表示名称成分詳細
イソプロパノール
成分番号(JP number): 550699
- INCI
- ISOPROPYL ALCOHOL
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される脂肪族アルコールである。Propan-2-ol, isopropanol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 异丙醇
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 85, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): (none)
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 아이소프로필알코올
- CAS No.
- 138404-86-1
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
![イソプロパノール](https://images.prismic.io/beaker-media/ZwfnIIF3NbkBXMz-_Isopropyl-Alcohol.png?auto=format,compress)
イソプロパノール / ISOPROPYL ALCOHOL
イソプロパノールとは
イソプロパノールはプロパンの第2炭素にヒドロキシ基(-OH)が結合したプロパノールの構造異性体であり、一価アルコール・低級アルコールです。また、イソプロパノールは生体内物質の一つであり、ヒトの血中、尿中、唾液中及び呼気中において検出されます。
特徴は以下の通りです。
- 無色透明
- 芳香を帯びた液体
- 可燃性であり
- 引火点 11.7℃(常温で引火する)
- 発火点460 ℃ である
- ヒドロキシ基による水素結合性を持つことから水、アルコールなどの極性溶媒に溶ける。 一方で相対的に大きな疎水性基(イソプロピル基)を持つためにエーテルなどの非極性溶媒にも溶ける両親媒性を示す。
- CH3CH(OH)-を構造中に持つためヨードホルム反応を示す。
用途
イソプロパノールは一般的に溶剤として使用されています。溶剤は主原料をはじめ、他の原料を溶かすための液体です。メイク用の表面処理剤としても使われたりします。
イソプロパノールは両親媒性を持っており、ヒドロキシ基による水素結合性を持つことから水・アルコールなどの極性溶媒に溶ける一方で、相対的に大きな疎水性基(イソプロピル基)を持つためにエーテルなどの非極性溶媒にも溶けます。
とくに、高分子化合物(ポリマー)や皮膜形成剤を溶かす性質に優れ、また、香料や油性成分などの水中における分散を均一にし、香気の発散を良好にする性質を持っています。
このことから、香気の発散性を向上させる溶剤としてネイル製品やメイクアップ化粧品・シャンプー製品・ヘアコンディショナー製品・トリートメント製品・アウトバストリートメント製品をはじめ、多くの商品に使用されています。
また、40年以上の使用実績もあり、イソプロパノールは安全であると考えられます。
参考文献
(1)添加物評価書 イソプロパノール(第3版)
2r985200000336a3_1.pdf (mhlw.go.jp)
イソプロパノールの配合目的
- 溶剤・基材
イソプロパノールの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS469.pdf
イソプロパノールの安全性については食品安全委員会が遺伝毒性、反復投与毒性、生殖発生毒性等に関する試験を行っております。以下が『添加物評価書イソプロパノール(第 3 版)』 からの引用となります。
本委員会としては、入手した遺伝毒性試験成績から、添加物「イソプロパノール」には生体にとって特段問題となるような遺伝毒性はないと評価した。入手した長期反復投与毒性試験成績は経口投与による試験ではないので参考データであるが、本試験成績において雄ラットで見られたとされるライディヒ細胞腺腫の発生率の増加について、本委員会としては、対照群での発生頻度の異常低値によるものであり、本品目の添加物としての使用において安全性に懸念をもたらすものではないと判断した。本委員会としては、入手した生殖発生毒性試験成績から、本品目に催奇形性はないと評価した。本委員会としては、入手したヒトにおける知見から、本品目の安全性に懸念をもたらすような証拠は得られていないと判断した。本委員会として、各試験成績における NOAEL のうち最小値であったラット二世代生殖発生毒性試験成績における NOAEL 100 mg/kg 体重/日と、今般の規格基準6改正後の本品目の推定一日摂取量 2.9~3.3 mg/人/日とを比較して得られる安全マージン(1,500~1,700)が適切な安全マージン 100 を上回ることを確認した。以上より本委員会としては、添加物「イソプロパノール」について、添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられ、ADI を特定する必要はないと評価した。
引用元:『添加物評価書 イソプロパノール(第3版)』
日本語論文
呼気計測のため二級アルコール脱水素酵素の正・逆反応を用いたイソプロパノール・アセトン用バイオスニファ(気相用バイオセンサ)
簡 伯任 , 辻井 誠人 , 鈴木 卓磨 , 叶 明 , 當麻 浩司 , 荒川 貴博 , 三林 浩二 Proceedings of the Chemical Sensor Symposium 62, 91-93, 2017-09
2P-207 藍藻イソプロパノール耐性株の光合成特性(生物化学工学,一般講演)
渡部 和幸 , 金本 優杞 , 新井 小百合 , 清水 一憲 , 本多 裕之 , 広川 安孝 , 花井 泰三 , 村上 明男日本生物工学会大会講演要旨集 67, 226, 2015
ブリーチング法を利用したエナメル質表層下脱灰病巣の再石灰化戦略 : 第1報 30%過酸化水素水による唾液成分タンパク質の化学的変化
飯塚 純子 , 向井 義晴 , 高垣 裕子 , 寺中 敏夫 日本歯科保存学雑誌 55(2), 127-133, 2012 J-STAGE 医中誌Web
エタノール,イソプロパノール,メタノール変性アルコール製剤に関する殺菌効力の検討
白石 正 , 丘 龍祥 , 仲川 義人 環境感染 13(2), 108-112, 1998 J-STAGE
英語論文
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Isopropyl alcohol skin prep pads: the extreme case.
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Evaluation of a 2% chlorhexidine gluconate in 70% isopropyl alcoholskin disinfectant.
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Allergic contact dermatitis from sodium dihydroxycetyl phosphate, a new cosmetic allergen?
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