルビタンを含んでいるセスキイソステアリン酸ソルビタンは、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
ノニオン界面活性剤は、水中でイオン化しない親水基を持った界面活性剤です。酸性でもアルカリ性でも使用することができ、水の硬度の影響を受けにくいなど化学的に安定な性質があり、さまざまな界面活性剤と併用することができます。乳化作用・分散作用に優れており、幅広い分野で使用されています。
多価アルコール型のノニオン界面活性剤は、一般に天然由来で毒性も低いことから、化粧品・身体洗浄料だけでなく、食品や医療品の乳化・可溶化剤としても用いられています。曇天現象を起こさないため、幅広い温度領域で長期保存安定性を確保しやすいという特徴があります(1)。
セスキイソステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルは水溶性が低いため、界面活性剤として単独で使用されることは少なく、多くの場合親水性の高い界面活性剤と併用されます。
エマルションの基本構造には、水の中に油滴が分散したO/W型(Oil in Water type)と、油の中に水滴が分散したW/O型(Water in Oil type)があります。親油性の高いセスキイソステアリン酸ソルビタンを単独で乳化剤と使用した場合、多くの条件下でW/O型のエマルションが生成されます。
セスキイソステアリン酸ソルビタンの化粧品への配合
セスキイソステアリン酸ソルビタンは、化粧品のエマルションを調製するための乳化剤として、主にベースメイク化粧品やメイクアップ化粧品などに使用されています。
セスキイソステアリン酸ソルビタンは、単体では成分を分散させる能力が高くはないため、多くの場合その他の乳化剤と組み合わせて使用されます。親油性が高いセスキイソステアリン酸ソルビタンは、親水性界面活性剤と併用することによって優れた乳化力を発揮します。
Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから一般的に化粧品として使用されている濃度内でのセスキイソステアリン酸ソルビタンの安全性が結論づけられています(2)。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2014年時点で、セスキイソステアリン酸ソルビタンを配合している製品の登録数は合計340で、そのうちリーブオン製品は339製品、リンスオフ製品は1製品でした(2)。
製品への含有量について2014年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、セスキイソステアリン酸ソルビタンはリーブオン製品で0.005%から3%、リンスオフ製品で1%の配合率で使用されていました(2)。
参考文献
- 野々村美宗 (2015)「ノニオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 52-56
- Cosmetic Ingredient Review (2019)「Safety Assessment of Sorbitan Esters as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology 2019, Vol. 38 (Supplement 2) 60S-80S
セスキイソステアリン酸ソルビタンの配合目的
- 乳化剤
セスキイソステアリン酸ソルビタンの安全性情報
(1)より、皮膚一次刺激性は非刺激-最小限の皮膚刺激を引き起こす可能性があり、皮膚累積刺激性は非刺激-軽度の皮膚刺激を引き起こす可能性があると考えられます。
(1)より、眼刺激性は非刺激-最小限の刺激を引き起こす可能性があると考えられます。
(1)Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ
日本語論文
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン塗布のマウスに対する生体影響
中島 孝江 , 東 恵美子 大阪府立公衆衛生研究所 研究報告 51(0), 51-56, 2013 J-STAGE 医中誌Web
荻野 和男 , 大田 昌勝 , 松井 順一 日本化粧品技術者会誌 31(2), 158-166, 1997 J-STAGE
英語論文
なし