表示名称成分詳細
ステアリン酸グリセリル(SE)
成分番号(JP number): 551547
- INCI
- GLYCERYL STEARATE SE
- 定義(Description)
- 本品は、自己乳化型のステアリン酸グリセリル(*)で、少量のステアリン酸Na(*)及びステアリン酸K(*)を含む。Octadecanoic acid, reaction products with 1,2,3-propanetriol (1:1), neutralized
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 甘油硬脂酸酯 SE
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 13.95
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 글리세릴스테아레이트에스이
- CAS No.
- 11099-07-03
- EC No.
- 234-325-6
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ステアリン酸グリセリル(SE) / GLYCERYL STEARATE SE
ステアリン酸グリセリル(SE)とは
[化粧品成分表示名称]
・ステアリン酸グリセリル(SE)
[医薬部外品表示名称]
・自己乳化型モノステアリン酸グリセリル
ステアリン酸グリセリル(SE)(Glyceryl Stearate SE)は、炭素数18の高級脂肪酸であるステアリン酸と、グリセリンのモノエステルで、少量のステアリン酸Na及び/またはステアリン酸Kが添加されています。グリセリン脂肪酸エステル型の非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
ステアリン酸グリセリル(SE)の「SE」は、「Self-Emulsifying(自己乳化型)」を意味し、液体中に投入するだけでかき混ぜなくても自然に乳化する性質があることを示しています。
医薬部外品表示名称としては「自己乳化型モノステアリン酸グリセリル」という名前が使われています。
界面活性剤としてのステアリン酸グリセリル(SE)
親水基として多価アルコールのグリセリンを含んでいるステアリン酸グリセリル(SE)は、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
ノニオン界面活性剤は、水中でイオン化しない親水基を持った界面活性剤です。酸性でもアルカリ性でも使用することができ、水の硬度の影響を受けにくいなど化学的に安定な性質があり、さまざまな界面活性剤と併用することができます。乳化作用・分散作用に優れており、幅広い分野で使用されています。
多価アルコール型のノニオン界面活性剤は、一般に天然由来で毒性も低いことから、化粧品・身体洗浄料だけでなく、食品や医療品の乳化・可溶化剤としても用いられています。曇天現象を起こさないため、幅広い温度領域で長期保存安定性を確保しやすいという特徴があります(1)。
ステアリン酸グリセリル(SE)などのグリセリン脂肪酸エステルは、水中ではミセルや液晶を形成し、その相挙動はエタノールなどの溶媒を添加すると劇的に変化するという特徴があります(1)。
ステアリン酸グリセリル(SE)の化粧品への配合
ノニオン界面活性剤に分類されるステアリン酸グリセリル(SE)は、主に乳化剤として使用されます。乳化剤とは、水と油のように、本来は互いに混じり合わない2種類以上の物質の境界面で働き、どちらか一方が細粒となり、他方の中に均一に分散した「エマルション(乳化物)」を生成する作用がある成分のことです。
エマルションの基本構造には、水の中に油滴が分散したO/W型(Oil in Water type)と、油の中に水滴が分散したW/O型(Water in Oil type)があります。親油性の高いステアリン酸グリセリル(SE)を乳化剤と使用した場合、多くの条件下でW/O型のエマルションが生成されます。
ステアリン酸グリセリル(SE)は比較的安全性が高く、安定な乳液やクリームを容易に調製することができるため、スキンケア製品からメイクアップ製品まで幅広い化粧品に配合されています(2)。
Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから、安全性評価論文内で説明されている現在の使用方法と濃度内で処方された場合のステアリン酸グリセリル(SE)の安全性が結論づけられています(3)。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2015年時点で、ステアリン酸グリセリル(SE)を配合している製品の登録数は合計1420で、そのうちリーブオン製品は944製品、リンスオフ製品は476製品でした(3)。
製品への含有量について2014年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、ステアリン酸グリセリル(SE)はリーブオン製品で0.001%から10%、リンスオフ製品で0.5%から6%の配合率で使用されていました(3)。
参考文献
- 野々村美宗 (2015)「ノニオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 52-56
- 宇山光男, 他 (2015)「ステアリン酸グリセリル(SE)」化粧品成分ガイド 第6版, 136
- Cosmetic Ingredient Review (2020)「Safety Assessment of Monoglyceryl Monoesters as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology 2020, Vol. 39 (Supplement 3) 93S-126S
ステアリン酸グリセリル(SE)の配合目的
- 乳化作用
ステアリン酸グリセリル(SE)の安全性情報
皮膚刺激性:非刺激-軽度の皮膚刺激を引き起こす可能あり
Cosmetic Ingredient Review(1982)「Final Report on the Safety Assessment of Glyceryl Stearate and Glyceryl Stearate/SE」Journal of the American College of Toxicology(1)(4),169-192.
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS706.pdf
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr236.pdf
日本語論文
なし
英語論文
[No authors listed] Int J Toxicol. 2004. PMID: 15513825 Review.
Unexpected skin barrier influence from nonionic emulsifiers.
Bárány E, et al. Int J Pharm. 2000. PMID: 10675696 Clinical Trial.