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表示名称成分詳細

エチドロン酸

成分番号(JP number): 550752

INCI
ETIDRONIC ACID
定義(Description)
本品は、次の化学式で表される有機ジホスホン酸である。Phosphonic acid, (1-hydroxyethylidene)bis-
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
羟乙二磷酸
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
에티드로닉애씨드
CAS No.
2809-21-4
EC No.
220-552-8
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

III/53

原料情報

エチドロン酸 / ETIDRONIC ACID

エチドロン酸とは

エチドロン酸は、ホスホン酸が2つ結合した化合物であり、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸の構造をもつ有機酸です(1)。 エチドロン酸は化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称はヒドロキシエタンジホスホン酸と定められています。

エチドロン酸を構成するホスホン酸は、三塩化リンまたは三酸化二リンを加水分解し、濃縮して得られる無色の結晶です。 エチドロン酸は、化粧品成分として金属イオンと結合し、封鎖作用(キレート)を目的に使用されます。 また、エチドロン酸のナトリウム塩はそれぞれ、化粧品添加物、医薬品として使用されるなど幅広く利用されています。

エチドロン酸4Naはエチドロン酸同様に金属イオン封鎖作用を期待して、化粧品成分として使用されています(2)。 エチドロン酸2Naは、医薬品として骨粗鬆症治療薬に使用され、骨の破骨細胞の影響により、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制してくれます(3)。

エチドロン酸は化粧品としては、洗顔石鹸、洗顔料、ボディ石鹸、ボディソープ製品、ヘアカラー製品、シャンプー製品、コンディショナー製品、クレンジング製品、スキンケア化粧品、ボディケア製品などに配合されています。

金属イオン封鎖作用(キレート)

エチドロン酸は、金属イオン封鎖作用を持っており、化粧品に金属イオンが混入することで起きる、品質が劣化を防止できます(1)。 劣化とは、薬剤の作用を阻害したり、あるいは化粧水の沈殿を生じさせたり、 油性原料の酸化を促進し変臭・変色の原因となったりします。 エチドロン酸は、金属イオンと結合しキレートを精製し、金属イオンを賦活化することで、化粧品の品質悪化を防いでくれます(4)。

安全性

ヒドロキシエタンジホスホン酸液(エチドロン酸)は、医薬部外品(薬用化粧品)に関して配合条件が定められています(5)(6)(7)。 薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤(*1):2.0 育毛剤(*1):0.20 その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤(*1):0.10 薬用口唇類(*1):配合不可 薬用歯みがき類(*1):配合不可 浴用剤(*1):配合不可

染毛剤(*2):2.0 パーマネント・ウェーブ用剤(*2):2.0 *1ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩類として合計 *2ヒドロキシエタンジホスホン酸及びヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウムの合計として

エチドロン酸は、20年以上の使用実績があり、医薬部外品表示名称に収載されています。 使用実績の期間から、一般的な使用であれば安全性は高いとされています。 皮膚刺激性、皮膚感作性に関しては、現在検証を行ったデータはみつあたりません。 ですが、20年以上の使用実績から、一般的な化粧品への配合量などを考慮しても、安全性は高いと考えられています。 眼科刺激性に関しては、ほとんど眼科刺激はないとの結果が得られています。 光毒性、光感作性に関しても、検証結果において安全性に問題はないと結果が得られています。

参考文献

(1)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p203

(2)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p631

(3)医薬品インタビューフォーム「ダイドロネル錠200」日本標準商品分類番号 873999

(4) 鈴木 一成(2012)「金属イオン封鎖剤(キレート剤)」化粧品成分用語事典2012,p628

(5)厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長「染毛剤添加物リストについて」の一部改正についてhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sennmou300126_1.pdf、2021年12月20日アクセス

(6)厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長「パーマネント・ウェーブ用剤添加物リストについて」https://www.mhlw.go.jp/content/000836282.pdf、2021年12月20日アクセス

(7) 配合制限成分リスト(ポジティブリスト)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf2021年12月20日アクセス

エチドロン酸の配合目的

  • 金属イオン封鎖作用(キレート形成)による、金属イオンによる化粧品の品質劣化防止目的

エチドロン酸の安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR729.pdf

日本語論文

坐骨神経部分結紮マウスにおけるエチドロン酸の抗痛覚過敏作用について

根本 亙 , 山縣 涼太 , 中川西 修 , 洪 琬貽 , 島 和弘 , 遠藤 康男 , 丹野 孝一

日本薬理学会年会要旨集 92(0), 2-P-035, 2019

骨粗鬆症治療の最前線

湏藤 啓広

理学療法学Supplement 46S1(0), H1-26-H1-26, 2019

ウラン体内除染剤スクリーニングモデルの基礎検討

池田 瑞代 , 大町 康 , 宮河 直人 , 金 ウンジュ , 宍倉 恵理子 , 田嶋 克史

日本毒性学会学術年会 39.1(0), P-104, 2012

洗口剤によるin vitroリン酸カルシウム沈殿物形成の抑制

日高 三郎 , 東納 恵子 , 岡本 佳三

口腔衛生学会雑誌 55(3), 165-172, 2005

エチドロン酸ニナトリウム(EHDP)が奏効した巨大な異所性石灰化の2透析例

佐藤 朱美 , 田中 好子 , 浅野 美和子 , 内田 啓子 , 久保 和雄 , 大坪 由里子 , 網代 晶子 , 岩田 晶子 , 斎藤 まどか , 秋葉 隆

日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 36(12), 1725-1730, 2003-12-28

骨粗鬆症におけるエチドロン酸周期的間歇投与の効果は、4週後のデオシピリジノリンの変化で判定可能である

中塚 喜義 , 三木 隆己 , 北谷 香代子 , 川上 英孝 , 中 弘志 , 富吉 康夫 , 西沢 良記 , 森井 浩世 日本骨代謝学会雑誌 = Japanese journal of bone metabolism 16(2), 54, 1998-07-07

薬と食の相互作用(48)(2)薬と食・嗜好品の出会いで起こる治療の失敗(2)薬の小腸吸収低下から薬理効果がダウン(f)薬と乳製品など(1)

澤田 康文 , 大谷 壽一 医薬ジャ-ナル 39(9), 138-141, 2003-09

退行期骨粗鬆症に対するアルファカルシドールを対照としたエチドロン酸二ナトリウム (EHDP) の二重盲検比較試験

藤田拓男 Clin Eval 21, 261-302, 1993

骨代謝改善剤エチドロン酸ニナトリウム

堀 宰人 ファルマシア 27(3), 247, 1991

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慢性腎不全に合併しエチドロン酸二ナトリウム (EHDP) の少量投与が有効であった異所性石灰化症の1例長野真久 整・災外 39, 87-90, 1996

英語論文