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表示名称成分詳細

コムギ胚芽油

成分番号(JP number): 551249

INCI
TRITICUM VULGARE GERM OIL
定義(Description)
本品は、コムギ胚芽(*)から得られる脂肪油である。Triticum Vulgare Germ Oil is the oil obtained from the expression or extraction of the wheat germ Triticum vulgare, Poaceae.
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
小麦(TRITICUM VULGARE)胚芽油
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 22, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 10
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
밀배아오일
CAS No.
68917-73-7 / 8006-95-9
EC No.
- / 281-689-7
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

コムギ胚芽油 / TRITICUM VULGARE GERM OIL

コムギ胚芽油とは

コムギ胚芽油は,コムギ Triticum aestivum L.(Triticum sativum Lam.,Triticum vulgare Vill.)(Gramineae)の胚芽から得た脂肪油です。英名はWheat Germ Oilです。

医薬部外品原料規格では「コムギ胚芽油」として収載されており、けん化価 :180~200、ヨウ素価 :115~140、不けん化物: 6%以下と規定されます。比重は規定されていません(1)。

また、医薬品添加物規格では、「小麦胚芽油」として収載されており、比重 d25/25:0.912~0.932、けん化価 :182~194、不けん化物: 6.0%以下、ヨウ素価: 125~140と規定されています(2)。

医薬部外品原料規格と医薬品添加物規格では、ヨウ素価とけん化価の規定値が違います。また、医薬品添加物規格のみ、比重が規定されています。

小麦は、米、トウモロコシとともに、世界三大穀物と言われます。中央アジア、西アジアが起源と言われるイネ科コムギ属の一年草です。

コムギ胚芽油の原料である小麦は、アメリカ、カナダ、オーストラリアから輸入されています。一部、日本産の小麦も使用されています。

コムギの粒は、胚乳(約83%)、表皮(約15%)、胚芽(約2%)からできており、コムギ胚芽から採取されるのがコムギ胚芽油です。コムギ胚芽には、8%の油分が含まれています。

コムギ胚芽油の組成は、パルミチン酸 17%、オレイン酸 16%、リノール酸 58%、その他 9%(参考値)です。

コムギ胚芽油は、他の植物油と比べ、ビタミンEの含有量が多いのが特長です(3)。

また、コムギ胚芽油は、アボカド油、オリーブ果実油、ブドウ種子油、サフラワー油、モモ核油、ホホバ種子油、スクワランに比べて、高い抱水力をもっており、優れた湿潤性を有していることが示されています(4)。

適用としては、薬用石鹸・シャンプー・リンス等、除毛剤 、育毛剤 、その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤、薬用口唇類 、薬用はみがき類、浴用剤、染毛剤、パーマ剤が示され、除毛クリーム、ホワイトニング化粧品に添加されています(5)。

コムギ胚芽油は小麦を使用しているため、コムギアレルギーを持つ人は、使用を控える必要があります。

厚生労働省では、加水分解コムギ末を配合する製品(石鹸)の使用により、重篤な全身性のアレルギーの報告が相次いだことから、平成23年9月9日に「小麦由来成分を配合する医薬部外品及び化粧品への成分表示について」と題した薬発を出しました。

この薬発の文中には、”小麦由来成分を含む医薬部外品、化粧品は容器、外箱などに小麦由来の成分が配合されていることを記載するか、成分名のあとにカッコ書きで(小麦)などと明記する。ただし成分名から明らかに小麦由来であることがわかる場合は成分名だけでもかまわない。また、使用中に異常があった場合に使用を控える旨の表記も行なう。”と記載され、コムギ胚芽油に関しても、小麦由来であることの明記が義務づけられました(6)。

コムギ胚芽油は、ウィートジャムオイルという名称でも流通しており、アーユルヴェーダやマッサージオイル、手作り石鹸の原料として利用されています。

参考文献

(1)医薬部外品原料規格2021 「コムギ胚芽油」

(2)医薬品添加物規格2018 「小麦胚芽油」

(3)コムギ胚芽油 Copyright© Summit oil mill All Rights Reserved

(4)エモリエント剤-最近10年の進歩と発展, 足立佳津良 (小林コーセー研),Fragrance Journal (Fragrance Journal) 46-49,54 ,1983年

(5)Cosmetic-Info.jp 「コムギ胚芽油」

(6)「小麦由来成分を配合する医薬部外品及び化粧品への成分表示について」平成23年9月9日薬食審査発0909第1号/薬食安発0909第1号

(7)小麦胚芽油|ウィートジャムオイルの効果効能 2021Timeless Edition®

コムギ胚芽油の配合目的

・エモリエント作用

・抗酸化作用

・血行改良

コムギ胚芽油の安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS577.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRNS479r.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr248.pdf

日本語論文

コムギ胚芽油および大豆油から24-メチレンシクロアルタノールの分離とそのNMRスペクトル

田村 利武 [他] , 竹島 紘子 , 松本 太郎 油化学 11(5), 212-218, 1962

コムギ胚芽油から新メチルステリン"グラミステリン"の単離

田村 利武 [他] , 三浦 昭彦 , 松本 太郎 油化学 11(8), 415-419, 1962

コムギ胚芽油のジヒドロ-γ-シトステリン・フェルラ酸エステル

田村 利武 [他] 日本化学雑誌 80(2), ????, 1959-02

コムギ胚芽油のジヒドロ-γ-シトステリン・フェルラ酸エステル

田村 利武 , 日比野 猛 , 横山 仁夫 , 松本 太郎 日本化學雜誌 80(2), 215-217, 1959

英語論文

Evaluation of the Wheat Germ Oil Topical Formulations for Wound Healing Activity in Rats.

Zakaria R, J Musa R, Faraj J, H Mahmoud Abudayeh Z, A Mohammed H.Pak J Biol Sci. 2021 Jan;24(6):706-715. doi: 10.3923/pjbs.2021.706.715.PMID: 34486347

[Clinical trial of a topical preparation containing urea, sunflower oil, evening primrose oilwheat germ oil and sodium pyruvate, in several hyperkeratotic skin conditions].

Ferrando J.Med Cutan Ibero Lat Am. 1986;14(2):133-7.PMID: 3528709 Spanish.

Biological and pharmacological activities of squalene and related compounds: potential uses in cosmetic dermatology.

Huang ZR, Lin YK, Fang JY.Molecules. 2009 Jan 23;14(1):540-54. doi: 10.3390/molecules14010540.PMID: 19169201 Free PMC article. Review.

Comparative measurement of hydration effects of herbal moisturizers.

Saraf S, Sahu S, Kaur CD, Saraf S.Pharmacognosy Res. 2010 May;2(3):146-51. doi: 10.4103/0974-8490.65508.PMID: 21808557 Free PMC article.