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表示名称成分詳細

キャンデリラロウ

成分番号(JP number): 551043

INCI
EUPHORBIA CERIFERA WAX
定義(Description)
本品は、Euphorbia cerifera、Euphorbia antisyphilitica、Pedilanthus pavonis等の茎から得た固体油脂である。
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
小烛树(EUPHORBIA CERIFERA)蜡
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 30
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
칸데릴라왁스
CAS No.
-
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

キャンデリラロウ / EUPHORBIA CERIFERA WAX

キャンデリラロウとは

キャンデリラロウとは、高級脂肪酸と高級アルコールのエステルからなる、黄褐色の植物性ロウです。

化粧品成分としては、油性成分としてベース成分、安定化成分に分類されています。

化粧成分表示名称、医薬部外品表示名称がキャンデリラロウと決まっており、慣用名としてはキャンデリラワックスと呼ばれています。

原材料となる植物は、メキシコ北部を始め、アメリカカリフォルニアの南部、およびテキサス南部などの半乾燥地域に生息する、トウダイグサ科植物キャンデリラ草(学名: Euphorbia antisyphilitica = Euphorbia cerifera 英名:Candelilla)の茎から抽出・精製して得られます(4)。

キャンデリラロウには遊離アルコール、遊離脂肪酸、ラクトン、炭化水素、樹脂分、エステル中には約3%のヒドロキシ酸も含まれています(2)。

脂肪酸およびアルコール組成は、抽出方法や天然成分のため、国や地域および時期によって変化があります。

キャンデリラロウは、直鎖長鎖エステルで構成されています。

安定性・融点が高く、酸化しにくいことが特徴です。

融点は68~73℃であり、非常に高く、常温や体温でも溶けずに固形ロウとして状態を保っています(5)。

キャンデリラロウの性質は、カルナウバロウとよく似ています。

口紅の成形など、カルナウバロウと同様の使用用途が多く、キャンデリアロウも植物性固形ロウとして広く使用されています。

また、近年では脱樹脂キャンデリアワックスとして相溶性の改善もされています(4)。

キャンデリラロウとしては、スティック状製品、メイクアップ化粧品、ヘアケア製品、ソリッドコロン(練り香水)などに配合されています。

硬度改良

植物性ロウの中でキャンデリラロウは、カルナウバロウに次ぐ、硬度の高さを持っています。

成形目的も含め、他の油性成分と一緒に配合することで、硬度を高くできます。

スティック状製品、口紅などの製品の成形に使用されています。

ツヤ・光沢の付与

油性成分として、化粧製品にツヤ・光沢を与える作用を持っており、口紅、スティック状製品に使用されています。

安定性

キャンデリラロウは融点において、カルナウバロウほどではありませんが、高い融点(68~73℃)を示します。

油性成分に配合することで、製品の熱に対する安定性を向上させる作用があります。

安全性

キャンデリアロウは10年以上の使用実績があり、医薬部外品原料規格に記載されています。

一般的な使用であれば安全性は高いといわれています。

皮膚刺激性、眼刺激性に関してほとんど刺激がないとの結果や、皮膚感作性に関してもアレルギーはないとの実験結果が報告されています(1)。

参考文献

(1)Cosmetic Ingredient Review(1984)「Final Report on the Safety Assessment of Candelilla Wax, Carnauba Wax, Japan Wax, and Beeswax」International Journal of Toxicology(3)(3),1-41.

(2)松本 勲, 他(1972)「天然ワックス(カルナバワックス,キャンデリラワックス,ビースワックス)の原ロウについての系統的分離法およびその成分の炭素数パターン解析」日本化学会誌(5),951-957.

遊離アルコール、遊離脂肪酸、ラクトン、樹脂などを含有しているほか(文献4:2016)、エステル中に約3%のヒドロキシ酸も含まれています(文献6:1972)

(3) 宇山光男、 岡部美代治、 久光一誠「化粧品成分ガイド 第6版」(2015). (n.p.): フレグランスジャーナル社

(4)  鈴木一成.「化粧品成分用語事典」2012. (2012). 日本: 中央書院.p23

(5)「第9版 食品添加物公定書 2018」厚生労働省.p506

キャンデリラロウの配合目的

  • キャンデリラロウの硬度を利用した、製品の硬度改良目的
  • 製品へのツヤ・光沢付与目的
  • キャンデリラロウの融点の高さを利用した、耐温向上目的

日本語論文

英語論文