表示名称成分詳細
シトロネロール
成分番号(JP number): 551388
- INCI
- CITRONELLOL
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表されるテルペンアルコールである。3,7-Dimethyl-6-octen-1-ol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 香茅醇
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.1
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 시트로넬올
- CAS No.
- 106-22-9 / 26489-01-0 / 7540-51-4 / 1117-61-9
- EC No.
- 203-375-0 / 247-737-6 / 231-415-7 / 214-250-5
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
III/86
原料情報
シトロネロール / CITRONELLOL
シトロネロールとは
シトロネロール(Citronellol)は、天然に存在するモノテルペンアルコールの一種で、バラ科植物をはじめとする多くの植物の芳香成分として知られています。特にローズゼラニウムやシトロネラ、レモングラスなどに多く含まれ、また、柑橘類の皮や、ジャスミン、ラベンダー、ユーカリなどにも微量に含まれています。
シトロネロールの化学式は、不斉炭素原子を1つもつイソプレンユニットは鎖状に2個結合したテルペノイド化合物であり、モノテルペンに分類される非環式モノテルペンアルコールです。
自然界では「d-シトロネロール:D体」と「l-シトロネロール:L体」があり、D体は主にゼラニウムやローズオットー、ローズアブソリュートに、L体はベルベナなどに存在しています。
シトロネロールは、淡いローズのような甘い香りを持ち、化粧品やフレグランス、石鹸、ローション、シャンプーなどの香料として広く利用されています。また、虫除け剤としても有効な成分として知られており、シトロネラやレモングラスなどに多く含まれるため、これらの植物から抽出されたエッセンシャルオイルが虫除けスプレーの原料として使用されることもあります。
そして、香水ではトップ、ミドル、ラストノートの中ではミドルの位置に値し、比較的中程度の揮発性を持っておりトップの香りが終わった後の香り方として重要な役割を果たしています。
また、化粧品以外ではフルーツフレーバーやハニーフレーバーなどの香り付けに使われています。甘くソフトなローズの香りであるシトロネロールはローズ、ゼラニウムなどのフローラルノートに広く使用され、ゲラ二オールと並ぶほど重要な香料です。また、l-シトロネロールは洗練された柔らかなローズで、フルーツ系の香りに使われることが多いと言われています。
シトロネロールは、シトロネラールとともにイオンチャネル型GAVAᴀ受容体「γ-アミノ酪酸GABAをアゴニストとする神経伝達物質の受容体」に対して、ベンゾジアゼピンやバルビツール酸と同様にGABAの結合を促進するので、好不安や鎮静作用があるものと考えられています。
参考文献
アロマ&ハーブ大辞典P195(https://www.google.co.jp/books/edition/アロマ_ハーブ大事典/JDYpEAAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=シトロネロール&pg=PA195&printsec=frontcover)
フレーバー:おいしさを演出する香りの秘密42ページ(https://www.google.co.jp/books/edition/フレーバー_おいしさを演出す/CxUuDwAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=シトロネロール&pg=PA42&printsec=frontcover)
ハーブウォーターの世界:サイエンスの目で見る芳香蒸留水-P193(https://www.google.co.jp/books/edition/ハーブウォーターの世界_サイ/HRUuDwAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=シトロネロール&pg=PA193&printsec=frontcover)
やさしいオリジナル香水の作り方:P90https://www.google.co.jp/books/edition/やさしいオリジナル香水のつ/AxUuDwAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=シトロネロール&pg=PA90&printsec=frontcover
シトロネロールの配合目的
- バラ様花香の賦香
シトロネロールの安全性情報
試験データをみるかぎり共通して非刺激と報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます(1)。
一般に健常皮膚を有する場合において皮膚感作性はほとんどないと考えられます(2)。
参考文献
(1)D. Belsito, et al(2008)「A toxicologic and dermatologic assessment of cyclic and non-cyclic terpene alcohols when used as fragrance ingredients」Food and Chemical Toxicology(46)(11),S1-S71. DOI:10.1016/j.fct.2008.06.085
(2)高山 かおる, 他(2020)「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」日本皮膚科学会雑誌(130)(4),523-567. DOI:10.14924/dermatol.130.523
日本語論文
[総説]有機溶媒中での増殖微生物を用いたテルペノイド変換:界面バイオリアクターによる光学活性シトロネロール関連化合物の合成
小田 忍 , Oda Shinobu
関西ペイント技術研究所 , Technical Research Laboratory Kansai Paint Co. Ltd.
有機溶媒中での増殖微生物を用いたテルペノイド変換:界面バイオリアクターによる光学活性シトロネロール関連化合物の合成
小田 忍
南方資源利用技術研究会誌 17(1), 19-34, 2001-10
749 代謝-徹生物変換融合システムによるラセミ体シトロネロールの光学分割
小田 忍 , 須貝 威 , 太田 博道
日本生物工学会大会講演要旨集 平成10年度, 137, 1998
ハッカ培養細胞による各種モノテルペンの変換シトロネラールのシトロネロールへの変換反応について
内山 武夫 [他] , 鈴木 雅義 , 沼田 益朗 , 内藤 聡之助 , 星野 力
植物組織培養 8(1), 9-13, 1991
英語論文
Skin safety and health prevention: an overview of chemicals in cosmetic products.
Panico A, et al. J Prev Med Hyg. 2019. PMID: 31041411 Free PMC article.
[No authors listed] 2021 Jun 21. Drugs and Lactation Database (LactMed) [Internet]. Bethesda (MD): National Library of Medicine (US); 2006–. PMID: 30000892
Therapeutic Potential of Citronella Essential Oil: A Review.
Sharma R, et al. Curr Drug Discov Technol. 2019. PMID: 30019646 Review.