表示名称成分詳細
イソステアリルアルコール
成分番号(JP number): 550625
- INCI
- ISOSTEARYL ALCOHOL
- 定義(Description)
- 本品は、炭素数18の分岐脂肪族アルコールである。Isooctadecan-1-ol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 异硬脂醇
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 25.998
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 아이소스테아릴알코올
- CAS No.
- 27458-93-1
- EC No.
- 248-470-8
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
イソステアリルアルコール / ISOSTEARYL ALCOHOL
イソステアリルアルコールとは
イソステアリルアルコールは炭素数18の高級アルコールで、脂肪族アルコールに分類される有機化合物です。
化合物名としてアルコールという名前がついていますが、一般的にアルコールと呼ばれるエタノールやお酒とは別の成分です。アルコール類に分類される化合物は、炭素数や分子構造によりそれぞれ異なる性質を有しています。
アルコール類のうち、炭素数6以上の一価アルコールは高級アルコールと呼ばれています。高級アルコールは脂肪酸とのエステルである蝋(ろう)の状態で動植物界に天然に存在しており、従来、主に洗剤や界面活性剤の原料として用いられてきました。近年では化粧品、溶媒の原料や食品添加物としても広く使用されています。植物由来のものとしては、メチル分岐鎖イソステアリン酸を還元して製造される方法があります。石油由来で合成する方法も確立されています。
市販品としてのイソステアリルアルコールには、天然由来のものと石油由来のものが存在します。植物由来のものとしては、メチル分岐鎖イソステアリン酸を還元して製造される方法があります。石油由来で合成する方法も確立されています。
イソステアリルアルコールは常温で無色透明、液状の油性成分です。水には不溶性で、ほとんどの油やワックスには混和性があります。さまざまな油性成分との相性がよく、熱安定性、酸化安定性にもすぐれているという特性があります。
化粧品成分として、イソステアリルアルコールはリキッドタイプのメイクアップ製品や乳液の流動性の調整剤、肌を柔軟にするエモリエント剤、可塑剤として汎用されています(1)。また、毛髪のコンディショニング剤やツヤ、すべりの向上にも使われます(2)。
Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから一般的に化粧品に配合されている濃度内でのイソステアリルアルコールの皮膚への使用安全性が結論づけられています。一方で、いくつかの動物実験の結果からは最小限から軽度の眼刺激性が報告されており、ヒトに対しても最小限から軽度の眼刺激性の可能性があります(3)。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、イソステアリルアルコールは、1982年には41の化粧品に使用され、1%から50%の範囲の濃度で使用されていました。 2006年には20の化粧品に使用されたと報告されており、0.001%から50%の範囲の濃度で使用されていました(3)。
日本語名:イソステアリルアルコール 英語名:Isostearyl alcohol
参考文献
(1) 鈴木一成 (2012)「イソステアリルアルコール」化粧品成分用語事典2012, 43
(2) 宇山 光男, 他 (2015)「高級アルコール類」化粧品成分ガイド 第6版
(3) Cosmetic Ingredient Review (2008)「Annual Review of Cosmetic Ingredient Safety Assessments: 2005/2006」International Journal of Toxicology, 27 (Suppl. 1), 77-142
イソステアリルアルコールの配合目的
- エモリエント剤
- 非水系増粘剤
- 界面活性助剤
- 感触改良
イソステアリルアルコールの安全性情報
日本語論文
イソステアリルアクリレートを用いた機能性アクリルフィルムの改質
牧 拓孝 , 中島 信也 , 花畑 誠 , 竹井 敏 , 平佐田 一樹 , 田中 章博
北陸信越支部総会・講演会 講演論文集 2017.54(0), D041, 2017
田中 紅 , 稲葉 弥寿子 , 中川 真実子 [他] , 鈴木 加余子 , 松永 佳世子
Journal of environmental dermatology and cutaneous allergology = / the Japanese Society for Dermatoallergology and Contact Dermatitis 3(3), 163-169, 2009-07-31
西島 貴史
日本化粧品技術者会誌 43(1), 3-9, 2009
英語論文
Incidence of human skin sensitization to isostearyl alcohol in two separate groups of panelists.
Aust LB, et al. Contact Dermatitis. 1980. PMID: 7398285
SMGA gels for the skin permeation of haloperidol.
Kang L, et al. J Control Release. 2005. PMID: 15975680
Li JL, et al. J Phys Chem B. 2005. PMID: 16375418
Matsui R, et al. Biol Pharm Bull. 2014. PMID: 25273389 Free article.
Sawant PD, et al. Int J Pharm. 2010. PMID: 20540996
Fiume MZ, et al. Int J Toxicol. 2003. PMID: 14555419
Lipstick dermatitis due to C18 aliphatic compounds.
Hayakawa R, et al. Contact Dermatitis. 1987. PMID: 3595121
Dose-mortality responses of crawfish and mosquitoes to selected pesticides.
Holck AR, et al. J Am Mosq Control Assoc. 1987. PMID: 2904959
From kinetic-structure analysis to engineering crystalline fiber networks in soft materials.
Wang RY, et al. Phys Chem Chem Phys. 2013. PMID: 23361314 Free article.
Effects of Arosurf MSF on a variety of aquatic nontarget organisms in the laboratory.
Hester PG, et al. J Am Mosq Control Assoc. 1991. PMID: 2045807
Ali A. J Am Mosq Control Assoc. 2000. PMID: 11198917