化粧品・健康食品業界専門メディア Beaker media「無料企業登録キャンペーン」実施中

表示名称成分詳細

ステアラルコニウムヘクトライト

成分番号(JP number): 551485

INCI
STEARALKONIUM HECTORITE
定義(Description)
本品は、ヘクトライト(*)とステアラルコニウムクロリド(*)を反応して得られたものである。Benzenemethanaminium, N,N-dimethyl-N-octadecyl-, chloride, reaction products with hectorite / Quaternary ammonium compounds, benzyl(hydrogenated tallow alkyl)dimethyl, chlorides, compds. with hectorite
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
司拉氯铵水辉石
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 14.8
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
스테아랄코늄헥토라이트
CAS No.
71011-26-2 / 94891-33-5 / 12691-60-0
EC No.
275-126-4 / 305-633-9 / -
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

ステアラルコニウムヘクトライト / STEARALKONIUM HECTORITE

ステアラルコニウムヘクトライトとは

ステアラルコニウムヘクトライトとは、粘土鉱物であるヘクトライトに、ステアラルコニウムクロリドを反応させて得られる、有機変性粘土鉱物です。 分子量749.3で疎水性を示します(1)。 ステアラルコニウムヘクトライトは化粧品成分表示名称です。

ステアラルコニウムヘクトライトを構成するステアラルコニウムクロリドは、第4アンモニウム塩であり、水に溶かしたときに陽イオンに帯電する陽イオン界面活性剤の一種です。 ステアラルコニウムクロリドとしては、陽イオン界面活性剤としてのヘアリンスなどに使用され、髪への柔軟性、帯電防止目的に使用されています。

ヘクトライトは、天然に存在するコロイド状含水ケイ酸アルミニウムマグネシウムであり、水を吸収することでゲル化する性質から、ジェル基材として化粧品に配合されます(4)。

ステアラルコニウムヘクトライトとしても、水分を吸収しゲル化する作用と、油に溶ける疎水性を生かし、油性の増粘剤、乳化安定、分散作用を目的に使用されます。

化粧品成分として、単体原料で販売されるのではなく、すでに他の化粧品成分と調整された状態で販売されていることも多く、油性ベース成分に増粘剤、乳化・分散性安定剤として配合されています。

化粧品としては、ネイル製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品に使用されます。

疎水性増粘

ステアラルコニウムヘクトライトは疎水性増粘剤として、有機溶媒に溶けゲル化が可能です(3)。 ヘクトライトは親水性増粘剤の為、有機溶媒の増粘には使用できないため、陽イオン界面活性剤であるステアラルコニウムクロリドと結合させることで、有機溶媒の増粘にも使用できるのです(3)。

乳化、分散安定性

ステアラルコニウムヘクトライトは、有機溶媒のゲル化により、乳化安定性や有機溶媒に分散させた顔料系粉体の分散性を向上させる作用を付与できます(3)(4)。 ゲル化作用目的に使用するのではなく、ステアラルコニウムヘクトライトとしては化粧品の安定化剤として配合されることが多くなっています。

安全性

ステアラルコニウムヘクトライトは20年以上の使用実績があり、いやく部外品原料規格にも修正されています。 一般的な化粧品の使用であれば安全性は問題ないと言われています。 皮膚刺激性、皮膚感作性において検証の結果、ほとんど刺激性はなく、ほとんどアレルギーはないと言われています(5)。 眼刺激性に関しても、ほとんど刺激性がないという結果が得られています(5)。

参考文献

(1)“Pubchem”(2020)「Stearalkonium hectorite」, https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Stearalkonium-hectorite2021年12月21日アクセス.

(2)S Olejnik, et al(1974)「Swelling of Montmorillonite in Polar Organic Liquids」Clays and Clay Minerals(22),361-365.

(3)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p543

(4)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p209

(5)Cosmetic Ingredient Review(2000)「Final Report on the Safety Assessment of Stearalkonium Hectorite」International Journal of Toxicology(19)(2_Suppl),91-98.

ステアラルコニウムヘクトライトの配合目的

  • 疎水性増粘剤として有機溶媒の増粘・ゲル化目的
  • 増粘・ゲル化による乳化安定性の向上、分散性の維持

ステアラルコニウムヘクトライトの安全性情報

試験データをみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

Cosmetic Ingredient Review(2000)「Final Report on the Safety Assessment of Stearalkonium Hectorite」International Journal of Toxicology(19)(2_Suppl),91-98.

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS608.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr268.pdf

日本語論文

なし

英語論文