表示名称成分詳細
コメヌカスフィンゴ糖脂質
成分番号(JP number): 551255
- INCI
- (NOTHING)
- 定義(Description)
- 本品は、コメヌカ油(*)より得られるスフィンゴ糖脂質である。
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
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- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
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- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
![コメヌカスフィンゴ糖脂質](https://images.prismic.io/beaker-media/ZytmUa8jQArT0Sdw_%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%8C%E3%82%AB_%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%82%99.png?auto=format,compress)
コメヌカスフィンゴ糖脂質 / (NOTHING)
コメヌカスフィンゴ糖脂質とは
コメヌカスフィンゴ糖脂質は、コメヌカ油から得られるスフィンゴ糖脂質です(1)。
成分番号は551255、INCI名はありません。
医薬部外品原料規格にも「コメヌカスフィンゴ糖脂質」英名:Rice Bran Sphingoglycolipidとして収載され、ヨウ素価 35~55と規定されています(2)。
ヨウ素価100以下ですので、不揮発性油に分類されます。
医薬部外品原料規格は2021年に改訂されましたが、平成18年3月31日薬食発第0331030号医薬食品局長通知「医薬部外品原料規格2006について」により定められました。
このとき、平成3年5月14日薬発第535号薬務局長通知「医薬部外品原料規格について」、平成5年2月10日薬発第115号薬務局長通知同追補、平成6年3月15日薬発第243号薬務局長通知同追補2、平成10年3月24日医薬発第296号医薬安全局長通知同追補3、平成10年5月22日医薬発第476号医薬安全局長通知同追補4及び化粧品種別配合成分規格が廃止され、医薬部外品原料規格に統合されました。
コメヌカスフィンゴ糖脂質は、化粧品種別配合成分規格に収載されていた物質ですが、医薬部外品原料規格に収載されました(3)(4)。
医薬品の添加物リストによると、コメヌカスフィンゴ糖脂質は、薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤、育毛剤、その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤、薬用口唇類については、2.0%以下であれば、安全性に関する資料の提出を求めない適応となっています(5)。
働きと用途
皮膚表面の層を角層といいますが、角層の細胞の間には細胞間脂質と呼ばれる脂質が存在します。
角層細胞と角層の細胞間脂質は、レンガとモルタルに例えられる関係です。
健康な肌の角層では、角層細胞の間で、細胞間脂質が角層細胞どうしをつなぎとめる働きをします。
細胞間脂質は、セラミド、コレステロールなどを成分とする脂質の層と水分子の層が規則正しく何層も重なり合い、「ラメラ構造」と呼ばれる層状の構造をつくっています。
ラメラ構造は、疎水層と親水層を繰り返すミセル様の構造をしており、この構造が、脂質が水分を挟み込み、肌の水分を維持する機能を持っていると考えられています。
このバリア機能は、皮膚内に水分が過剰にあるときは蒸散でき、ある一定の水分を肌に保持する働きをしており、外的刺激から皮膚を防御するといった重要な役割を担っています。
細胞間脂質の構成は、セラミド、糖脂質、コレステロール、コレステロールエ ステル、遊離脂肪酸で構成されています(6)。
角層細胞間脂質のラメラ構造が形成されるためには、セラミド、脂肪酸、コレステロールなどの脂質成分の構成比が重要で、その比率の偏りが、ラメラ構造の性状を変化させ、肌のバリア機能を損ないます。
健康な肌では、細胞間脂質はセラミド、コレステロール、遊離脂肪酸が1:1:1(重量比でセラミド50%、コレステロール25%、遊離脂肪酸10%~20%)の割合で存在するのが理想的です。
コメヌカスフィンゴ糖脂質は、細胞間脂質のセラミドを補い、表皮構造を改善します。
老化した肌や、肌荒れでドライスキンの肌にはセラミドが不足していることがわかっています。
コメヌカスフィンゴ糖脂質によりセラミドを肌に補うと、経表皮水分蒸散量を測定したところ抑制効果が表れ,角質水分量も増加した実験結果が示されており、セラミドも増加効果が見られました。
角質水分量が増加して肌荒れ改善を確認し、ヒト真皮線維芽細胞ではヒアルロン酸産生促進作用があることが認められました。
また、ヒト皮膚では、バリア機能が改善し、しわが改善するという報告があります(7)。
コメヌカスフィンゴ糖脂質の配合目的
バリア性の改善
セラミド補強効果
コメヌカスフィンゴ糖脂質の安全性情報
皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について
医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績の中で皮膚刺激および皮膚感作の報告がないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
眼刺激性について
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。
参考文献
(1) 日本化粧品工業連合会 コメヌカスフィンゴ糖脂質 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知
(2) 医薬部外品原料規格 コメヌカスフィンゴ糖脂質
(3) 医薬部外品原料規格の改正に伴う医薬部外品等製造販売承認申請の取扱いについて(平成18年3月31日)(薬食審査発第0331033号)
(4) 医薬部外品の添加物リストについて 薬食審査発第 0327004 号 平 成 2 0 年 3 月 2 7 日
(5) 薬生薬審発 0325 第7号 令 和 3 年 3 月 2 5 日 医薬部外品の添加物リストについて
(6) 皮膚角質細胞間脂質の構造と機能 芋 川 玄 爾 花王基礎科学研究所 油化学 第4巻 第10号 (1995)
(7) 高橋 達治(2016)「コメ由来グルコシルセラミドの内外美容効果」Fragrance Journal(44)(6),37-42.
日本語論文
なし
英語論文
Coderch L, et al. Am J Clin Dermatol. 2003.PMID: 12553851 Review.
[Improvement of the Skin Barrier Function with Physiologically Active Substances].
Tokudome Y. Yakugaku Zasshi. 2019.PMID: 31787643
Cui L, et al. J Cosmet Dermatol. 2016.PMID: 27405934
Measuring epidermal effects of ostomy skin barriers.
Grove G, et al. Skin Res Technol. 2019.PMID: 30387538
Skin Ceramide Profile in Children With Atopic Dermatitis.
Shen CP, et al. Dermatitis. 2018.PMID: 29939855
Detection and Analysis of Ceramide in Skin and Blood in a Healthy Chinese Population.
Xin C, et al. J Cosmet Sci. 2020.PMID: 33413781