化粧品・健康食品業界専門メディア Beaker media「無料企業登録キャンペーン」実施中

表示名称成分詳細

シリル化シリカ

成分番号(JP number): 551463

INCI
SILICA SILYLATE
定義(Description)
本品は、ヒュームドシリカ表面の水酸基の一部がトリメチルシリル基に置換された疎水性のシリカである。Amorphous silica, reaction products with trimethylsilane
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
甲硅烷基化硅石
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 9, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 3.5
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
실리카실릴레이트
CAS No.
-
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

シリル化シリカ / SILICA SILYLATE

シリル化シリカとは

シリル化シリカとは、ケイ素化合物であるシリカをジメチルクロロシランまたは、トリメチルクロルシランで処理した多孔質球状のシリカ誘導体であり、粉体です(1)。 シリル化シリカは化粧品成分表示名称で定められており、医薬部外品表示名称ではシリル化処理無水ケイ酸と表記されます。

シリル化シリカは、シリカの親水基であるシラノール基の一部を疎水性のトリメチルシリル基に置換した構造となっています。

シリル化シリカを構成するシリカは、主成分を二酸化ケイ素とする、単体または配合化合物の総称です。 地球の地殻の約60%を占める豊富な構成物質です(8)。 天然に存在する結晶性シリカは、石英、トリジマイト、クリストバライトとして存在し、六方晶系六角錘形、六方晶系六角板状、立方晶系八面体の構造を持っています。

化粧品成分として使用されるシリカは、非晶質シリカであり、構造に結晶成分を含んでいません。発がん性も確認されておらず、安全性が高いことが確認されています。

顔料粉体として、ベース剤、表面処理剤、スクラブ剤などとして使用され、また肌荒れ防止の抗炎症成分としても使用されています。

シリル化シリカとしては、シリカの性質に疎水性を追加した性質を示します。 化粧品成分として疎水性増粘、粉体化粧品の賦形、ソフトフォーカス、皮脂吸着として使用されます。

化粧品としてはメイクアップ化粧品に使用されます。

吸着作用

多孔質シリカは、構造の多孔性から、皮脂吸収性などの性質を持っています。

光散乱作用、ソフトフォーカス作用

シリル化シリカは、光散乱作用とソフトフォーカス作用を目的に使用されます(6)。 シリル化シリカの粒子が小じわ、毛穴等の皮膚に存在する凹凸を埋めることで、凹凸に当たる光を乱反射させます。また、粒子が凹凸を埋めることで、その下にあるものを見えにくくする効果(ソフトフォーカス作用)から、より小じわ、毛穴等が目立たなくするのです(5)。

疎水性増粘

シリル化シリカは、ジメチルシリル化シリカ同様に疎水性増粘剤として、有機溶媒に溶けゲル化が可能です()。

安全性

シリル化シリカは20年以上の使用実績があり、医薬部外品原料規格に収載されています。 一般的な化粧品の使用であれば安全性は問題ないと言われています。 皮膚刺激性、皮膚感作性において検証の結果、ほとんど刺激性はなく、ほとんどアレルギーはないと言われています(2)。 眼刺激性に関しては、ほとんど刺激がないとの報告がされています(2)。

シリル化シリカを構成するシリカの発がん性に関して、非晶質シリカは発がん性が確認されていません。 検証の内容、数としては不十分なところがありますが、結論として「ヒトに対する発がん性について分類できない(グレード3、International Agency for Research on Cancer:国際がん研究機関)」となっています(3)(4)。

参考文献

(1)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.209

(2)Evonik(2017)「Aerosil R 812」Safety Data Sheet.〈https://sds.evonik.com/msds-list/index.html?channel=tego&matnr=99106335&name=AEROSIL® R 812 S 2021年12月19日アクセス〉

(3)International Agency for Research on Cancer:国際がん研究機関)IARCによる発がん性の分類https://monographs.iarc.who.int/agents-classified-by-the-iarc/ 2021年10月24日アクセス

(4)International Agency for Research on Cancer(1997)「SILICA」IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans(68),41-242.

(5)中村 直生, 他(1987)「粉体の光学的研究とシワ隠し効果」日本化粧品技術者会誌(21)(2),119-126.

(6)毛利 邦彦(2003)「ファンデーションの有用性と製品化技術」日本化粧品技術者会誌(37)(3),171-178.

(8)佐々木隆好. "高機能真球状シリカ “サンスフェア®” の特徴と化粧品用途への応用." 旭硝子研究報告 61 (2011): 37-41.

シリル化シリカの配合目的

  • 皮脂等の吸着作用
  • 光散乱作用、ソフトフォーカス作用によって、小じわ、毛穴等の皮膚の凹凸を埋めることで、小じわ、毛穴等を目立たてなくする目的。
  • 疎水性増粘剤として有機溶媒の増粘・ゲル化目的

シリル化シリカの安全性情報

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

Evonik(2017)「Aerosil R 812」Safety Data Sheet.

旭化成ワッカーシリコーン株式会社(2017)「HDK H2000」安全データシート.

