表示名称成分詳細
クチナシエキス
成分番号(JP number): 551088
- INCI
- GARDENIA FLORIDA EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、クチナシGardenia floridaの果実のエキスである。[Gardenia jasminoides]
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 栀子(GARDENIA FLORIDA)提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 2.5, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
クチナシエキス / GARDENIA FLORIDA EXTRACT
クチナシエキス(クチナシ果実エキス)とは
クチナシエキスは、アカネ科の植物であるクチナシ(学名:Gardenia jasminoides = Gardenia florida)の実から抽出される植物エキスです。抽出には、水、エタノール、BG(1,3-ブチレングリコール)やこれらを混合した液体が用いられます。
クチナシ(梔子)は、台湾や中国に分布しており、日本では和歌山県、鹿児島県、高知県など日本の南西部の森林に自生しています(1、2)。常緑樹で、暖かい気候を好むため、温帯や亜熱帯地域に主に自生しています。
夏に白いジャスミンに似た匂いを放つ花を咲かせます。果実は、熟すとオレンジ色になるため乾燥させて、たくあんや栗きんとんなどを黄色く染める染料や布地の染料としても使用されているため、古くから日本の生活に深く結びついてきた植物といえます。
クチナシの果実を乾燥させてつくられる生薬は、山梔子と呼ばれ、煎じて黄疸などに用いられる漢方方剤としても用いられています。また、充血性の炎症を鎮静する効果や煩躁、不眠などにも用いられています(1、3)。
クチナシエキスは、天然成分であるため地域や時期、抽出方法によって成分に多少の差はあるものの、イリドイド配糖体、カロチノイド、フラボノイドなどを含んでいます(1、2、4)。
クチナシエキスには、消炎効果、鎮静効果、保湿効果などが報告されており、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品やシャンプー製品などのヘアケア製品、洗顔料などのクレンジング製品など多様な製品に使用されています。
クチナシエキス(クチナシ果実エキス)の安全性に関して
皮膚への刺激性に関しては、試験データでは皮膚への刺激性なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性は低いと考えられます(5)。一方で、目への刺激性に関しては、安全性に関する試験データが現在時点では、見当たらないため目への影響は不明です。
皮膚への感作性に関しては、医薬部外品原料規格2021に収載されていること、20年以上の使用実績の中で、重大な皮膚への感作性に関する報告が存在しないことから、化粧品配合量程度で通常の使用をしている限りは、一般的に皮膚感作性はほとんど生じないと考えられます。しかし、安全性データが現時点では存在しないため、詳細な影響に関しては不明です。
参考文献
(1) 鈴木 洋(2011)「山梔子(さんしし)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,179-180.
(2) 御影 雅幸(2013)「サンシシ」伝統医薬学・生薬学,134-135.
(3) 根本 幸夫(2016)「山梔子(サンシシ)」漢方294処方生薬解説 その基礎から運用まで,54-55.
(4) 御影 雅幸(2013)「サンシシ」伝統医薬学・生薬学,134-135.
(5) 一丸ファルコス株式会社(2006)「メラニン生成抑制剤」特開2006-117613.
クチナシエキス(クチナシ果実エキス)の配合目的
- 角質層水分量増加による保湿作用
- MMP-1活性阻害による抗老化作用
- 黄色の着色
クチナシエキス(クチナシ果実エキス)の安全性情報
(1)より、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。
医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
(1)一丸ファルコスの安全性試験データ
日本語論文
橋本 和樹 福岡大学薬学集報 7(0), 113-114, 2007-01
英語論文
Moras B, et al. Food Chem. 2018.PMID: 29622218
Kaji T, et al. Chem Pharm Bull (Tokyo). 1991.PMID: 1914006