表示名称成分詳細
コカミドMEA
成分番号(JP number): 551185
- INCI
- COCAMIDE MEA
- 定義(Description)
- 本品は、ヤシ脂肪酸(*)のモノエタノールアミドであり、次の化学式で表される。RCO:ヤシ油脂肪酸アシル基Cocamide MEA is a mixture of ethanolamides of Coconut Acid. It conforms generally to the formula:
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 椰油酰胺 MEA
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 16, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.01
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 코카마이드엠이에이
- CAS No.
- 68140-00-1
- EC No.
- 268-770-2
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
コカミドMEA / COCAMIDE MEA
コカミドMEAとは
[化粧品成分表示名称]
・コカミドMEA
[医薬部外品表示名称]
・ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド
コカミドMEA(Cocamide MEA)は、ヤシ科植物ココヤシの果実(ココナッツ)から得られるヤシ油に含まれる脂肪酸とモノエタノールアミン(MEA)が縮合反応によりアミド結合で結合したものエタノールアミンです。脂肪酸アルカノールアミドの非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
医薬部外品表示名称としては「ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド」という名前が使われています。
ヤシ油に含まれる脂肪酸組成は、ヤシの栽培されている地域や抽出方法によっても異なりますが、主に下記の脂肪酸が含まれています(1)。(カッコ内の数字は炭素数と二重結合数を示しています)
・ラウリン酸 (C12) 44-52%
・ミリスチン酸 (C14) 13-19%
・パルミチン酸 (C16) 8-11%
・カプリン酸(C10) 6-10%
・カプリル酸 (C8) 5-9%
・オレイン酸 (C18:1) 5-8%
・ステアリン酸 (C18) 1-3%
・カプロン酸(C6) 0-1%
・リノール酸 (C18:2) 0-2.5%
上記より、コカミドMEAは炭素数12 の高級脂肪酸であるラウリン酸からなるラウリン酸モノエタノールアミドを主体とした界面活性剤であることが分かります。
界面活性剤としてのコカミドMEA
親水基として水酸基を持つエタノールアミンを含んでいるコカミドMEAは、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
ノニオン界面活性剤は、水中でイオン化しない親水基を持った界面活性剤です。酸性でもアルカリ性でも使用することができ、水の硬度の影響を受けにくいなど化学的に安定な性質があり、さまざまな界面活性剤と併用することができます。乳化作用・分散作用に優れており、幅広い分野で使用されています。
脂肪酸アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤は、それ自体では水溶性が低く洗浄力はほとんどないため、界面活性剤として単独で使用されることはありません。硫酸エステル塩(AS、AESなど)と組み合わせることにより泡立ちを良くし、安定な泡を形成する働きがあるため、主に洗浄料などの泡安定剤として使用されています(2)。
コカミドMEAの化粧品への配合
コカミドMEAはコカミドDEAと同じような特徴があり、洗浄料に添加することで、気泡性、泡の安定性、粘性、洗浄性などを高める効果が知られています。そのため、主にシャンプーや洗顔料などの洗浄料に他の界面活性剤と併用して使用されています(3)。
Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから、安全性評価論文内で説明されている現在の使用方法と濃度内で処方された場合のコカミドMEAの安全性が結論づけられています(4)。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2011年時点で、コカミドMEAを配合している製品の登録数は合計1122で、そのうちリーブオン製品は33製品、リンスオフ製品は1008製品、浴剤として希釈して使用する製品が81製品でした(4)。
製品への含有量について2011年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、コカミドMEAはリーブオン製品で0.5%から5%、リンスオフ製品で0.2%から18%、浴剤として希釈して使用する製品で2%から6%の配合率で使用されていました(4)。
参考文献
- Cosmetic Ingredient Review (2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology (36) (Supplement3), 51S-129S
- 日本界面活性剤工業会 (-)「界面活性剤の主な性質と種類」https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html 2021年11月30日アクセス
- 鈴木一成 (2008)「ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(表示名:コカミドDEA)」化粧品成分用語事典2008, 450
- Cosmetic Ingredient Review (2015)「Safety Assessment of Ethanolamides as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology Vol. 34 (Supplement 1) 18S-34S
コカミドMEAの配合目的
- 起泡剤
- 増粘剤
コカミドMEAの安全性情報
皮膚刺激性:25%濃度以下においてほとんどなし
Cosmetic Ingredient Review(1999)「Final Report on the Safety Assessment of Cocamide MEA」International Journal of Toxicology(18)(2),9-16.
日本語論文
なし
英語論文
Harding AL, et al. JID Innov. 2021. PMID: 34909715 Free PMC article.