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表示名称成分詳細

アスパラギン酸

成分番号(JP number): 550523

INCI
ASPARTIC ACID
定義(Description)
本品は、次の化学式で表されるアミノ酸である。Aspartic acid
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
天冬氨酸
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 10, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 6.537
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
아스파틱애씨드
CAS No.
56-84-8 / 617-45-8
EC No.
200-291-6 / 210-513-3
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

アスパラギン酸 / ASPARTIC ACID

アスパラギン酸とは

アスパラギン酸の化学的性質

アスパラギン酸(C4H7NO4)は多くのタンパク質の構成成分であるα-アミノ酸の1つです。また、1つのアミノ基(-NH2)と2つのカルボキシ基(-COOH)を持っている酸性アミノ酸でもあります。グリシンを除く他のα-アミノ酸同様、キラル中心が存在するため、一対の鏡像異性体であるL-アスパラギン酸とD-アスパラギン酸が存在します。 ただし通常、タンパク質由来の天然由来のアスパラギン酸はL-アスパラギン酸のみです(一部例外もあります)。

また、アスパラギン酸は塩基性基と酸性基の両方を持っているため、水溶液のpHによって、分子内の平均電荷が変わります。分子全体での電荷が0となる等電点はpH2.77です。pH2.77より低い溶液中ではアスパラギン酸の分子全体の電荷は正となります。一方、pH2.77より高い溶液中ではアスパラギン酸分子全体は負の電荷を帯びます(1)(5)。

アスパラギン酸の使用

現在、アスパラギン酸は化粧品や医薬品・食品の添加剤として、広い分野で用いられています。

・化粧品への使用目的:肌の保湿やヘアーコンディショニングを目的として使用

・医薬品への使用目的:安定化や可溶化・矯味・賦形を目的として使用

・食品への使用目的:人工甘味料アスパルテームの原料として使用

特に化粧品へはアスパラギン酸の角層が水分を保持する働きを期待して添加されています。

角質の水分保持の働きをする天然保湿因子のうち、アスパラギン酸はアスパラギンと合わせて約0.16%を占めています。

アスパラギン酸を含む疎水アミノ酸は皮膚透過性があり、緩やかで持続性のある保湿剤が期待されています。特に酸性下で皮膚透過性が強くなると考えられています。

皮膚が健全な人に比べ、皮膚炎や肌荒れなどの症状を持つ肌が弱った人ほど疎水アミノ酸は吸収されやすいため、その保湿効果も期待できます(1)。

その他

化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、アスパラギン酸は『日本薬局方』や『医薬部外品原料規格2021』・『食品添加物の既存添加物リスト』に掲載されています(2)(3)(4)。

・『日本薬局方』(L-アスパラギン酸)

・『医薬部外品原料規格2021』**(**L-アスパラギン酸)

・『食品添加物の既存添加物リスト』(L-アスパラギン酸)

一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは『日本薬局方』・『医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いています。

アスパラギン酸は眼刺激性があるものの、皮膚への刺激はほとんどなく、使用方法を誤らなければ安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます(1)。

参考文献

  1. 化粧品成分ジャーナル『化粧品成分オンライン』https://www.notion.so/e73f1f3504ea4009b2344d527062bd72#89c1eb52b0ff4eb4877e954076e23616
  2. 厚生労働省『第十八改正日本薬局方』「日本薬局方」ホームページ|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
  3. 厚生労働省『医薬部外品原料規格2021』000240227.pdf (pmda.go.jp)
  4. 一般社団法人 日本食品添加物協会『食品添加物の既存添加物リスト』食品添加物一覧 | 日本食品添加物協会 (jafaa.or.jp)
  5. P.W.グランドウォーター・G.A.テイラー 著 安藤喬志・木村隆英・中澤知男 訳『バイオサイエンス 有機化学』

アスパラギン酸の配合目的

  • 角層の水分保持(1)
  • ヘアーコンディショニング(1)

参考文献

  1. 化粧品成分ジャーナル『化粧品成分オンライン』https://www.notion.so/e73f1f3504ea4009b2344d527062bd72#89c1eb52b0ff4eb4877e954076e23616

アスパラギン酸の安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS607.pdf

日本語論文

紫外線によりダメージを受けた皮膚タンパク質の立体構造を修復する新しい機構

北川 小百合 , 佐々木 秀幸 , 松岡 龍雄 , 飯野 妙子 , 伊地智 節 , 櫓木 智裕 , 柴田 浩志 日本化粧品技術者会誌 54(3), 229-236, 2020 J-STAGE

アシルアスパラギン酸系界面活性剤の特性

星野 雄大 , 土持 暢嗣 , 関口 範夫 日本化粧品技術者会誌 53(3), 207-214, 2019 J-STAGE

「会津小菊カボチャ」のガンマーアミノ酪酸

水野 時子 , 山田 幸二 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61(0), 23-23, 2009 J-STAGE

英語論文