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表示名称成分詳細

グアーガム

成分番号(JP number): 551052

INCI
CYAMOPSIS TETRAGONOLOBA GUM
定義(Description)
本品は、グァー Cyamopsis tetragonoloba の胚乳から得られる多糖類である。Cyamopsis Tetragonoloba Gum is a resinous material derived from the ground endosperm of the Guar, Cyamopsis tetragonoloba L., Leguminosae
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
瓜儿豆(CYAMOPSIS TETRAGONOLOBA)胶
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 3, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 2.5
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
구아검
CAS No.
9000-30-0
EC No.
232-536-8
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

グアーガム / CYAMOPSIS TETRAGONOLOBA GUM

グアーガムとは

グアーガムは、化学構造的に主鎖がマンノース、側鎖がガラクトースで構成され、比率が2:1のガラクトマンナン(多糖類)を主成分とする、植物系水溶性高分子です(1)。

淡黄色から淡灰褐色の粘滑性の個体、粉末であり、においや味はありません(2)。

ガラクトマンナンの中にはマンノースとガラクトースの比率の違いにより、3:1のタラガム、4:1のローカストビーガムも存在しています。

グアーガムは化粧品成分名称であり、医薬部外品表示名称としてはグァーガムと定められており、違いに注意が必要です。

グアーガムの原料となる植物はマメ科植物クラスタマメ(学名:Cyamopsis tetragonoloba 英名:guar)であり、パキスタンやインドで栽培される一年生豆科植物で、グアーガムはクラスタマメの胚乳から得られます(1)(2)。

グアーガムの物性としてはエタノールやジエチルエーテルには溶けず、水を加えると徐々に溶け粘稠な中性の液体とないます(2)。

グアーガムは化粧品成分以外にも食品添加物、医薬品添加剤としても幅広くし使用されています。

食品添加物の使用目的としては、ドレッシング、ソース、アイスクリーム、即席麺などに使用されています(3)。

また、医薬品添加剤としては、経口剤などに使用されています。

化粧成分としては、増粘作用、感触改良を目的に配合されています。

化粧品としては、ボディ&ハンドケア製品、ボディソープ製品、スキンケア化粧品、シート&マスク製品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、ボディ石鹸、クレンジング製品、シャンプー製品、入浴剤など幅広く使用されています。

増粘

グアーガムは親水性増粘剤として濃度依存的に粘度が増加していきます(1)。

水溶性化粧品の粘度調整をおこなうことで、感触改良、粘着性の向上が望めます。

シュードプラスチック性

グアーガムの粘性に関してはシュードプラスチック性という特徴を持っています。

シュードプラスチック性とは、グアーガムを混ぜた水溶液に力を加えると粘性が落ちる性質です。

グアーガムを混ぜた水溶液は、容器に入れた状態では粘性は強く流れ落ちることはありません。

手に取って力を加えると展延性のあるテクスチャーに変化し、塗布部位では、再度粘度が上昇し、流れ落ちることを防止してくれます(1)。

安全性

グアーガムは40年以上の使用実績があり、食品添加物など様々な指定を受けています。

下記指定されているリストです。

  • 食品添加物指定添加物リスト
  • 医薬品添加物規格
  • 医薬部外品原料規格

使用実績の期間から、一般的な使用であれば安全性は高いとされています。

皮膚刺激性に関しては、ほとんど皮膚刺激がないとの検証結果がでています(3)。

眼科刺激性に関しては、実証実験で最小限の眼科刺激が報告されています(3)。

皮膚感作性に関しては、業務上に常時グアーガムを使用する人からアレルギーの報告がされています。特殊な条件下での使用のため、グアーガムの使用実績等を考慮すると、一般的な使用であれば安全に使用できると考えられていますが、さらなる検証が必要です。

参考文献

  1. 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課「医薬品添加物規格 2018」p236
  2. 多糖類.com「グァーガム」〈 https://www.tatourui.com/about/02_outcome.html#section2 2021年11月22日アクセス〉
  3. W. Johnson, et al(2015)「Safety Assessment of Galactomannans as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(34)(1_Suppl),35S-65S. DOI:10.1177/1091581815586798.

グアーガムの配合目的

  • 増粘作用による感触改良作用
  • 水溶性液剤に対するショートプラスチック性の付与

グアーガムの安全性情報

皮膚刺激性

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データより、皮膚刺激なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データより、最小限の眼刺激が報告されているため、一般に眼刺激性は非刺激-最小限の眼刺激を引き起こす可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データより、的使用における安全性評価のデータとしては適さないと考えられます。

グアーガムは、既存添加物リスト、医薬品添加物規格2018および医薬部外品原料規格2021に収載されており、40年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

日本語論文

冬季における皮表角層水分量および肌理の変化に対するグアーガム分解物摂取による改善効果

山口 裕章 , 石田 ひとみ , 水谷 陽一 , カプール マヘンドラ 食品加工技術 : 日本食品機械研究会誌 41(1), 6-10, 2021

グアガム部分分解物を用いた化粧品の開発 : 有機化学,天然物化学

山田 次夫 , 松川 清治 , 吉田 清司 日本農藝化學會誌 69(臨時増刊), 302, 1995-07-05

インド亜大陸産マメ類の栽培的特性に関する研究(予報) : IV. グアルの導入系統の栄養生長特性

前田 和美 , 木下 陽一 , 奥田 美津次 , 浜田 保典 日本作物学会四国支部紀事 (14), 17-20, 1978 国立国会図書館デジタルコレクション

英語論文