表示名称成分詳細
コメ胚芽油
成分番号(JP number): 551261
- INCI
- ORYZA SATIVA GERM OIL
- 定義(Description)
- 本品は、イネ Oryza sativa の胚芽から得られる脂肪油である。Oryza Sativa Germ Oil is the fixed oil obtained by the expression of the germs of the Rice, Oryza sativa L., Poaceae. It consists primarily of the glycerides of the fatty acids
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 稻(ORYZA SATIVA)胚芽油
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 20
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 쌀배아오일
- CAS No.
- 90106-37-9
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
コメ胚芽油 / ORYZA SATIVA GERM OIL
コメ胚芽油とは
コメ胚芽油は、イネ Oryza sativa L.(Gramineae)の胚芽より得た脂肪油です。医薬部外品原料規格に収載されており、融点:70~83℃、ヨウ素価:20 以下 、けん化価:70~160と規定されています。また、波長 315nm付近に吸収極大があります(1)。
コメ胚芽油には、こめ油と比較してɤ-オリザノールと植物ステロールが多く含まれています。ɤ-オリザノールは、コメ胚芽油100g中に1500mg含まれます。
ɤ-オリザノールは、抗酸化物質で、血流促進効果があるため、肌のターンオーバーを促し乾燥肌の改善や肌の色を明るくする作用が期待できます。
植物ステロールは、コメ胚芽油100g中に1500mg含まれています。植物ステロールは、油の食物繊維と言われ、悪玉(LDL)コレステロールの吸収を抑える作用があり、コレステロールを低下させます。
こめ油自体に存在する成分も損なわれず存在します。
悪玉コレステロールの吸収を抑える効果やコレステロールを低下させる働きが報告されているビタミンEの約50の抗酸化作用を持つトコトリエノールが、コメ胚芽油100g中に49mg含まれています。
また、細胞の健康維持を助けるビタミンは、コメ胚芽油100g中に42mg含まれています(2)。
コメは、イネの実ですが、中国南部の雲南地方の山岳地帯が起源とされます。
日本では、縄文時代の後期にジャポニカ種が伝わりました。以来、稲作は日本文化に深く根ざしました。
現在、日本全国で稲作が行われ、約340品種が栽培されており、日本人1人あたりで年間約62kgのコメを食べています(3)。
コメ胚芽油は、玄米1kgから10gしか、採取できない油ですが、年間約800トンのコメの生産量があり、日本では一般に供給されています。
太陽からの日射は、波長により、赤外線、可視光線および紫外線に分けられ、紫外線は、可視光線よりも波長の短い光です。
紫外線(UV)は、波長の長いほうからA・B・C と大きく分けられています。大別されています。フロン等によりオゾン層が破壊されると、地上において生物に有害な紫外線(UV-B)が増加し、生物への悪影響が増大することが懸念されています。
UV-Aは、波長315~400nmで、あまり大気に吸収されずに地表に到達します。
UV-Bは、波長280-315 nmで、オゾン層により大部分が吸収されます。残りが地表に到達しますが、生物に大きな影響を与えます。
UV-Cは、 波長100-280 nmですが、成層圏や、その上空のオゾンと酸素分子によって、全てが吸収され、地表には到達しません(4)。
紫外線は、肌の光老化を促進し、シワ、シミの原因ともなります(5)。
コメ胚芽油は波長315nmに吸収極大を持つので、UV-A、UV-Bともに吸収することができ、紫外線防止効果があります。
適用としては、薬用石鹸・シャンプー・リンス等、除毛剤、育毛剤 、その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤、薬用口唇類、薬用はみがき類、浴用剤、染毛剤、パーマ剤が示されています。
肌に潤いを与え、肌のきめを整える美容オイルやサンスクリーンなどに使用されています。
参考文献
(1)医薬部外品原料規格2021 「コメ胚芽油」
(2)こめ油を知る 築野食品工業株式会社
(3)イネ 「どこからきたの?」農林水産省HP
(4)紫外線とは 気象庁HP
(5)なぜ紫外線吸収剤が必要 なのか?一太陽紫外線の皮膚に与える影響一 オレオサイエンス 第7巻 第9号(2007) 347-355(6)
コメ胚芽油の配合目的
・乾燥肌改善
・肌色改善
・紫外線防止
コメ胚芽油の安全性情報
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS577.pdf
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS403.pdf
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR346.pdf
・https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR315.pdf
日本語論文
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松永 佳世子 , 上田 宏 皮膚 35(1), 177-186, 1993
乾燥肌用入浴剤バスキーナの皮膚刺激性の検討ならびにアトピー性皮膚炎患者に対する使用経験
手塚 正 皮膚 34(5), 624-638, 1992
英語論文
[No authors listed]Int J Toxicol. 2006;25 Suppl 2:91-120. doi: 10.1080/10915810600964626.PMID: 17090480 Review.
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