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS584.pdf

日本語論文

LC-MS/MSによる畜産物中のアシュラム分析法

小林 麻紀 , 酒井 奈穂子 , 大町 勇貴 , 森田 有香 , 根本 了 , 大塚 健治

食品衛生学雑誌 62(1), 1-7, 2021

LC-MS/MSによる畜水産食品中抗真菌薬の一斉分析法

中川 由紀子 , 笹本 剛生 , 橋本 常生 , 神田 真軌 , 林 洋 , 松島 陽子 , 大場 由実 , 小池 裕 , 永野 智恵子 , 関村 光太郎 , 大塚 健治

食品衛生学雑誌 60(3), 52-60, 2019

バッキーペーパーを利用した環境汚染モニタリング技術

布目 真梨

ファルマシア 55(1), 68-68, 2019

LC-MS/MSを用いた畜産物中のヘキサジノンおよび主要代謝物の分析法

久保田 晶子 , 岡部 亮 , 柿本 洋一郎 , 根本 了 , 青栁 光敏

食品衛生学雑誌 59(4), 167-173, 2018

LC-MS/MSによる農産物中の塩酸ホルメタネート分析法

小林 麻紀 , 酒井 奈穂子 , 上條 恭子 , 小池 裕 , 根本 了 , 新藤 哲也

食品衛生学雑誌 58(5), 221-228, 2017

茶中残留農薬分析における新しい精製材料の精製効果

上田 祐子 , 本田 克久

食品衛生学雑誌 58(3), 155-159, 2017

ガスクロマトグラフ質量分析計による柑橘類中の防黴剤の同時分析法

長島 英夫 , 平尾 あき帆 , 徳田 優樹 , 宇留田 久美子

食品衛生学雑誌 57(4), 101-106, 2016

LC-MS/MSによる畜水産物中のフルオピコリド分析法

小林 麻紀 , 新藤 哲也 , 高野 伊知郎 , 酒井 奈穂子 , 上條 恭子 , 大谷 陽範 , 林 真輝 , 小池 裕 , 馬場 糸子 , 笹本 剛生 , 根本 了

食品衛生学雑誌 57(4), 89-95, 2016

LC-MSによる農産物中のブトロキシジムの分析

南谷 臣昭 , 永井 宏幸 , 多田 裕之 [他] , 後藤 黄太郎 , 根本 了

食品衛生学雑誌 56(6), 233-239, 2015

LC-MS/MSによるうなぎかば焼中のマラカイトグリーン分析法の妥当性評価

山下 毅 , 西川 清文 , 篠﨑 史義 [他] , 伴埜 行則 , 川上 雅弘

食品衛生学雑誌 56(1), 31-36, 2015

改良ジエチルアミノプロピルシリル化シリカゲル固相抽出法による市販節製品(鰹節,さば節,アジ節)中のオクラトキシンAの検出

川村 理 , 山本 純子 , 首藤 明日香

香川大学農学部学術報告 60(113), 83-86, 2008-02

果汁飲料中の酢酸-α-トコフェロールおよびトコフェロール同族体の同時分析

新藤 哲也 , 大石 充男 , 石川 ふさ子 [他]

東京都健康安全研究センター研究年報 (57), 199-203, 2006

高速液体クロマトグラフィーと高速向流クロマトグラフィーにおけるカテキン類の溶出挙動の比較

東海林 敦 , 柳田 顕郎 , 神藤 平三郎 [他] , 渋沢 庸一

分析化学 = Japan analyst 53(9), 953-958, 2004-09-05

アセトニトリル-水混合溶媒を用いる逆相分配液体クロマトグラフ分離系の物質移動特性

宮部 寛志 , 蓮蔵 優治 , 竹内 茂彌

分析化学 = Japan analyst 46(7), 579-586, 1997-07-05

リン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)担持粒子を用いる希土類元素イオンのフラッシュカラムクロマトグラフィー分離

吉田 烈 , 長井 久典 , 相良 文雄 , 信原 一敬 , 石井 大道

日本化学会誌(化学と工業化学) 1995(7), 518-522, 1995

生体試料中のCefotiam hexetilおよびその代謝物の高速液体クロマトグラフィーによる定量法

山下 健治 , 太田 竜一 , 山口 喜久雄 , 青木 勇 , 前田 憲一 , 畚野 剛 , 矢敷 孝司

CHEMOTHERAPY 36(Supplement6), 116-125, 1988

<一般論文>化学結合型-逆相-高性能薄層クロマトグラフ法による分配係数の新測定法

窪田 種一 , 加納 健司 , 川田 恵里子 , 橋爪 博隆 , 宇野 文二 , クボタ タネカズ , カノウ ケンジ , カワダ エリコ , ハシヅメ ハクタカ , ウノ ブンジ , TANEKAZU KUBOTA , KENJI KANO , ERIKO KAWADA , HAKUTAKA HASHIZUME , BUNJI UNO

岐阜藥科大學紀要 = The annual proceedings of Gifu College of Pharmacy (36), 32-41, 1987-06-30

<一般論文>化学結合型-逆相-高性能薄層クロマトグラフ法による分配係数の新測定法

窪田 種一 , 加納 健司 , 川田 恵里子 , 橋爪 博隆 , 宇野 文二

岐阜藥科大學紀要 36, 32-41, 1987-06-30

英語論文

なし