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表示名称成分詳細

エチドロン酸4Na

成分番号(JP number): 550753

INCI
TETRASODIUM ETIDRONATE
定義(Description)
本品は、エチドロン酸(*)の四ナトリウム塩であり、次の化学式で表される。Tetrasodium (1-hydroxyethylidene)bisphosphonate
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
羟乙磷酸四钠
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
테트라소듐에티드로네이트
CAS No.
3794-83-0
EC No.
223-267-7
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

III/53

原料情報

エチドロン酸4Na / TETRASODIUM ETIDRONATE

エチドロン酸4Naとは

エチドロン酸4Naはエチドロン酸の四ナトリウム塩です。

エチドロン酸は、ホスホン酸が2つ結合した化合物であり、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸の構造をもつ有機酸です(1)。 エチドロン酸4Naは化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称はヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸四ナトリウム液と定められています。

エチドロン酸を構成するホスホン酸は、三塩化リンまたは三酸化二リンを加水分解し、濃縮して得られる無色の結晶です。 エチドロン酸は、化粧品成分として金属イオンと結合し、封鎖作用(キレート)を目的に使用されます。 また、エチドロン酸のナトリウム塩はそれぞれ、化粧品添加物、医薬品として使用されるなど幅広く利用されています。

エチドロン酸4Naはエチドロン酸同様に金属イオン封鎖作用を期待して、化粧品成分として使用されています(2)。 エチドロン酸2Naは、医薬品として骨粗鬆症治療薬に使用され、骨の破骨細胞の影響により、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制してくれます(3)。

エチドロン酸4Naは化粧品としては、洗顔石鹸、シャンプー製品、コンディショナー製品、ボディ石鹸、ボディソープ製品、クレンジング製品、アウトバストリートメント製品、ボディ&ハンドケア製品、スキンケア化粧品、シート&マスク製品、メイクアップ化粧品などに配合されています。

金属イオン封鎖作用(キレート)

エチドロン酸4Naは、金属イオン封鎖作用を持っており、化粧品に金属イオンが混入することで起きる、品質が劣化を防止できます(1)。 劣化とは、薬剤の作用を阻害したり、あるいは化粧水の沈殿を生じさせたり、 油性原料の酸化を促進し変臭・変色の原因となったりします。 エチドロン酸4Naは、金属イオンと結合しキレートを精製し、金属イオンを賦活化することで、化粧品の品質悪化を防いでくれます(4)。

安全性

ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液(エチドロン酸4Na)は、医薬部外品(薬用化粧品)に関して配合条件が定められています(5)(6)(7)。 薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤(*1):2.0 育毛剤(*1):0.20 その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤(*1):0.10 薬用口唇類(*1):配合不可 薬用歯みがき類(*1):配合不可 浴用剤(*1):配合不可

染毛剤(*2):2.0 パーマネント・ウェーブ用剤(*2):2.0 *1ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩類として合計 *2ヒドロキシエタンジホスホン酸及びヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウムの合計として

エチドロン酸4Naは、20年以上の使用実績があり、医薬部外品表示名称に収載されています。 使用実績の期間から、一般的な使用であれば安全性は高いとされています。 皮膚刺激性、皮膚感作性に関しては、現在検証を行ったデータはみつあたりません。 ですが、20年以上の使用実績から、一般的な化粧品への配合量などを考慮しても、安全性は高いと考えられています。 眼科刺激性に関しては、ほとんど眼科刺激はないとの結果が得られています。 光毒性、光感作性に関しても、検証結果において安全性に問題はないと結果が得られています。

参考文献

(1)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p203

(2)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p631

(3)医薬品インタビューフォーム「ダイドロネル錠200」日本標準商品分類番号 873999

(4) 鈴木 一成(2012)「金属イオン封鎖剤(キレート剤)」化粧品成分用語事典2012,p628

(5)厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長「染毛剤添加物リストについて」の一部改正についてhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sennmou300126_1.pdf、2021年12月20日アクセス

(6)厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長「パーマネント・ウェーブ用剤添加物リストについて」https://www.mhlw.go.jp/content/000836282.pdf、2021年12月20日アクセス

(7) 配合制限成分リスト(ポジティブリスト)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf2021年12月20日アクセス

エチドロン酸4Naの配合目的

  • 金属イオン封鎖作用(キレート形成)による、金属イオンによる化粧品の品質劣化防止目的

エチドロン酸4Naの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR729.pdf

日本語論文

なし

英語論文