表示名称成分詳細
クオタニウム-18
成分番号(JP number): 551079
- INCI
- QUATERNIUM-18
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される4級アンモニウム塩である。R:C14~18アルキル基Quaternary ammonium compounds, bis(hydrogenated tallow alkyl)dimethyl, chlorides
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 季铵盐-18
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 2.5, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1.755
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 쿼터늄-18
- CAS No.
- 61789-80-8
- EC No.
- 263-090-2
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
クオタニウム-18 / QUATERNIUM-18
クオタニウム-18とは
[化粧品成分表示名称]
・クオタニウム-18
[医薬部外品表示名称]
・塩化ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウム
クオタニウム-18(Quaternium-18)は、炭素数14から18のアルキル基を2つもつ塩化ジアルキルジメチルアンモニウムです。ジアルキル型4級アンモニウム塩の陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)に分類されます。
医薬部外品表示名称としては「塩化ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウム」という名前が使われています。
クオタニウム-18には極性があり、親水性を示します。 ペースト状の物質で、水やイソプロピルアルコールに溶ける性質があります(1)。
クオタニウム-18のアルキル基は、主にヒツジやウシなどの脂肪組織に由来する脂肪(獣脂)から得られる脂肪酸基です。一例として獣脂には、炭素数18 (65%)、炭素数16 (31%)、炭素数14 (4%)の脂肪酸含有率が報告されています(1)。
界面活性剤としてのクオタニウム-18
親水基として4級アンモニウム塩を含んでいるクオタニウム-18は、陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)に分類されます。
一般に、カチオン界面活性剤は繊維・毛髪や金属などの個体表面に吸着し、殺菌効果や繊維などの柔軟効果を示します。カチオン界面活性剤はその他の界面活性剤と比べて毒性が高く、配合量にも制限があるため、使用時には注意が必要です(2)。
アルキル型4級アンモニウム塩のカチオン界面活性剤は、水溶性で表面張力低下能が高いことが知られています。モノアルキル型、ジアルキル型共に、細菌や真菌に対して殺菌効果があります。アニオン性官能基が負に帯電した毛髪表面に吸着して、潤滑性を示す性質があります。油水界面や固液界面に吸着して、乳化剤や分散剤として働く場合もあります(2)。
クオタニウム-18の化粧品への配合
クオタニウム-18には、毛髪に対する柔軟効果や帯電防止効果があり、主にマイルドタイプのヘアコンディショナーやヘアスプレーなどに使用されています。4級アンモニウム塩を含んでいるクオタニウム-18は、シャンプー後にマイナスに帯電した毛髪表面に吸着しやすい性質があり、毛髪に吸着されてくし通りをよくし、柔軟性や平滑性を与えて触感をよくし、帯電を防止します。一般に毒性が高いカチオン界面活性剤の中では、殺菌力、毒性、皮膚刺激性が比較的低いという特徴があります(3)。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2001年時点でクオタニウム-18を配合している製品の登録数は合計90で、主にヘアコンディショナーなどのリンスオフタイプのヘアケア製品や、ファンデーションなどのメイクアップ化粧品に使用されていました(1)。
製品への含有量について米国化粧品工業会(現パーソナルケア製品評議会)が2001年に実施した調査によると、クオタニウム-18は0.1%から2%の配合率で使用されていました(1)。
参考文献
- Cosmetic Ingredient Review (2003)「Annual Review of Cosmetic Ingredient Safety Assessments—2001/2002」Published Re-review
- 野々村美宗 (2015)「カチオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 49-50
- 鈴木一成 (2008)「塩化ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウム(表示名:クオタニウム-18)」化粧品成分用語事典2008, 422
クオタニウム-18の配合目的
- 帯電防止剤
クオタニウム-18の安全性情報
皮膚刺激性:ほとんどなし
皮膚感作性:ほとんどなし
Cosmetic Ingredient Review(1990)「Final Report on the Safety Assessment of Quaternium-18, Quaternium-18 Hectorite, and Quaternium-18 Bentonite」Journal of the American College of Toxicology(1)(2),71-83.
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRNS479r.pdf
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr241.pdf
日本語論文
なし
英語論文
Safety assessment of ammonium hectorites as used in cosmetics.
Becker LC, et al. Int J Toxicol. 2013. PMID: 24335966