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表示名称成分詳細

ステアレス-21

成分番号(JP number): 551583

INCI
STEARETH-21
定義(Description)
本品は、ステアリルアルコール(*)のポリエチレングリコールエーテルであり、次の化学式で表される。n:平均21Poly(oxy-1,2-ethanediyl), .alpha.-octadecyl-.omega.-hydroxy
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
硬脂醇聚醚-21
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 8
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
스테아레스-21
CAS No.
9005-00-9 (Generic)
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

ステアレス-21 / STEARETH-21

ステアレス-21とは

ステアレス-21は、界面活性剤の一種です。

化粧品に配合される場合は、ステアレス-21と表示されますが、医薬部外品に配合される場合はポリオキシエチレンステアリルエーテルと表示されます。

ステアレス-2は、ステアリルアルコールと呼ばれる物質に酸化エチレンをエーテル結合して得られるエーテルです。

ステアレスは酸化エチレンの付加数によってステアレス-4やステアレス-21と呼び方が変化します。

数字が小さいほど親油性が高く、ステアレス-21は最も親水性が高いです。

界面活性剤は、本来であれば混ざり合わない水と油を混ざり合わせる効果を持ちます。

その中でも、酸化エチレン縮合型のポリオキシエチレンアルキルエーテルに分類される非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)です。

界面活性剤は、その性質によって大きく4種類に分類されます。

まず水に溶けた際に、電離してイオンとなるタイプと、ならないタイプに分かれます。

イオンになるタイプをイオン性界面活性剤、イオンにならないタイプを非イオン性界面活性剤(ノニオン界面活性剤)と呼びます。

イオン性界面活性剤の中から、さらに水に溶けた時の性質によって3タイプに分かれます。

分子がマイナスイオンに電離するアニオン界面活性剤、プラスイオンに電離するカチオン界面活性剤、アルカリ性か酸性かでアニオン界面活性剤の性質かカチオン界面活性剤の性質のどちらかに分かれる両面界面活性剤の3種です。

非イオン界面活性剤は電離しないため、水の硬度や電解質の影響を受けにくい特徴があります。

また、皮膚に対する刺激性がほとんどないため、1950年代以降、広く利用されるようになりました。

さらに、他のイオン性界面活性剤との併用も可能という特徴があり、乳化剤、可溶化剤、分散材としての使用量が増えています。

ステアレス-21が化粧品に配合される場合は、主に以下の用途で用いられます。

乳化

乳化とは、1つの液体にそれと溶けあわない別の液体を均一に分散させることを言います(1)。

ステアレス-21にはこの作用があり、O/W型乳化を引き起こします。

W/O型乳化とは、油を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に水が微細粒子状に分散する形で行われる乳化です。

逆に、水を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に油が微細粒子状に分散する形で行われる乳化をO/W型乳化と呼びます。

界面活性剤は分子中に親水基と親油基をもっているので両者のバランスが重要になります。親水基と親油基の強さを評価する手段として一般的にHLB値が用いられています。

HLB値は、0~20の値を取り、0に近いほど親油性、20に近いほど親水性が高くなります。界面活性剤が水中に分散するためには3以上、溶解するためには10以上が必要で、HLB値は理論的なものではありませんが、HLB値によってその界面活性剤の性質や用途もある程度決定されます(2)。

ステアレス-21のHLB値は15.5で、O/W型乳化剤(親水性界面活性剤)です。

この特徴から、ステアレス-21は主に乳化系スキンケア化粧品、クリームファンデーション、ボディクリーム、ハンドクリームなどに使用されます。

ステアレス-21は医薬部外品原料規格2021に収載されており、一般的に安全性に問題がない成分と考えられています。

ステアレス-21の配合目的

  • 乳化

参考文献

(1) 化粧品成分用語事典2012

(2) 野々村 美宗(2015)「親水性・親油性バランス」化粧品 医薬部外品 医薬品のための界面化学,35-39.

ステアレス-21の安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS581.pdf

日本語論文

なし

英語論文

Unexpected skin barrier influence from nonionic emulsifiers.

Bárány E, et al. Int J Pharm. 2000.PMID: 10675696 Clinical Trial.

In vitro skin permeation of sunscreen agents from O/W emulsions.

Montenegro L, et al. Int J Cosmet Sci. 2008.PMID: 18377631

Viscosity regulation by surfactants.

Dahms G. Int J Cosmet Sci. 1991.PMID: 19291040

Development of multiple W/O/W emulsions as dermal carrier system for oligonucleotides: effect of additives on emulsion stability.

Schmidts T, et al. Int J Pharm. 2010.PMID: 20674722