表示名称成分詳細
ジステアリルジモニウムクロリド
成分番号(JP number): 551353
- INCI
- DISTEARYLDIMONIUM CHLORIDE
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される4級アンモニウム塩である。Dimethyldioctadecylammonium chloride
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 二硬脂基二甲基氯化铵
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 5, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 다이스테아릴다이모늄클로라이드
- CAS No.
- 107-64-2
- EC No.
- 203-508-2
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ジステアリルジモニウムクロリド / DISTEARYLDIMONIUM CHLORIDE
ジステアリルジモニウムクロリドとは
[化粧品成分表示名称]
・ジステアリルジモニウムクロリド
[医薬部外品表示名称]
・塩化ジステアリルジメチルアンモニウム
ジステアリルジモニウムクロリド(Distearyldimonium Chloride)は、炭素数18のアルキル基を2つもつ塩化ジアルキルジメチルアンモニウムです。ジアルキル型4級アンモニウム塩の陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)に分類されます。
医薬部外品表示名称としては「塩化ジステアリルジメチルアンモニウム」という名前が使われています。
界面活性剤としてのジステアリルジモニウムクロリド
親水基として4級アンモニウム塩を含んでいるジステアリルジモニウムクロリドは、陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)に分類されます。
一般に、カチオン界面活性剤は繊維・毛髪や金属などの個体表面に吸着し、殺菌効果や繊維などの柔軟効果を示します。カチオン界面活性剤はその他の界面活性剤と比べて毒性が高く、配合量にも制限があるため、使用時には注意が必要です(1)。
アルキル型4級アンモニウム塩のカチオン界面活性剤は、水溶性で表面張力低下能が高いことが知られています。モノアルキル型、ジアルキル型共に、細菌や真菌に対して殺菌効果があります。アニオン性官能基が負に帯電した毛髪表面に吸着して、潤滑性を示す性質があります。油水界面や固液界面に吸着して、乳化剤や分散剤として働く場合もあります(1)。
化粧品以外では、繊維を柔軟に仕上げるための柔軟剤やインキ塗料の分野でも使用されています。
ジステアリルジモニウムクロリドの化粧品への配合
ジステアリルジモニウムクロリドには、毛髪に対する柔軟効果や帯電防止効果などがあることが知られています。4級アンモニウム塩を含んでいるジステアリルジモニウムクロリドは、シャンプー後にマイナスに帯電した毛髪表面に吸着しやすい性質があります。毛髪に吸着されてくし通りが良くなり、柔軟性や平滑性を与えて触感が改良され、帯電を防止します(2)。
一般に毒性が高いカチオン界面活性剤の中では比較的皮膚刺激性が低いという特徴があり、帯電防止剤、ヘアコンディショニング剤、乳化剤として、シャンプー、リンスをはじめとした各種頭髪用化粧品や基礎化粧品、メイクアップ化粧品などに使用されています(2)。
ジステアリルジモニウムクロリドは旧表示指定成分の一つであり、使用時には注意が必要です。旧表示指定成分とは、使う人によってまれにアレルギー等の皮膚トラブルを起こす恐れのある102種類の成分で、化粧品の全成分表示が義務づけられる以前、化粧品に表示が義務付けられていました。
参考文献
- 野々村美宗 (2015)「カチオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 49-50
- 鈴木一成 (2008)「塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(表示名:ジステアリルジモニウムクロリド)」化粧品成分用語事典2008, 422
ジステアリルジモニウムクロリドの配合目的
- 帯電防止剤
- ヘアコンディショニング剤
- 乳化剤
ジステアリルジモニウムクロリドの安全性情報
皮膚感作性:ほとんどなし
EVONIK(2016)「Varisoft TA 100」Safety Data Sheet.
日本語論文
なし
英語論文
なし