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表示名称成分詳細

クロレラエキス

成分番号(JP number): 551151

INCI
CHLORELLA VULGARIS EXTRACT
定義(Description)
本品は、クロレラ Chlorella vulgaris のエキスである。Chlorella Vulgaris Extract is an extract of the Alga, Chlorella vulgaris, Oocystaceae
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
小球藻(CHLORELLA VULGARIS)提取物
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 8.495
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
클로렐라 불가리스추출물
CAS No.
223749-83-5
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

クロレラエキス / CHLORELLA VULGARIS EXTRACT

クロレラエキスとは

クロレラエキスはクロレラ科淡水性単細胞緑藻クロレラ・ブルガリス(学名:Chlorella vulgaris)を水および熱水で抽出して得ることができる抽出物(エキス)で、粘性をもった緑褐色の液体であり、特異な臭いをもっています(1)。

その活用形態はクロレラエキスのみを原料として製品に配合するほか、他の植物エキスとの混合である複合植物エキスの原料として配合されることもあります。

原料であるクロレラ・ブルガリスは単細胞の緑藻植物であり、湖沼や河川、湿地などに生育していることが知られています(1)。

その成分の約60%はタンパク質で構成されており、その増殖能力の高さから世界的な食糧難時代の新しい食糧資源として世界各国において培養されています(2)。

また、β-グルカン、β-カロチン、ビタミンB群、ミネラル、必須アミノ酸なども豊富に含まれていますが、天然成分であることから、原料の産地、収穫時期、抽出方法によりその成分組成には差異があることが推察されます(1)。

なお、食品分野においてはその濃い緑色と魚のような臭いにより、まだ広く利用されるには至っていませんが、今後その利用が期待されています(3)。

化粧品成分としては保湿成分や細胞賦活成分に分類され、その作用を目的として、スキンケア化粧品やボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品など様々な製品に活用されています。

クロレラエキスの配合目的

  • 皮表柔軟化および角層水分量増加による保湿作用
  • 細胞賦活作用

保湿作用

1997年に一丸ファルコス社の行った検証によると、クロレラエキス配合乳液と未配合乳液を被験者の顔面に塗布する試験およびクロレラエキス配合ヘアトニックと未配合ヘアトニックを被験者の頭皮に塗布する試験において、湿疹や乾燥肌、肌荒れなどの皮膚・頭皮疾患に対して良好な効果を確認しています(4)。

この検証結果により、クロレラエキスには皮表柔軟化および角層水分量増加による保湿作用が認められています。

細胞賦活作用

1980年にクロレラ工業社が行った検証によると、クロレラエキス配合フェイスクリームを女性被験者へ塗布した試験において、皮膚の様々な疾患に対する良好な改善効果を確認しています。この検証結果により、クロレラエキスには細胞賦活作用が認められています(5)。

なお、クロレラエキス(水抽出)についても細胞を賦活し、皮膚の改善効果を有すると考えられていますが、現時点では明確な細胞賦活作用のメカニズムは見つけられていません(5)。

クロレラエキスの安全性情報

クロレラエキスは医薬部外品原料規格2021に収載されています。

また、皮膚刺激性は殆どなく、さらに20年以上の使用実績の中で重大な皮膚感作に関する報告が見当たらないことから、皮膚感作性(アレルギー性)についても殆どないと考えられています。

以上のことから化粧品配合量および通常使用下において一般的な使用であれば安全性に問題の無い成分であると言われています。

試験データ[1]より、共通して皮膚刺激なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

参考文献:

  1. 一丸ファルコス株式会社(1997)「クロレラ水抽出物含有線維芽細胞増殖促進物質」特開平9-40523.

参考文献

(1)鈴木一成(2012)「クロレラエキス」化粧品成分用語事典2012. 中央書院,266

(2)鈴木 洋(2011)「クロレラ」カラー版健康食品・サプリメントの事典,60-61.

(3)E.W. Becker(2007)「Micro-algae as a source of protein」Biotechnology Advances(25)(2),207-210.

(4)一丸ファルコス株式会社(1997)「クロレラ水抽出物含有線維芽細胞増殖促進物質」特開平9-40523.

(5)クロレラ工業株式会社(1980)「皮膚化粧料」特開昭55-062005.

日本語論文

クロレラエキスの化粧品への応用

岩淵 雅明 , 西井 弘行 , 長谷川 宏 バイオインダストリ- 14(2), 29-33, 1997-02

植物の生長におよぼすクロレラ抽出液の生理学的影響

竹内 安智 , 米山 弘一 , 近内 誠登 , 竹松 哲夫

芝草研究 15(2), 131-136, 1987

クロレラエキスを投与したアユの絶食時の体成分の変化

中川 平介 [他] , 笠原 正五郎 , 辻村 明夫 , 明楽 公男 日本水産学会誌 50(4), 665-671, 1984

養殖アユの血液性状, 体成分に及ぼすクロレラエキス添加飼料の効果

中川平介 水産増殖 30, 192-201, 1983

養殖アユの血液性状,体成分に及ぼすクロレラエキス添加飼料の効果

中川 平介 , 笠原 正五郎 , 宇野 悦央 , 見奈美 輝彦 , 明楽 公男 水産増殖 30(4), 192-201, 1983

養殖ハマチに及ぼすクロレラエキス添加飼料の効果 I  成長および血液性状に及ぼす影響:成長および血液状に及ぼす影響<SUP>1)</SUP>

中川 平介 , 稲塚 洋一朗 , 山崎 繁久 , 平田 八郎 , 笠原 正五郎 水産増殖 30(2), 67-75, 1982

養殖アユの抗病性に及ぼすクロレラ添加飼料の効果

中川 平介 , 笠原 正五郎 , 宇野 悦央 , 見奈美 輝彦 , 明楽 公男 水産増殖 29(2), 109-116, 1981

クロレラエキスの細胞分裂促進作用

西土井 睦 栄養と食糧 20(3), 190-193, 1967

英語論文

Chlorella vulgaris Attenuates Dermatophagoides Farinae-Induced Atopic Dermatitis-Like Symptoms in NC/Nga Mice.

Kang H, Lee CH, Kim JR, Kwon JY, Seo SG, Han JG, Kim BG, Kim JE, Lee KW.Int J Mol Sci. 2015 Sep 2;16(9):21021-34. doi: 10.3390/ijms160921021.PMID: 26404252 Free PMC article.

Inhibitory effects of sterols isolated from Chlorella vulgaris on 12-0-tetradecanoylphorbol-13-acetate-induced inflammation and tumor promotion in mouse skin.

Yasukawa K, Akihisa T, Kanno H, Kaminaga T, Izumida M, Sakoh T, Tamura T, Takido M.Biol Pharm Bull. 1996 Apr;19(4):573-6. doi: 10.1248/bpb.19.573.PMID: 8860961

Marine Ingredients for Sensitive Skin: Market Overview.

Ferreira MS, Resende DISP, Lobo JMS, Sousa E, Almeida IF.Mar Drugs. 2021 Aug 17;19(8):464. doi: 10.3390/md19080464.PMID: 34436303 Free PMC article.

Inhibitory potential of Chlorella vulgaris (E-25) on mouse skin papillomagenesis and xenobiotic detoxication system.

Singh A, Singh SP, Bamezai R.Anticancer Res. 1999 May-Jun;19(3A):1887-91.PMID: 10470132