表示名称成分詳細
コンジョウ
成分番号(JP number): 551271
- INCI
- FERRIC FERROCYANIDE, FERRIC AMMONIUM FERROCYANIDE
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される2種の無機化合物からなる。
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 亚铁氰化铁, 亚铁氰化铁铵
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用, 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 9.114
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
- 25869-00-5(Ferric Ammonium Ferrocyanide)
- EC No.
- 237-875-5(Ferric Ammonium Ferrocyanide)
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
IV/138(Ferric Ammonium Ferrocyanide)
原料情報
コンジョウ / FERRIC FERROCYANIDE, FERRIC AMMONIUM FERROCYANIDE
コンジョウとは
コンジョウはフェロシアン化第二鉄もしくはフェロシアン化第二鉄アンモニウムの単体、またはこれらの混合物です。
またの名をプルシアンブルーともいいコンジョウはシアンを含みますが、コンジョウ自体に毒性はありません。
放射線医学総合研究所 緊急被ばく医療研究センターによると、
消化管に吸収されないコロイド状物質で、毒性が低く、経口的に使用でき、セシウム、タリウムなどのある種の一価の陽イオンに対し結合します。
タリウムやセシウムが腸肝サイクルという代謝経路を通り腸管内に分泌された時、これを捕捉して再吸収を阻害し、便中への排泄を促進します。
溶解度が低く、経口した場合はほとんど吸収されず、便中に排泄されます(1)。
放射線医学総合研究所 緊急被ばく医療研究センター プルシアンブルー使用に関する注意喚起
コンジョウは化粧品やプリンターのインクリボン・色鉛筆・新聞用のインクなどに用いられている身近な原料です。
着色剤は主にメイクアップ化粧品の原料として使われており、皮膚や髪に好みの色彩を与え、健康で魅力的な容貌を作る機能を持っています。
着色剤は水や油に溶けにくく粒径が大きいため肌に吸収されにくい「顔料」と水や油に溶けやすく中には角層に染着するものもある「染料」に分けられますが、
コンジョウは顔料にあたります。そのため、肌がコンジョウによって染まってしまうことはないと考えられます。コンジョウは着色顔料に該当します(5)。
- 着色顔料:色調の調整
コンジョウ・グンジョウ・酸化鉄(ベンガラ・黄酸化鉄・黒酸化鉄)など
安全性
化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、コンジョウは『医薬部外品原料規格2021』に掲載されています。
- 『医薬部外品原料規格2021』(3)
一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは『医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いております。
これまで、コンジョウは化粧品の原料として10年以上使用されている実績があます。
現在、コンジョウは安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます。
コンジョウは以下の化粧品に添加されております。
- アイ系メイクアップ化粧品
- リップ系メイクアップ化粧品
- ネイル製品などに
参考文献
(1)放射線医学総合研究所 緊急被ばく医療研究センター プルシアンブルー使用に関する注意喚起
(2)吉野 和典 プルシアンブルー;新しい応用とそのナノテクノロジー
(3)厚生労働省『医薬部外品原料規格 2021』000240227.pdf (pmda.go.jp)
(5)小西さやか『日本化粧品検定 1級対策テキスト コスメの教科書 第2版』(主婦の友社)
コンジョウの配合目的
- 着色顔料
コンジョウの安全性情報
Food and Drug Administrationの連邦規則集より、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
日本語論文
コンジョウに関する研究 (第6報):コンジョウの発色機構の一考察
渡辺 久次 色材協会誌 35(5), 197-198, 1962 J-STAGE
コンジョウに関する研究 (第5報):コンジョウの構造に関する一考察
渡辺 久次
色材協会誌 35(4), 137-140, 1962J-STAGE
コンジョウに関する研究 (第4報) 色材協会誌 34(8), 369-377, 1961 J-STAGE
英語論文
Perception of the blue light effect on Korean women's faces using the blue pearl pigment.
Lee M, et al. Skin Res Technol. 2020.PMID: 31423657