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表示名称成分詳細

ジステアリン酸PEG-150

成分番号(JP number): 551357

INCI
PEG-150 DISTEARATE
定義(Description)
本品は、ステアリン酸(*)とPEG-150(*)のジエステルであり、次の化学式で表される。n:平均150Poly(oxy-1,2-ethanediyl), .alpha.-(1-oxooctadecyl)-.omega.-[(1-oxooctadecyl)oxy]- (150 mol EO average molar ratio)
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
PEG-150 二硬脂酸酯
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 10, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 4
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
피이지-150다이스테아레이트
CAS No.
9005-08-07
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

ジステアリン酸PEG-150 / PEG-150 DISTEARATE

ジステアリン酸PEG-150とは

[化粧品成分表示名称]

・ジステアリン酸PEG-150

[医薬部外品表示名称]

・ジステアリン酸ポリエチレングリコール

ジステアリン酸PEG-150(PEG-150 Distearate)は、炭素数18の高級脂肪酸であるステアリン酸とポリエチレングリコールのジエステルで、エチレンオキシド平均付加モル数が150のものです。ポリエチレングリコール型の非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。

医薬部外品表示名称としては「ジステアリン酸ポリエチレングリコール」という名前が使われています。

界面活性剤としてのジステアリン酸PEG-150

親水基としてポリエチレングリコール鎖を含んでいるジステアリン酸PEG-150は、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。

ノニオン界面活性剤は、水中でイオン化しない親水基を持った界面活性剤です。酸性でもアルカリ性でも使用することができ、水の硬度の影響を受けにくいなど化学的に安定な性質があり、さまざまな界面活性剤と併用することができます。乳化作用・分散作用に優れており、幅広い分野で使用されています。

ポリエチレングリコール型のノニオン界面活性剤は、低温ではエーテル酸素に水分子が配位して水溶性を示します。しかし、高温では脱水和して水溶性を失い、白濁・分離するという現象が起きます。この現象は曇点現象と呼ばれています(1)。

ポリエチレングリコール型のノニオン界面活性剤の相挙動や物理的な特性は、エチレンオキシドの付加モル数(重合度)によって変化することが知られています。例えば、モル数が2〜5の場合、水に不溶な親油性界面活性剤として用いられる場合があります。乳化剤にはモル数が7〜15、可溶化剤には15以上のものが適していることが知られています(1)。

親水性-親油性バランス(HLB:Hydrophilic-Lipophilic Balance)が16.5-18.9と報告されているジステアリン酸PEG-150は(2,3)、親水性の高い界面活性剤であり、可溶化力・洗浄力に優れているという特徴があります。

ジステアリン酸PEG-150の化粧品への配合

ジステアリン酸PEG-150は洗浄作用、可溶化作用が知られており、主にシャンプーや、身体洗浄剤、洗顔料などの洗浄剤に使用されています(4)。また、増粘作用がありシャンプーや化粧水などの液状化粧品の増粘剤としても使用されています(2)。

Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから、安全性評価論文内で説明されている現在の使用方法と濃度内で処方された場合のジステアリン酸PEG-150の安全性が結論づけられています(4)。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2015年時点で、ジステアリン酸PEG-150を配合している製品の登録数は合計690で、そのうちリーブオン製品は54製品、リンスオフ製品は602製品でした(4)。

製品への含有量について2014年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、ジステアリン酸PEG-150はリーブオン製品で0.006%から9%、リンスオフ製品で0.0003%から33.2%の配合率で使用されていました(4)。

参考文献

  1. 野々村美宗 (2015)「ノニオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 52-56
  2. 花王株式会社 (-)「エマノーン 3299VB」技術資料
  3. 日光ケミカルズ株式会社 (-)「NIKKOL CDS-6000P」技術資料
  4. Cosmetic Ingredient Review (2015)「Safety Assessment of PEG Diesters as Used in Cosmetics」Final Amended Report

ジステアリン酸PEG-150の配合目的

  • 洗浄剤
  • 可溶化剤
  • 増粘剤

ジステアリン酸PEG-150の安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR689.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS49.pdf

日本語論文

なし

英語論文

なし