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ジオウエキスとは

ジオウエキスは、ゴマノハグサ科の植物であるアカヤジオウ（学名 Rehmannia Glutinosa または Rehmannia Chinensis 英名:glutinous rehmannia 漢字表記:赤矢地黄）又はその他同属植物の根から、水やエタノール、BG(ブチレングリコール)を使って抽出された淡褐色～黒褐色のエキスのことです。

透明で、粘性があります。

ICNI名は｢Rehmannia Glutinosa(またはChinensis) Root Extract｣です。

原料のアカヤジオウは中国原産で、根を干して地黄という生薬として用いられますが、日本ではほとんど栽培されていません。

生薬としての地黄は、採取してすぐにその根を干してつくる乾地黄（かんじおう）と、一度酒で蒸してから干してつくる熟地黄（じゅくじおう）とがありますが、日本では地黄というと基本的に乾地黄のことを指します。

熟地黄はほとんど利用されていません。

地黄（(乾地黄）は、医薬品の規格基準書である日本薬局方に収載されており、八味地黄丸、牛車腎気丸、炙甘草湯、杞菊地黄丸といった多くの漢方方剤に含まれています。

生薬として使う時の目的は、主に補血（漢方における考え方で、血を補う）、血流促進、腎機能を助ける作用、利尿、月経不順、止血、血糖降下といった作用を期待して配合されています。

含まれる成分のなかで、イリドイド配糖体の｢カタルポール｣が主に作用を発揮する中心成分です。

カタルポールは、地黄の根から抽出される成分として以前から様々な研究がなされており、糖尿病に対する作用（インスリン抵抗性の改善）、抗酸化作用などについては数多くの論文が報告されています(1)(2)。

ジオウエキスとして化粧品に用いる場合は、期待される効果としてはまず血管拡張による血流促進作用が挙げられます。

また、男性ホルモンであるテストステロンが脱毛作用を示すにあたって必須となる｢5α-リダクターゼ｣という酵素のはたらきを阻害し、抗脱毛作用を発揮します。

なお抗脱毛作用については、血流促進作用も一役買っている可能性があります。

加えて、保湿効果に優れ、美肌効果、加齢による肌の乾燥に対しての効果も発揮されます。

上記のような作用を期待して、育毛剤や育毛シャンプーといった頭皮ケア製品、薬用石鹸、洗顔石鹸、スキンケア化粧品、パックといった幅広い製品に配合されています。

参考文献

(1)Jiting Yan, Changyuan Wang, Yue Jin, Qiang Meng, Qi Liu, Zhihao Liu, Kexin Liu, Huijun Sun Catalpol ameliorates hepatic insulin resistance in type 2 diabetes through acting on AMPK/NOX4/PI3K/AKT pathway. Pharmacol Res. 2018 Apr;130:466-480. doi: 10.1016/j.phrs.2017.12.026. Epub 2017 Dec 25.

(2)Huifeng Zhu, Yuan Wang, Zhiqiang Liu, Jinghuan Wang, Dong Wan, Shan Feng, Xian Yang, Tao Wang Antidiabetic and antioxidant effects of catalpol extracted from Rehmannia glutinosa (Di Huang) on rat diabetes induced by streptozotocin and high-fat, high-sugar feed. Chin Med 2016 May 11;11:25. doi: 10.1186/s13020-016-0096-7. eCollection 2016.