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表示名称成分詳細

カラメル

成分番号(JP number): 550999

INCI
CARAMEL
定義(Description)
本品は、グルコース(*)、スクロース(*)、転化糖、水飴(*)、デンプン加水分解物、糖みつ又はその他の糖類を熱処理して得た物質である。Caramel is the concentrated solution obtained from heating sucrose or glucose solutions.
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
焦糖色
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
카라멜
CAS No.
8028-89-5
EC No.
232-435-9
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

IV/146

原料情報

カラメル / CARAMEL

カラメルとは

カラメルは単糖の一種であるグルコース、二糖の一種であるスクロース、水飴またはその他の糖類を熱処理して得られる数多くの化合物から成る褐色の水溶性の混合物(天然色素)です。

複雑な混合物であるため、その組成に関しては判明していないことが多々ありますが、

北岡正三郎・鈴木喜六『カラメルの研究 第2報 ショ糖の熱分解による少糖類の生成』によると以下のことがわかっています。

ショ糖を190±5℃に加熱してえた カラメルを84%エタノールで抽出したものから,クロマ トグラフィによる分別によって未分解のショ糖,

加水分 解産物のグルコース,フラクトース,脱水生成物のレボ グルコーザンのほか,イソマルトース,コージビオー ス,

ニゲロースの3種のα一グルコニ糖類を同定した的 この他ケトース誘導体と考えられる物質2種と,非還元 性物質若干の存在を

明らかにした南この後者には糖無水 物とグルコースよりなる二糖類無水物が含まれる.

引用元: 北岡正三郎・鈴木喜六『カラメルの研究 第2報 ショ糖の熱分解による少糖類の生成』

また、カラメルは特有の風味を有しており、水溶性でその溶液は、淡褐色から黒褐色を呈します。一方で油脂や有機溶媒には溶けません。

なお、カラメルの色は、熱や光に対して安定で、pHの変化による色調変化はありません(2)。

また、カラメル色素は4つに分類されており、厚生労働省の『第9版食品添加物公定書』では以下のように定義されています。

カラメルⅠ

定 義 本品は、でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物を、熱処理して得られたもの又 は酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので

亜硫酸化合物及びアンモニウム化合物 を使用していないものである。

カラメルⅡ

定 義 本品は、でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、亜硫酸化合物を加えて、又 はこれに酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、

アンモニウム化合物を使用して いないものである。

カラメルⅢ

定 義 本品は、でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、アンモニウム化合物を加え て、又はこれに酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので

、亜硫酸化合物を使用して いないものである。

カラメルⅣ

定 義 本品は、でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、亜硫酸化合物及びアンモニ ウム化合物を加えて、又はこれに酸若しくはアルカリを加えて

熱処理して得られたものである。

引用元: 厚生労働省ホームページ『第9版食品添加物公定書』

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/kouteisho9e.html

カラメルは着色剤として化粧品に添加されます。

着色剤は無機顔料と有機合成色素・天然色素に分けられますが、カラメルは天然色素に分類されます。

天然色素は合成色素に比べ、発色が良くないことや耐光性、耐熱性に劣ります。そのため、現代では一般的にメイクアップ用品にはあまり使われず、スキンケア製品に着色する目的で使われることが多いです。

安全性

カラメルは『医薬品添加物規格2018』・『医薬部外品原料規格2021』・『第9版食品添加物公定書』に収録されており、10年以上使用実績もあります。

そのため、安全な添加物と考えられます(3,5,6)。

配合化粧品

カラメルは以下の化粧品に使用されています

  • クレンジング
  • 洗顔
  • 石鹸
  • 化粧水
  • 乳液
  • 美容液

参考文献

(1) 北岡正三郎・鈴 木 喜 六『カラメルの研究 第2報 ショ糖の熱分解による少糖類の生成』

(2) 農産業振興機構『カラメルのはなし』

カラメルのはなし|農畜産業振興機構 (alic.go.jp)

(3) 厚生労働省ホームページ『第9版食品添加物公定書』

https://www.notion.so/5-e3675d7a48f943e4852684f104043ab9#279d91147b1d4d77a0cec9ccc6c066ef

(5) 厚生労働省『医薬品添加物規格 2018』Microsoft Word - 医薬品添加物規格(20180608)【マスターデータ】 (mhlw.go.jp)

(6) 厚生労働省『医薬部外品原料規格 2021』000240227.pdf (pmda.go.jp)

カラメルの配合目的

  • 褐色の着色剤

カラメルの安全性情報

Food and Drug Administrationの連邦規則集より、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

日本語論文

カラメル色素の食品への利用と安全性

片山 佳子 , 村松 明日佳 , 伏脇 裕一 , カタヤマ ヨシコ , ムラマツ アスカ , フシワキ ユウイチ 紀要 (VOL10), 2, 2018-03-01 機関リポジトリ

英語論文

Stiffness measurement is a biomarker of skin ageing in vivo.

Runel G, et al. Exp Dermatol. 2020.PMID: 32967047

E4F1 connects the Bmi1-ARF-p53 pathway to epidermal stem cell-dependent skin homeostasis.

Caramel J, et al. Cell Cycle. 2011.PMID: 21336028 No abstract available.

Transcription factor E4F1 is essential for epidermal stem cell maintenance and skin homeostasis.

Lacroix M, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2010. PMID: 21088222 Free PMC article.