表示名称成分詳細
カッコンエキス
成分番号(JP number): 550979
- INCI
- (NOTHING)
- 定義(Description)
- 本品は、クズPueraria lobataの根のエキスである。
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
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- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
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- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
カッコンエキス / (NOTHING)
カッコンエキスとは
カッコンエキスは、マメ科植物クズ(学名:Pueraria lobata、Pueraria thunbergiana、英名:kudzu)の周皮を除いた根から得られる植物エキスです。カッコンエキスはクズ根エキスとも呼ばれています。
クズ(葛)は日本や東アジアに分布しており、日本中どこにでも見られる大型のつる性植物です。繁殖力が非常に強く、夏には茎が10メートル以上も伸び、空き地や草原、林などに覆うように広がっていきます。8月から9月にかけて咲く多数の赤紫色の花は、果物のような甘い香りがします。根は直径15センチメートル、長さ2メートルにも達します(1)。
巨大な根にはデンプンが豊富に含まれており、外皮を剥いだ根をすりおろしたものから得られるデンプンがクズデンプン(葛粉)です。クズの名前は大和(現、奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来します。
クズは秋の七草の一つに数えられており、古くから親しまれてきた植物です。
生薬としてのカッコン
クズの根は生薬として葛根(かっこん)の名前で知られています。秋にクズの根を採取し、水洗いして外皮を除き、日干ししたものを生薬の葛根として使用します。
風邪の初期などに用いられるので有名な漢方薬の葛根湯(かっこんとう)は、葛根を主剤として、麻黄(まおう)、大棗(たいそう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)の計7種類の生薬が配合されています。葛根湯は、主にかぜの初期などの頭痛、発熱、首の後ろのこわばりや寒気などの症状に有効です。
葛根には解熱作用、発汗作用、鎮痙作用などの薬効が知られており、寒気や熱をとり、喉の渇きや風邪による下痢にも効果があります(2)。筋肉のこりや緊張をほぐす効果もあり、頭痛をはじめ、緊張性の首こりや肩こりを解消します。
また、発疹を促して皮膚の表面に出す透疹(とうしん)作用があり、はしかの初期や湿疹に使用すると治りを早める効果があります(3)。
カッコンエキスの成分
カッコンエキスの成分には、
・イソフラボノイド:puerarin, daidzein, daidzin
・トリテルペノイド:soysapogenol A, B
・その他:でんぷん
などが含まれています(1)。
カッコンエキスの化粧品への配合
カッコンエキスには主要成分のプエラリンなどのイソフラボノイドによるチロシナーゼ阻害作用や、高いコラーゲン合成促進作用による抗老化作用、保湿作用などが知られています(4)。
そのため、美白や保湿、アンチエイジング、シワ・たるみの改善などを目的として、スキンケア製品やボディケア、ハンドケア製品、洗顔料などの化粧品に配合されています。
参考文献
(1) 指田豊, 他 (2013)「クズ」身近な薬用植物, 118-121
(2) 水野瑞夫, 他 (2014)「クズ」くらしの薬草と漢方薬, 152
(3) 幸井俊高 (2015)「葛」薬膳・漢方の食材便利帖, 140
(4) 鈴木一成 (2008)「カッコンエキス」化粧品成分用語事典2008, 204
カッコンエキスの配合目的
・チロシナーゼ阻害作用
・コラーゲン合成促進作用
・抗老化作用
・保湿作用
カッコンエキスの安全性情報
日本語論文
ホスホリパーゼA2の特異的な阻害による新たな抗炎症作用を持つカッコンエキス (特集/植物成分の新たな有効性と化粧品への応用)
Martin Laurent フレグランスジャーナル 34(8), 78-83, 2006-08
英語論文
Pueraria montana var. lobata root extract inhibits photoaging on skin through Nrf2 pathway.
Heo HS, Han GE, Won J, Cho Y, Woo H, Lee JH.J Microbiol Biotechnol. 2019 Apr 28;29(4):518-526. doi: 10.4014/jmb.1812.12019.PMID: 30954034 Free article.
Gao D, Kim JH, Kim CT, Jeong WS, Kim HM, Sim J, Kang JS.Int J Mol Sci. 2021 Jul 28;22(15):8105. doi: 10.3390/ijms22158105.PMID: 34360871 Free PMC article.
Penetar DM, Maclean RR, McNeil JF, Lukas SE.Alcohol Clin Exp Res. 2011 Apr;35(4):726-34. doi: 10.1111/j.1530-0277.2010.01390.x. Epub 2011 Jan 18.PMID: 21244439 Free PMC article. Clinical Trial.
Gruber JV, Holtz R.J Cosmet Sci. 2009 Sep-Oct;60(5):475-84.PMID: 19822105