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表示名称成分詳細

ククイナッツ油

成分番号(JP number): 551087

INCI
ALEURITES MOLUCCANA SEED OIL
定義(Description)
本品は、ククイノキAleurites moluccanaの種子から得られる脂肪油である。
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
石栗(ALEURITES MOLUCCANA)籽油
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 3.5, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
CAS No.
-
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

ククイナッツ油 / ALEURITES MOLUCCANA SEED OIL

ククイナッツ油(ククイオイル)とは

ククイナッツ油(ククイオイル)とは、トウダイグサ科の植物であるククイノキ(学名:Aleurites moluccanus) の種子から、低音圧搾法などにより抽出さる淡黄色の透明な植物オイルです。

ククイノキは、東南アジアが原産とされ、ハワイに自生する落葉樹で、太平洋諸島を始め、熱帯地域に広く分しています。

ハワイでは、古くから人々の間で強い日差しや潮風から髪や肌を守るために、ククイナッツ油が利用されています。

ククイノキの実は、一本の木から毎年35〜45kgほどが取れるとされており、6mmほどの硬い外皮に覆われているが、内側の2つの実には油脂を豊富に含んでいます。

ハワイでは、魚の臭い消しや腐敗を防ぐ目的で、ククイノキの実が使用されています。また、ククイナッツ油の成分は、天然成分である上に、国や地域、収穫時期や抽出方法によって多少の差異があるものの、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの体内で合成されない必須脂肪酸となっています(1)。

ククイナッツ油中の必須脂肪酸含有割合は、70%を占めているため(1)、健康食品などの油材としても研究がおこなわれています。

ククイナッツ油は、構成する成分の半分以上が不飽和脂肪酸であるため、とても酸化しやすい性質となっています。しかし、粘性があまりなくさらさらとしているため、肌への浸透性が良く、ドライスキンを柔軟にする効果があるとされています。そのため美容オイル、クリーム、乳液、メイクアップ製品を始め、シャンプーなどに利用されています。

一方、オイルの分類では、乾油性に分類されるため、油性塗料と混合することで、塗料の乾きが早くなるなどの効果があります。そのため、リップ製品などにもククイナッツ油が使用されています(3)。

ククイナッツ油の安全性に関して

試験データからは、皮膚への刺激性や感作性は見られないと報告されているので、一般的には皮膚への影響はほとんどないと考えられます(2)。また、目への刺激性に関しても試験データからは影響がないと報告されているため、目への刺激性も一般的にはないと考えられます(2)。

このように、ククイナッツ油は皮膚への刺激性が少ないため、乳幼児にも使用できるオイルとして知られています。実際にハワイの原住民は、古くから赤ちゃんの皮膚を強い日差しから守ろうために使用してきており、敏感肌の人にも使用できるオイルです(1)。

参考文献

(1) 鈴木 一成(2012)「ククイナッツ油(キャンドルナッツ油)」化粧品成分用語事典2012,6-7.

(2) Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.

(3) 日光ケミカルズ株式会社(2016)「油脂」パーソナルケアハンドブックⅠ,2-3.

ククイナッツ油の配合目的

  • 皮膚柔軟化によるエモリエント作用

ククイナッツ油の安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS577.pdf

日本語論文

抗酸化力を有する植物抽出物のO/Wエマルジョン中での抗酸化能に与えるポリグリセリン脂肪酸エステルの効果

橋本 悟 , 栗原 浩司 , 佐藤 芳代 , 田川 正人 , 田村 幸吉 , 池田 孝夫 日本化粧品技術者会誌 32(2), 178-185, 1998 J-STAGE

英語論文