表示名称成分詳細
エイジツエキス
成分番号(JP number): 550747
- INCI
- (NOTHING)
- 定義(Description)
- 本品は、ノイバラRosa multiflora又はその他近縁植物(Rosaceae)の偽果又は果実のエキスである。
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- -
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- -
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
- -
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
エイジツエキス / (NOTHING)
エイジツエキスとは
エイジツエキスは、バラ科植物ノイバラ(学名:Rosa multiflora、英名:Japanese rose)の果実から得られる植物エキスです。エイジツエキスはノイバラ果実エキスとも呼ばれます。
ノイバラ(野茨)は、日本、中国、朝鮮半島に自生しており、日本各地の陽のあたる原野、林緑、路傍などに生育しています。
ノイバラは2メートルほどの落葉低木で、多くの枝を出し、枝には刺があります。葉は茎に互生し、羽状(うじょう)に並んだ複葉で、小葉は3〜4対付いています。初夏には枝先に直径2センチメートルほどの白色の5弁の花を付けます。秋になると橙赤色になる球形の果実のようなものは花托が発達したもので、正しくは偽果です。その中にある種子状のものが本当の果実です(1)。
生薬としてのエイジツ
ノイバラの果実(偽果)は生薬として営実(えいじつ)の名前で知られています。生薬として使用する場合、偽果が深紅色に完熟する一歩手前の、少し青みがかったものがある時期に採取し、2〜3日天日干しにしたものを煎じて服用します(2)。
営実には主に有効成分のマルチフロリンによる利尿作用や瀉下(しゃげ)作用があり、昔から民間薬として使用されてきました。通常は営実1日量2〜5グラムを煎じて食間に服用しますが、営実には急激な下剤効果があるので、服用には注意が必要です(3)。
外用では煎液を冷ましたものでおでき、ニキビ、腫れものの患部を洗うと消炎の効果があります(2)。また、湿疹やかぶれ、股ずれ、腫れものには煎液で冷湿布にするのも効果的です(3)。
ノイバラは健康食品分野でハーブティーとしても普及しています(4)。同じくバラ科のローズヒップにも似た甘酸っぱい風味が特徴です。
エイジツエキスの成分
エイジツエキスの成分には、
・フラボノイド:multiflorin A, B, multinoside A, B, quercitrin, afzelin
・カロテノイド:lycopene
・その他 :methyl gallate
などが含まれています(5)。
エイジツエキスの化粧品への配合
エイジツエキスはフラボノイド類やリコピンなどを含んでおり、美白効果や、肌を引き締めたり皮脂を抑えたりする収れん効果、保湿効果、消炎効果など多くの働きあがあります。そのため、一般的なスキンケア製品や、美白、ニキビや肌荒れを防ぐ特別なスキンケア製品などに広く配合されています(4)。また、抗酸化作用や抗アレルギー作用が認められています(6)。
参考文献
(1) 指田豊, 他 (2013)「ノイバラ」身近な薬用植物, 263
(2)水野瑞夫, 他 (2014)「ノイバラ」くらしの薬草と漢方薬, 257
(3)田中孝治, 他 (2002)「ノイバラ」家庭で使える薬用植物大事典, 200
(4) 宇山 光男, 他 (2015)「ノイバラ」化粧品成分ガイド 第6版, 212
(5) 伊藤美千穂, 他 (2017)「ノイバラ」生薬単, 254-255
(6) 鈴木一成 (2008)「ノイバラエキス」化粧品成分用語事典2008, 193
エイジツエキスの配合目的
・美白作用
・収れん作用
・保湿作用
・消炎作用
・抗酸化作用
・抗アレルギー作用
エイジツエキスの安全性情報
日本語論文
エイジツ(営実)の持続的安定生産を目的とした品質評価法の検討 (45周年記念特別号) -- (薬用植物栽培研究会45周年記念 講演要旨集)
北廣 優実 , 尾崎 和男 , 芝野 真喜雄 , 池田 博 薬用植物研究 39(1), 16-19, 2017-06
竹内 眞哉 ファルマシア 51(9), 882-883, 2015
沢村 信一 , 坂根 巌 , 大野 哲司 [他] , 石井 利明 , 佐藤 栄輝 , 西村 昌数 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 51(9), 463-466, 2004-09-15
オウゴン及びエイジツ抽出液の「活性酸素による核酸傷害」の抑制効果について ヒト染色体SCEに対する影響:ヒト染色体SCEに対する影響
大野 みずき , 工藤 美和 , 串橋 研吾 , 八巻 英彦 , 飯沼 和三 日本化粧品技術者会誌 27(2), 159-165, 1993
高木 修造 [他] , 山木 正枝 , 増田 京子 , 窪田 真理子 薬学雑誌 96(10), p1217-1222, 1976-10
高木 修造 [他] , 山木 正枝 , 増田 京子 , 窪田 真理子 薬学雑誌 96(3), p284-288, 1976-03
高木 修造 , 山木 正枝 , 増田 京子 , 窪田 真理 藥學雜誌 96(10), 1217-1222, 1976
英語論文
Endo S, Matsuoka T, Nishiyama T, Arai Y, Kashiwagi H, Abe N, Oyama M, Matsunaga T, Ikari A.Nutr Res. 2019 Dec;72:92-104. doi: 10.1016/j.nutres.2019.10.010. Epub 2019 Nov 4.PMID: 31767206
Kitahiro Y, Ikeda H, Im HT, Kodaira E, Shibano M.J Nat Med. 2019 Jun;73(3):555-565. doi: 10.1007/s11418-019-01302-x. Epub 2019 Apr 4.PMID: 30949951
Purgative activity and principals of the fruits of Rosa multiflora and R. wichuraiana.
Seto T, Yasuda I, Akiyama K.Chem Pharm Bull (Tokyo). 1992 Aug;40(8):2080-2. doi: 10.1248/cpb.40.2080.PMID: 1423761