化粧品・健康食品業界専門メディア Beaker media「無料企業登録キャンペーン」実施中

表示名称成分詳細

ジステアリン酸Al

成分番号(JP number): 551354

INCI
ALUMINUM DISTEARATE
定義(Description)
本品は、ステアリン酸(*)のアルミニウム塩であり、次の化学式で表される。Hydroxyaluminium distearate
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
二硬脂酸铝
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
알루미늄다이스테아레이트
CAS No.
300-92-5
EC No.
206-101-8
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

ジステアリン酸Al / ALUMINUM DISTEARATE

ジステアリン酸Alとは

[化粧品成分表示名称]

・ジステアリン酸Al

[医薬部外品表示名称]

・ステアリン酸アルミニウム

ジステアリン酸Al(Aluminum Distearate)は、炭素数18の高級脂肪酸であるステアリン酸のアルミニウム塩です。金属石けんの陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)に分類されます。

金属石けんは、一般に「石けんカス」と呼ばれています。高級脂肪酸と金属からなる塩で、石けんと同じような構造をしています。そのため金属石けんは陰イオン界面活性剤に分類されますが、水に溶けないため、洗浄力や起泡力はありません。

金属石けんは、プラスチック、塗料、顔料、セメント、鋳物、金属加工、潤滑油、医薬、化粧品などの工業分野で、潤滑剤、分散剤、撥水剤、離型剤、触媒、安定剤、殺菌剤などの用途で幅広く使用されています。

ジステアリン酸Alは、工業分野で潤滑剤や、塗料などの顔料沈降防止剤、浸透防止剤、塗面艶消し剤、防水塗料、ロウソクの硬化剤、流滴防止剤、紡織品防水剤などに使用されています(1)。

ジステアリン酸Alの化粧品への配合

ジステアリン酸Alには、抗ケーキング剤(固結防止剤)、乳化安定剤、非水系増粘剤としての働きが知られています(2)。

ファンデーション などのパウダー粉体表面にジステアリン酸Alなどの金属石けんを析出させる処理を行うと、撥水性が付与されます。撥水性のある粉体は汗などによって流れにくく、さらに親油化により肌への付着性が向上することが知られています。また、粉体に撥水性を付与することで、抗ケーキングの効果も得られます(3)。

3価の金属であるアルミニウムを有するジステアリン酸Alは、溶剤に溶かした場合、配位結合により立体構造を取りやすいため、金属石けんの中でも特にゲル化しやすい性質があります。ゲル化により、油脂などの溶剤の粘度を増大する働きをします(4)。

Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから、安全性評価論文内で説明されている現在の使用方法と濃度内で、非刺激性および非感作性になるように処方された場合のジステアリン酸Alの安全性が結論づけられています(2)。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2019年時点で、ジステアリン酸Alを配合している製品の登録数は合計24で、そのうちリーブオン製品は21製品、リンスオフ製品は3製品でした(2)。

製品への含有量について2016年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、ジステアリン酸Alはリーブオン製品で0.004%から5.5%、リンスオフ製品で0.054%から4%の配合率で使用されていました(2)。

参考文献

  1. 富士フイルム和光純薬株式会社 (-)「ステアリン酸アルミニウム, ジ」技術資料
  2. Cosmetic Ingredient Review (2019)「Safety Assessment of Fatty Acids & Fatty Acid Salts as Used in Cosmetics」Final Report
  3. 鈴木正人 (2007)「化粧崩れの原因と化粧持ち向上技術」機能性化粧品の開発- Volume 3, 343-345
  4. 吉田時行, 他 (1988)「金属せっけん各論」金属せっけんの性質と応用, 112-128

ジステアリン酸Alの配合目的

  • 抗ケーキング剤
  • 乳化安定剤
  • 非水系増粘剤

ジステアリン酸Alの安全性情報

皮膚刺激性:10%濃度において最小限の皮膚刺激性を引き起こす可能性あり

Cosmetic Ingredient Review(1990)「Final Report of the Safety Assessment of Lithium Stearate, Aluminum Distearate, Aluminum Stearate, Aluminum Tristearate, Ammonium Stearate, Calcium Stearate, Magnesium Stearate, Potassium Stearate, Sodium Stearate, and Zinc Stearate」Journal of the American College of Toxicology(1)(2),143-177.

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR777.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr245.pdf

日本語論文

英語論文