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表示名称成分詳細

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド

成分番号(JP number): 551053

INCI
GUAR HYDROXYPROPYLTRIMONIUM CHLORIDE
定義(Description)
本品は、主としてグアーガム(*)に、塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加させて得られた4級アンモニウム塩である。Guar gum, 2-hydroxy-3-(trimethylammonio)propyl ether, chloride
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
瓜儿胶羟丙基三甲基氯化铵
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 7, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1.2
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
구아하이드록시프로필트라이모늄클로라이드
CAS No.
65497-29-2
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド / GUAR HYDROXYPROPYLTRIMONIUM CHLORIDE

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドとは

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは界面活性剤です。

界面活性剤は一分子中に親水基と親油基の両方を持っています。

そのため、以下の働きがあります。

  • 洗浄
  • 乳化
  • 可溶化(水に溶けにくい物資を溶けるようにすること)
  • 浸透
  • 分散(微粒子のような状態で存在するようになること)

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは多糖類のグアーガムに、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(第四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤の一種)を付加して得られる重合体で水溶性の陽イオン(カチオン)型界面活性剤です(1)。

陰イオン(アニオン)型:水に溶けた際、親水基が陰イオン(アニオン)になるもの。

皮膚刺激性:比較的弱い

陽イオン(カチオン)型:水に溶けた際、親水基が陽イオン(カチオン)になるもの。

皮膚刺激性:比較的強い

両性イオン型(アンホ)型:水に溶けるとpHにより陽イオンや陰イオンになるもの。

皮膚刺激性:弱い

非イオン(ノ二オン)型:水に溶けたときイオン化しない親水基を持っているもの。

ほかの界面活性剤と組み合わせやすい。

皮膚刺激性:とても弱い(ほとんどない)

陽イオン(カチオン)型界面活性剤は傷んだ毛髪の艶や触感・質感・指通りなどの改善を目的で使用されるています。

特にグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは髪に潤いを与え、まとまりを向上させる働きを持っています。その仕組みとしては、まず、一般的にシャンプー後の髪の毛はマイナスに帯電しているため、親水基部分がプラスの荷電をもっているグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが静電的に吸着します。そして、疎水基が外側を向いて毛髪表面を覆うため、静電気の発生が抑えられます。結果として、すすぎや乾燥後の摩擦が低減され、毛髪のくし通りがよくなります。

コアセルベート生成によるヘアコンディショニング作用

シャンプー希釈時に、溶質が均一に分散した状態から部分的に溶質が集合し溶質の多い領域と極めて少ない領域に分離する現象をコアセルベーションといいます(2)。

このコアセルベーションによって分離した溶質の多い領域は、洗浄機能とコンディショニング機能をもつ複合体で、コアセルベートと呼ばれます。コアセルベートはシリコーンや油性成分を含むため、それらが毛髪表面に吸着することで、すすぎ時に毛髪へ滑らかさを付与し、コンディショニング効果を発現することが報告されています(2,3)。

実際のシャンプー剤においては、シャンプー塗布後の泡立て時には洗浄作用が発現し、その後、汚れをすすぎ流す過程でコアセルベートが生成され、コンディショニング効果が発現するように設計されています(4)。

ラウラミドプロピルベタインは、ココアンホ酢酸Naなどのグリシン型両性界面活性剤を併用することで、コアセルベート生成量がさらに増加することが報告されています(5)。

安全性

化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは『医薬部外品原料規格2021』に掲載されております。

  • 『医薬部外品原料規格2021』

一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは『医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いております。

これまで、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは化粧品の原料として10年以上使用されている実績があます。

現在、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます。

参考文献

  1. 小西さやか『日本化粧品検定 1級対策テキスト コスメの教科書』(主婦の友社)
  2. 日油株式会社(2015)「毛髪洗浄剤組成物」特開2015-205834.
  3. 樋渡 佳子, 他(2004)「カチオン性高分子と界面活性剤のコアセルベートに関する研究」日本化粧品技術者会誌(38)(3),211-219.
  4. 江連 美佳子(2018)「美しい髪をめざして-香粧品ができること-」日本香粧品学会誌(42)(1),15-20.
  5. 川研ファインケミカル株式会社(2014)「ソフタゾリンLHL」技術資料.

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの配合目的

  • 帯電防止
  • コアセルベート生成によるヘアコンディショニング作用

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS600.pdf

日本語論文

なし

英語論文