化粧品・健康食品の業界に特化した専門情報

ケイ酸(Al/Mg)とは

ケイ酸（Al/Mg）は、主成分を粘土質鉱物であるサポナイトとする、白色~薄褐色の粉末です(2)。ケイ酸（Al/Mg）は化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称ではケイ酸アルミニウムマグネシウムと定められています。

ケイ酸（Al/Mg）の主成分であるサポナイトとは、粘度鉱物の中でもスメクタイトの一種であり、モンモリロナイト、ノントロナイトと並ぶ水を吸収し膨らむ性質を持つ鉱物です(3)(4)。サポナイトは、モンモリロナイトの組成であるMgを一部Alに置換し精製して作られることから、合成スメクタイトの一種としてサポナイト、またはアルミニアサポナイトと呼ばれます。サポナイトは、湿った場合の形状や色、油類の吸着のため洗剤の補助剤として用いられたりすることから「セッケン石」とも呼ばれます(5)。

ケイ酸（Al/Mg）としても、水分を吸収しゲル化をする親水性増粘を目的に化粧品成分に配合されます。

化粧品としては、メイクアップ化粧品、化粧水、乳液等に配合されています。

ゲル化

ケイ酸（Al/Mg）はゲル化作用が特徴であり、ゲル化作用は粘土質鉱物としての吸水性が起因しています。

ゲル化されたケイ酸（Al/Mg）は、膨張性、増粘性、チキロトロピー性に優れています(4)。

性質の中でも、チキソトロピー性に関しては、ケイ酸（Al/Mg）をマイナス電荷とプラス電荷を帯びています。

水中で十分に分散させた後に、分散液に静置すると、負電荷を帯びた層面と正電荷を帯びた端面が互いに引き合い、層面-端面結合の立体な会合構造を形成します。

この結合は力が加わると破壊されるため、流動により粘土が低下し、止まると粘土が増加するという性質を示し餡巣。

乳化、分散の安定性

ケイ酸（Al/Mg）は、ゲル化作用に伴う膨張性、増粘性、チキロトロピー性を占めることから、乳化安定性、顔料分散性や懸濁防止作用が期待でます(2)。化粧品として、クリーム、乳液、液状ファンデーションなどに使用されます。

安全性

ケイ酸（Al/Mg）は20年以上の使用実績があり、いやく部外品原料規格にも修正されています。

一般的な化粧品の使用であれば安全性は問題ないと言われています。

皮膚刺激性に関しては、皮膚一次刺激性、皮膚累積刺激性に分けて検証結果が報告されています。

まず、皮膚一次刺激性に関しては、わずかな刺激が報告されています(1)。

皮膚累積刺激性に関しては、4%の濃度での検証においてほとんど刺激は起こさないという結果が報告されています(1)。

眼科刺激性に関しては、4%の濃度において非刺激-最小限の眼刺激が確認さています(1)。

皮膚感作性に関しては、20年以上の使用実績の中でアレルギーの報告はありませんが、実際に検証を行ったデータは見当たりません。

参考文献

(1)Cosmetic Ingredient Review（2003）「Final Report on the Safety Assessment of Aluminum Silicate, Calcium Silicate, Magnesium Aluminum Silicate, Magnesium Silicate, Magnesium Trisilicate, Sodium Magnesium Silicate, Zirconium Silicate, Attapulgite, Bentonite, Fuller’s Earth, Hectorite, Kaolin, Lithium Magnesium Silicate, Lithium Magnesium Sodium Silicate, Montmorillonite, Pyrophyllite, and Zeolite」International Journal of Toxicology(22)(1_Suppl),37-102.

(2)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p544

(3)クニミネ工業株式会社（-）「スメクトン-SA」技術資料.

(4)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p208

(5)世界大百科事典第２版「サポナイト」株式会社平凡社

ケイ酸(Al/Mg)の配合目的

増粘作用による乳化安定性、分散性の強化作用
ゲル化による化粧製品へのチキロトロピー性の付与

ケイ酸(Al/Mg)の安全性情報

皮膚累積刺激性：ほとんどなし

皮膚一次刺激性：非刺激-非常にわずかな刺激を引き起こす可能性あり

Cosmetic Ingredient Review（2003）「Final Report on the Safety Assessment of Aluminum Silicate, Calcium Silicate, Magnesium Aluminum Silicate, Magnesium Silicate, Magnesium Trisilicate, Sodium Magnesium Silicate, Zirconium Silicate, Attapulgite, Bentonite, Fuller’s Earth, Hectorite, Kaolin, Lithium Magnesium Silicate, Lithium Magnesium Sodium Silicate, Montmorillonite, Pyrophyllite, and Zeolite」International Journal of Toxicology(22)(1_Suppl),37-102.

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/TR808r.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS288.pdf