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表示名称成分詳細

ココイルイセチオン酸Na

成分番号(JP number): 551197

INCI
SODIUM COCOYL ISETHIONATE
定義(Description)
本品は、イセチオン酸のヤシ油脂肪酸エステルのナトリウム塩であり、次の化学式で表される。RCO:ヤシ油脂肪酸アシル基Fatty acids, coco, 2-sulfoethyl esters, sodium salts
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
椰油酰羟乙磺酸酯钠
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 36, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): (none)
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
소듐코코일이세티오네이트
CAS No.
61789-32-0 / 58969-27-0
EC No.
263-052-5
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

ココイルイセチオン酸Na / SODIUM COCOYL ISETHIONATE

ココイルイセチオン酸Naとは

[化粧品成分表示名称]

・ココイルイセチオン酸Na

[医薬部外品表示名称]

・ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸ナトリウム

ココイルイセチオン酸Na(Sodium Cocoyl Isethionate)は、ヤシ科植物ココヤシの果実(ココナッツ)から得られるヤシ油に含まれる脂肪酸とイセチオン酸ナトリウムを縮合反応させて得られるエステルです。イセチオン酸塩型の陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)に分類されます。

ヤシ油に含まれる脂肪酸組成は、ヤシの栽培されている地域や抽出方法によっても異なりますが、主に下記の脂肪酸が含まれています(1)。(カッコ内の数字は炭素数と二重結合数を示しています)

・ラウリン酸 (C12) 44-52%

・ミリスチン酸 (C14) 13-19%

・パルミチン酸 (C16) 8-11%

・カプリン酸(C10) 6-10%

・カプリル酸 (C8) 5-9%

・オレイン酸 (C18:1) 5-8%

・ステアリン酸 (C18) 1-3%

・カプロン酸(C6) 0-1%

・リノール酸 (C18:2) 0-2.5%

上記より、ココイルイセチオン酸Naは主に炭素数12の高級脂肪酸であるラウリン酸からなるラウリン酸イセチオン酸Naを主体とした界面活性剤であることが分かります。

界面活性剤としてのココイルイセチオン酸Na

親水基として水酸基とスルホン酸基を含んでいるココイルイセチオン酸Naは、陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)に分類されます。

アニオン界面活性剤は、一般に起泡性・浸透力・分散力に優れているという特徴があります。油への溶解性は低いため、一般にはノニオン界面活性剤よりも乳化力が劣りますが、泥汚れなどの洗浄力が高いことが知られています(2)。

ココイルイセチオン酸Naの化粧品への配合

ココイルイセチオン酸Naはアニオン界面活性剤の中では比較的脱脂力が低く、低刺激性のマイルドな洗浄剤として知られています(3)。硬水でも安定な泡立ちが得られ、泡質を改善する働きもあります。

Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから、安全性評価論文内で説明されている現在の使用方法と濃度内で処方された場合のココイルイセチオン酸Naの安全性が結論づけられています(4)。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2013年時点で、ココイルイセチオン酸Naを配合している製品の登録数は合計490で、そのうちリーブオン製品は43製品、リンスオフ製品は435製品、浴剤として希釈して使用する製品が12製品でした(4)。

製品への含有量について2013年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、ココイルイセチオン酸Naはリーブオン製品で0.44%から17%、リンスオフ製品で0.23%から49.4%の配合率で使用されていました(4)。

参考文献

  1. Cosmetic Ingredient Review (2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology (36) (Supplement3), 51S-129S
  2. 野々村美宗 (2015)「ノニオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 52-56
  3. 宇山光男, 他 (2015)「ココイルイセチオン酸Na」化粧品成分ガイド 第6版, 135
  4. Cosmetic Ingredient Review (2017)「Amended Safety Assessment of Isethionate Salts as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology Vol. 36 (Supplement 1) 5S-16S

ココイルイセチオン酸Naの配合目的

  • 洗浄剤

ココイルイセチオン酸Naの安全性情報

皮膚刺激性:8%濃度以下において非刺激-軽度の皮膚刺激が起こる可能性あり

Cosmetic Ingredient Review(1993)「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Cocoyl Isethionate」Journal of the American College of Toxicology(12)(5),459-479.

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS550.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr89.pdf

日本語論文

なし

英語論文