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表示名称成分詳細

グリチルリチン酸アンモニウム

成分番号(JP number): 551111

INCI
AMMONIUM GLYCYRRHIZATE
定義(Description)
本品は、グリチルリチン酸(*)のアンモニウム塩である。Ammonium glycyrrhizate
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
甘草酸铵
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 3
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
암모늄글리시리제이트
CAS No.
53956-04-0
EC No.
258-887-7
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

グリチルリチン酸アンモニウム

グリチルリチン酸アンモニウム / AMMONIUM GLYCYRRHIZATE

グリチルリチン酸アンモニウムとは

グリチルリチン酸アンモニウムは、成分番号551111、INCI名 Ammonium Glycyrrhizateで、グリチルリチン酸のアンモニウム塩です(1)。

なお、グリチルリチン酸は、成分番号 551107、INCI名 Glycyrrhizic Acid、カンゾウGlycyrrhiza glabraから得られる配糖体です。

グリチルリチン酸アンモニウムは、医薬部外品原料規格中では、「グリチルリチン酸モノアンモニウム」英名:Monoammonium Glycyrrhizinateとして収載されています(2)。

また、グリチルリチン酸アンモニウムは、第三類医薬品の成分名とされており、グリチルリチン酸アンモニウムを有効成分として配合した場合は、基本的には第三類医薬品となります(3)。

一般販売医薬品のうち日常生活に支障をきたす程度ではないが身体の変調不調が起こるおそれがあるものを第三類医薬品といいます。

医薬部外品は人体に対する作用が緩和で、安全性には特に問題がないものをいいます。

グリチルリチン酸アンモニウムは、医薬部外品への配合上限が定められています。数値はグリチルリチン酸及びその塩類並びにグリチルレチン酸及びその誘導体として合計したものです(4)。

薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤…0.80%

育毛剤、その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤…0.30%

薬用口唇類 薬用歯みがき類 浴用剤…0.20%

いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストは薬用化粧品の種類毎に有効成分の規格及び分量の前例を示したものですが、薬用化粧品の効能又は効果、用法及び用量、剤型等が既に承認されてい るものと同一性を有すると認められる場合であって、有効成分リストの範囲内であれば、承認申請に際して、原則として、当該有効成分の有効性及び安全性に関する資料の提出は求めないとされます。

グリチルリチン酸アンモニウムは、この中で以下の有効成分の範囲が示されています(4)。

化粧水:0.05~0.%

クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油:0.05~0.1%

パック:0.1% (洗い流す用法)

薬用石けん(洗顔料を含む):0.1%

なお、この「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて」(平成20年12月25日付薬食審査発第1225001号審査管理課長通知)の別添「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リスト」の「1.シャンプー」及び「2.リンス」の項については「薬用シャンプー及び薬用リンスの承認審査に係る留意事項について」(平成26年5月2日 薬食審査発0502)で削除されています(5)。

グリチルリチン酸アンモニウムの配合目的

  • 抗炎症作用
  • 抗アレルギー作用
  • 塗布時の不快感の軽減

働きと用途

グリチルリチン酸アンモニウムは、遊離しグリチルリチン酸となり働きます。

作用機序は、アラキドン酸代謝経路阻害及びヒアルロニダーゼ活性阻害による肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制によるもので、抗炎症、抗アレルギー作用を確認されています。

また、NGF(神経成長因子)mRNA発現抑制により敏感肌の症状を改善したり、化粧品を塗る際の不快感を軽減することが確認されています。

グリチルリチン酸アンモニウムの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS349.pdf

安全性

グリチルリチン酸等を含有する医薬品については、長期服用により偽アルドステロン症の発症が報告され、使用上の注意の改定が行われました(8)。

化粧品、薬用化粧品では、皮膚刺激性、眼刺激性、アレルギー性、光毒性、光感作性についての試験結果から、人体に影響はないと考えられます。

グリチルリチン酸アンモニウムは、通常の使用では、安全性に問題はないと推察されます(8)。

参考文献

(1)日本化粧品工業連合会 グリチルリチン酸アンモニウム 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知

(2) 医薬部外品原料規格 グリチルリチン酸モノアンモニウム

(3)第三類医薬品 令和元年9月 18 日最終改正

(4)いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて 薬食審査発第 1225001 号 平 成 20 年 12 月 25 日

(5)○薬用シャンプー及び薬用リンスの承認審査に係る留意事項について 平成26年5月2日 薬食審査発0502

(6)KEGG DRUG: グリチルリチン酸一アンモニウム

(8) グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて 昭和五三年二月一三日 薬発第一五八号

関連原料

日本語論文

グリチルリチン酸モノアンモニウム(MG)の結晶化温度と結晶形状の関係

兼永 洋希 , 小川 薫 , 李 利新 [他] , 水戸部 裕子 , 鈴木 映一 , Guzman Luis A. , 清水 健司 日本結晶成長学会誌 30(4), 322-328, 2003 機関リポジトリ  J-STAGE

英語論文