表示名称成分詳細
ジイソステアリン酸グリセリル
成分番号(JP number): 551312
- INCI
- GLYCERYL DIISOSTEARATE
- 定義(Description)
- 本品は、イソステアリン酸(*)とグリセリン(*)のジエステルであり、次の化学式で表される。Di(isooctadecanoic) acid, diester with glycerol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 甘油二异硬脂酸酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 21.339
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 글리세릴다이아이소스테아레이트
- CAS No.
- 68958-48-5
- EC No.
- 273-368-5
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ジイソステアリン酸グリセリル / GLYCERYL DIISOSTEARATE
ジイソステアリン酸グリセリルとは
ジイソステアリン酸グリセリルは、炭素数18の飽和脂肪酸(長鎖脂肪酸)であるイソステアリン酸2つと、多価アルコールの一種であるグリセリンをエステル結合して作られる、グリセリン脂肪酸エステルです。
ジイソステアリン酸グリセリルは化粧品成分表示名称、医薬部外品表示名称に定められています。
ジイソステアリン酸グリセリルの構造に含まれるグリセリンは、ヒドロキシ基(-OH)を3つ持っており、三価アルコールに分類され、3つ以上のヒドロキシ基を持つことで多価アルコールとも呼ばれています。
イソステアリン酸は植物油脂に多く含まれているステアリン酸を異化して作られた合成脂肪酸の一種です。炭素数が12以上のため、長鎖脂肪酸と呼ばれています。また、長鎖脂肪酸のことを高級脂肪酸と呼ぶこともあります。
ジイソステアリン酸グリセリルは高級脂肪酸グリセリルの一種であり、比較的強い油性を示しますが、水と油の両方になじみやすいため、水と油を混ざった状態にしておくための乳化剤としても使用されます(2)。
化粧品成分としては、油性成分としてベース成分、またエモリエント作用を目的に使用されます。
化粧品製品としては、口紅&リップグロス化粧品、メイクアップ化粧品、ネイル製品などに使用されています。
エモリエント作用
低粘性を活かして、皮膚表面へ広がることで角質層を閉塞させ、角質層からの水分蒸発作用を抑制します。
ベース成分
化粧品のベース成分としては、水性成分、油性成分、界面活性剤、顔料・粉体成分のうち、油性成分として使用され、角質層からの水分蒸発抑制作用であるエモリエント作用を目的に使用されます。また、水性、油性成分との相溶性が良く、乳化安定性を高めるために配合されることもあります。
分散
イソステアリン酸グリセリルは、顔料を均一に分散させることに優れています。
この特徴から、口紅やリップグロスなどに使用されています(2)。
安全性
ジイソステアリン酸グリセリルは10年以上の使用実績があり、医薬部外品原料規格に収載されています。
一般的な使用であれば安全性は高いと言われています。
皮膚刺激、眼刺激に関してほとんど刺激はないとされておりますが、詳細な実験の報告はみあたりません。
皮膚感作に関しても安全性は高いとされていますが、一部の個別報告でアレルギーの発現報告があります。10年以上の使用実績から考えると、頻度はとても低いと考えられます(1)。
参考文献
(1) Cosmetic Ingredient Review(2007)「Amended Final Report on the Safety Assessment of Glyceryl Dilaurate, Glyceryl Diarachidate, Glyceryl Dibehenate, Glyceryl Dierucate, Glyceryl Dihydroxystearate, Glyceryl Diisopalmitate, Glyceryl Diisostearate, Glyceryl Dilinoleate, Glyceryl Dimyristate, Glyceryl Dioleate, Glyceryl Diricinoleate, Glyceryl Dipalmitate, Glyceryl Dipalmitoleate, Glyceryl Distearate, Glyceryl Palmitate Lactate, Glyceryl Stearate Citrate, Glyceryl Stearate Lactate, and Glyceryl Stearate Succinate」International Journal of Toxicology(26)(3_Suppl),1-30.
(2) 化粧品成分ガイド 第6版. (2015). (n.p.): フレグランスジャーナル社.
ジイソステアリン酸グリセリルの配合目的
- 角質層からの水分蒸発抑制作用(エモリエント作用)
- 水性、油性成分の乳化安定性を高める作用
- 顔料を均一に分散させる目的
ジイソステアリン酸グリセリルの安全性情報
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS441.pdf
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR322.pdf
日本語論文
なし
英語論文
[No authors listed]Int J Toxicol. 2007;26 Suppl 3:1-30. doi: 10.1080/10915810701663143.PMID: 18273450 Review.
Kaji M, Takeyama Y, Nioh A, Tsuyuki M, Akatsuka H, Fujiwara S, Sakai K, Sakai H.J Oleo Sci. 2017 Nov 1;66(11):1239-1245. doi: 10.5650/jos.ess17102. Epub 2017 Oct 11.PMID: 29021489 Free article.