表示名称成分詳細
グルコン酸Na
成分番号(JP number): 551122
- INCI
- SODIUM GLUCONATE
- 定義(Description)
- 本品は、グルコン酸(*)のナトリウム塩であり、次の化学式で表される。Sodium gluconate
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 葡糖酸钠
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 소듐글루코네이트
- CAS No.
- 527-07-1 / 14906-97-9
- EC No.
- 208-407-7 / 238-976-7
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
グルコン酸Na / SODIUM GLUCONATE
グルコン酸Naとは
グルコン酸Naは、有機酸であるグルコン酸のナトリウム塩です。
グルコン酸Naは化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称としてはグルコン酸ナトリウムとして表記されますが、化粧品成分表示名称と同様にグルコン酸Naと表記される場合もあります。
グルコン酸は、はちみつに多く含まれており、はちみつに含まれる有機酸の70%を占めています。その他、ロイヤルゼリー、大豆、米、しいたけ、ワイン、味噌、醤油など発酵食品などにも含まれています(1)。
グルコン酸Naは、グルコース(ブドウ糖)を原料とし、水酸化ナトリウムでpHを調整しながら微生物発酵させて得られます(2)。
グルクロン酸Naは日用品、食品添加物、医薬品添加物として幅広く使用されています。
食品添加物においては、グルコン酸カリウムと一緒に、パン、味噌、醤油とうの製造に蹴る食塩の加工機能の代替え、魚肉すり身の冷凍保存時のタンパク質変性の防止等に添加されています(3)。
化粧成分としては、金属イオン封鎖作用が主な使用目的です。
化粧品としては、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、シート&マスク製品、日焼け止め製品、洗顔料、クレンジング製品、ボディソープ製品と幅広く配合されています。
金属イオン封鎖作用(キレート)
グルコン酸Naは、金属イオン封鎖作用を持っており、化粧品に金属イオンが混入することで起きる、品質劣化を防止できます。
劣化とは、薬剤の作用を阻害したり、あるいは化粧水の沈殿を生じさせたり、 油性原料の酸化を促進し変臭・変色の原因となったりします。
クエン酸Naは、金属イオンと結合しキレートを精製し、金属イオンを賦活化することで、化粧品の品質悪化を防いでくれます(4)。
グルコン酸Naは特に、カルシウム、マグネシウムなどの金属イオンとつく結びつききれーとを形成します。金属などによって性能が低下しやすい、石けんによく配合されています(5)。
安全性
クエン酸Naは、40年以上の使用実績があり、食品添加物など様々な指定を受けています。
下記指定されているリストです。
- 食品添加物指定添加物リスト
- 医薬部外品原料規格
使用実績の期間から、一般的な使用であれば安全性は高いとされています。
皮膚刺激性、眼科刺激性、皮膚感作性に関しては刺激性を確認したデータは見当たりません。ですが、40年の使用実績からは多くの製品に使用されており、一般的な化粧品の使用では問題ないと言われています。
参考文献
(1)永井 照和(2001)「グルコン酸およびその塩類の特徴・機能について」ミツバチ科学(22)(4),171-174. hdl:11078/856
(2) 鈴木 一成(2012)「グルコン酸ナトリウム」化粧品成分用語事典2012,p630
(3) 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団「厚生労働省食品化学 薬事・食品衛生審議会資料 食品添加物の指定に関する食品衛生調査会毒性・添加物合同部会報告について - (別添) グルコン酸カリウム及び同ナトリウムの指定について」2021年12月1日アクセス
(4) 西山 成二・塚田 雅夫(1999)「緩衝溶液についての一考察」順天堂医学(44)(Supplement),S1-S6. DOI:10.14789/pjmj.44.S1.
(5) 宇山 侊男, 他(2020)「グルコン酸Na」化粧品成分ガイド 第7版,p207.
グルコン酸Naの配合目的
- 金属イオンとキレートを形成し、化粧品の劣化防止目的
グルコン酸Naの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS657.pdf
日本語論文
食用タール色素に関する研究(11)金属イオンによる色素の変色・退色に対するグルコン酸類の効果
神藤 光野 , 打田 良樹
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (46), 91-105, 2009-01
佐喜真 巧 , 浅野 千恵子 , 桐野 あすか , 新井 佐知子 , 伊東 正吾 , 塚原 隆充
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science 44(4), 214, 2007-12-25
数種有機酸塩が示したスルメイカ肉の自己消化抑制作用による加熱ゲル形成能の向上
桑原 浩一 , 大迫 一史 , 今野 久仁彦 , KOICHI KUWAHARA , KAZUFUMI OSAKO , KUNIHIKO KONNO , 長崎県総合水産試験場 , 長崎県総合水産試験場 , 北海道大学大学院水産科学研究科 , Nagasaki Prefectural Institute of Fisheries , Nagasaki Prefectural Institute of Fisheries , Laboratory of Marine Food Science Graduate School of Fisheries Sciences Hokkaido University
日本水産学会誌 70(6), 922-927, 2004-11-15
スルメイカ外套膜筋の加熱ゲル形成に及ぼすグルコン酸ナトリウムの影響
桑原 浩一 , 大迫 一史
日本水産学会誌 69(4), 637-642, 2003-07-15
グルコン酸Na・グルコン酸Kの調味料としての利用 (特集:高度な味・新しい機能を提案する調味料)
中村 倶康
食品工業 42(9), 67-74, 1999-05-15
英語論文
なし