表示名称成分詳細
ココイルグルタミン酸Na
成分番号(JP number): 551202
- INCI
- SODIUM COCOYL GLUTAMATE
- 定義(Description)
- 本品は、ココイルグルタミン酸(*)のナトリウム塩であり、次の化学式で表される。RCO:ヤシ油脂肪酸アシル基L-Glutamic acid, N-coco acyl derivs., monosodium salts
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 椰油酰谷氨酸钠
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 30, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 2.5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 소듐코코일글루타메이트
- CAS No.
- 68187-30-4
- EC No.
- 269-085-1
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ココイルグルタミン酸Na / SODIUM COCOYL GLUTAMATE
ココイルグルタミン酸Naとは
[化粧品成分表示名称]
・ココイルグルタミン酸Na
[医薬部外品表示名称]
・N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム
ココイルグルタミン酸Naは、ヤシ科植物ココヤシの果実(ココナッツ)から得られるヤシ油に含まれる脂肪酸の塩化物と酸性アミノ酸の一種であるグルタミン酸を縮合して得られるナトリウム塩です。アミノ酸系界面活性剤のアシルグルタミン酸塩の陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)に分類されます。
ヤシ油に含まれる脂肪酸組成は、ヤシの栽培されている地域や抽出方法によっても異なりますが、主に下記の脂肪酸が含まれています(1)。(カッコ内の数字は炭素数と二重結合数を示しています)
・ラウリン酸 (C12) 44-52%
・ミリスチン酸 (C14) 13-19%
・パルミチン酸 (C16) 8-11%
・カプリン酸(C10) 6-10%
・カプリル酸 (C8) 5-9%
・オレイン酸 (C18:1) 5-8%
・ステアリン酸 (C18) 1-3%
・カプロン酸(C6) 0-1%
・リノール酸 (C18:2) 0-2.5%
上記より、ココイルグルタミン酸Naは主に炭素数12の高級脂肪酸であるラウリン酸を主体とした界面活性剤であることが分かります。
界面活性剤としてのココイルグルタミン酸Na
ココイルグルタミン酸Naは、陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)に分類されます。
アニオン界面活性剤は、一般に起泡性・浸透力・分散力に優れているという特徴があります。油への溶解性は低いため、一般にはノニオン界面活性剤よりも乳化力が劣りますが、泥汚れなどの洗浄力が高いことが知られています(2)。
ココイルグルタミン酸Naの化粧品への配合
乳液やクリームに0.1%-0.5%添加することで乳化安定剤として使用されることがあります(3)。
ココイルグルタミン酸Naは適度な気泡力、洗浄力を持ち、皮膚と同じ弱酸性を示し、皮膚に対して非常に温和であるという特徴があります。
そのため、敏感肌用のシャンプー、せっけん、洗顔クリーム、歯磨きなどに使用されます(4)。
参考文献
- Cosmetic Ingredient Review (2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology (36) (Supplement3), 51S-129S
- 野々村美宗 (2015)「アニオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学
- 吉田 良之助, 他(1977)「新界面活性剤 N-アシルグルタマートの製造技術及び応用技術の開発と工業化」油化学(26)(12),747-753.
- 鈴木一成 (2012) 化粧品成分用語事典2012
ココイルグルタミン酸Naの配合目的
- 気泡・洗浄
- 乳化
ココイルグルタミン酸Naの安全性情報
皮膚刺激性:10%濃度以下においてほとんどなし
Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Amino Acid Alkyl Amides as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(36)(1),17S-56S.
旭化成ファインケム株式会社(2016)「アミノサーファクト ACDS-L」安全データシート.
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS645.pdf
日本語論文
なし
英語論文
Corazza M, et al. Dermatitis. 2010. PMID: 20920412