表示名称成分詳細
オキシベンゾン-9
成分番号(JP number): 550798
- INCI
- BENZOPHENONE-9
- 定義(Description)
- 本品は、ベンゾフェノンの誘導体であり、次の化学式で表される。Disodium 3,3'-carbonylbis[4-hydroxy-6-methoxybenzenesulphonate]
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 【化粧品基準】化粧品の種類により配合の制限のある成分ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウムとして記載。100g中の最大配合量(g)として粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの: 10g, 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの: 10g, 粘膜に使用されることがある化粧品: (※注1は、配合してはならないことを示し、〇印は、配合の上限がないこと を示す。)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 二苯酮-9
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.1
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 벤조페논-9
- CAS No.
- 76656-36-5
- EC No.
- 278-520-4
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
オキシベンゾン-9 / BENZOPHENONE-9
オキシベンゾン-9とは
オキシベンゾン-9とは、ベンゾフェノン構造を持っている紫外線吸収剤として使用されるベンゾフェノン誘導体です。 オキシベンゾン-9は化粧品成分名称であり、医薬部外品表示名称ではジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウムと呼ばれており、化粧品原料国際名称としてはBenzophenone-9と表記されます。
オキシベンゾン-9は淡い黄色の粉末で、わずかに特異臭を持っています(5)。
水に溶けやすく、紫外線の中ではUVAである333nmの波長をよく吸収する紫外線吸収剤です(4)(5)。 ベンゾフェノン誘導体はそれぞれ紫外線吸収にあり、使用される製品も変わってきます。
オキシベンゾン-9は化粧成分としては化粧品が紫外線の影響による脱色、変色防止作用を目的に使用されます(2)。 化粧品としては、スキンケア化粧品、ヘアミスト&ヘアスタイリング製品に使用されます。
安全性
オキシベンゾン-9に関する英語の参考論文
日本語論文
オキシベンゾン-9は、医薬部外品(薬用化粧品)に関して配合条件が定められています(6)(7)(8)。 薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤(*1):1.0 育毛剤(*1):1.0 その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤(*1):1.0(日焼け止め剤10) 薬用口唇類(*1):配合不可 薬用歯みがき類(*1):配合不可 浴用剤(*1):配合不可 *1紫外線吸収剤の合計は10以下とする
また、配合制限成分リスト(ポジティブリスト)にも収載されています(8)。 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの:10 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの:10 粘膜に使用されることがある化粧品:配合不可
オキシベンゾン-9は10年以上の使用実績があり、医薬部外品原料規格に収載されています。 使用実績の期間から、一般的な使用であれば安全性は高いとされています。 皮膚刺激性、眼科刺激性に関してはほとんど刺激がないとされています(1)。 皮膚感作性に関しては、検証されたデータはみあたりません。ですが、10年の使用実績のなかでアレルギーの報告もないのが現状です。
ベンゾフェノン誘導体にも含まれるベンゾフェノンに関しては、環境省の指定する「内分泌かく乱物質」に記載されています。 内分泌かく乱化学物質とは、人体に入り込んだ場合に、体内においてホルモンの活性に影響を及ぼし、健康に影響のある物質の可能性があるものが指定されます。 ベンゾフェノンにおいては、現在「内分泌かく乱化学物質(環境省)」には指定されて言いますが、実際には生体内において内分泌に影響があることはわかっていません。 海外においては、内分泌かく乱化学物質としては指定していない団体もあり、現時点では内分泌かく乱化学物質として影響はないと考えられています。 しかし、今後の研究結果に注目する必要があります(3)。
参考文献
(1)Cosmetic Ingredient Review(1983)「Final Report on the Safety Assessment of Benzophenones-1, 3, 4, 5, 9, and 11」Journal of the American College of Toxicology(2)(5),35-77.
(2)日光ケミカルズ(2006)「紫外線防御剤」新化粧品原料ハンドブックⅠ,445-459.
(3)“内分泌かく乱化学物質ホームページ”(-)「内分泌かく乱物質Q&A」, http://www.nihs.go.jp/edc/question/qanda.htm 2021年12月19日アクセス.
(4)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p98
(5)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p462
(6)厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長「染毛剤添加物リストについて」の一部改正についてhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sennmou300126_1.pdf、2021年12月20日アクセス
(7)厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長「パーマネント・ウェーブ用剤添加物リストについて」https://www.mhlw.go.jp/content/000836282.pdf、2021年12月20日アクセス
(8) 配合制限成分リスト(ポジティブリスト)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf2021年12月20日アクセス
オキシベンゾン-9の配合目的
- 紫外線吸収作用による化粧製品の脱色・変色防止目的
オキシベンゾン-9の安全性情報
皮膚刺激性:ほとんどなし
Cosmetic Ingredient Review(1983)「Final Report on the Safety Assessment of Benzophenones-1, 3, 4, 5, 9, and 11」Journal of the American College of Toxicology(2)(5),35-77.
英語論文
Transformation and toxicity assessment of two UV filters using UV/H2O2 process.
Peng M, et al. Sci Total Environ. 2017. PMID: 28633113
Inactivation of Staphylococcus aureus in water by pulsed spark discharge.
Zheng J. Sci Rep. 2017. PMID: 28871181 Free PMC article.