表示名称成分詳細
EDTA-4Na
成分番号(JP number): 550139
- INCI
- TETRASODIUM EDTA
- 定義(Description)
- 本品は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA(*))の四ナトリウム塩であり、次の化学式で表されるジアミン誘導体である。Tetrasodium ethylenediaminetetraacetate
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- EDTA 四钠
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 3, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 2
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 테트라소듐이디티에이
- CAS No.
- 64-02-08
- EC No.
- 200-573-9
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
EDTA-4Na / TETRASODIUM EDTA
EDTA-4Naとは
EDTA-4Naとは、分子量が452.23で、化学式がC10H12N2Na4O8で表されるエチレンジアミン四酢酸の三ナトリウム塩で、ジアミン誘導体です(1,2)。
化粧品表示名称はEDTA-4Naであり、医薬品部外品表示名称はエデト酸三ナトリウムとなっており、また、医薬部外品名称の簡略されたものではEDTA-4Naやエデト酸塩などと表記されるため、使われる分野によって表記が異なります。
EDTAのナトリウム塩にはいくつか種類があり、主な違いは、水への溶解度や溶解時のpHなどによって異なります(3)。
この成分が化粧品に配合される場合は、金属イオン封鎖作用(キレート作用)を目的に配合されており、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、シャンプー製品、コンディショナー製品、洗顔料、洗顔石鹸、クレンジング製品、ボディソープ製品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、シート&マスク製品、アウトバストリートメント製品、デオドラント製品など様々な製品に幅広く使われています。
金属イオン封鎖作用(キレート作用)
金属イオン封鎖作用(キレート作用)とは、まず金属イオンは化粧品や洗髪に使用する時の水の中に存在しており、それによる酸化促進より油脂類の変色や機能性成分の阻害や、濁り、沈殿、そして、あわ立ちの悪化や、毛髪のきしみなどの様な品質劣化や機能性の低下を引き起こす可能性があることが知られています。 そこで、これらの化粧品や洗髪での水における金属イオンの働きを抑えるためにキレート剤が使われています(4-1,5)。
EDTAのナトリウム塩は、金属イオンの中でもカルシウムイオンやマグネシウムイオンの封鎖に効果があり、基本的に金属イオンを含む硬水の軟化や化粧品の安定化を目的に様々なものに幅広く使われています(4-2)。
安全性について
この成分の安全性に関しては、40年以上の使用実績がある点や、いくつかの安全性に関する試験データより条件下であれば安全に使用できると一般的に考えられています。 まず、皮膚刺激性と皮膚感作性については、Cosmetic Ingredient Reviewの試験データより(6-1)、両者ともに反応なしとの報告があるため、この成分における皮膚刺激性と皮膚感作性はほとんどないと考えられています。 また眼刺激性についても、Cosmetic Ingredient Reviewの試験データより(6-2)、眼刺激性はなしとの報告があるため、この成分における眼刺激性はほとんどないと考えられています。
参考文献
- 日本化粧品工業連合会(2013)「EDTA-4Na」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,16-17.
- “ChemSpider”(-)「EDTA disodium salt」
- “DOJINDO”(-)「EDTA類の違い」
- 日光ケミカルズ株式会社(2006)「金属イオン封鎖剤」新化粧品原料ハンドブックⅠ,476-480.
- 神田 吉弘(2010)「金属イオン封鎖剤」化粧品科学ガイド 第2版,258.
- R.S. Lanigan & T.A. Yamarik(2002)「Final Report on the Safety Assessment of EDTA, Calcium Disodium EDTA, Diammonium EDTA, Dipotassium EDTA, Disodium EDTA, TEA-EDTA, Tetrasodium EDTA, Tripotassium EDTA, Trisodium EDTA, HEDTA, and Trisodium HEDTA」International Journal of Toxicology(21)(2_Suppl),95-142. DOI:10.1080/10915810290096522.
EDTA-4Naの配合目的
- 金属イオン封鎖作用(キレート作用)
EDTA-4Naの安全性情報
皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)
医薬品添加物規格2018および医薬部外品原料規格2021に収載されており、重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
眼刺激性
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。
日本語論文
望月 陽介 , 有泉 直子 , 宮川 和博 [他] , 柴田 正実 表面技術 = The journal of the Surface Finishing Society of Japan 63(8), 526-530, 2012-08-01 J-STAGE 参考文献15件
イオンクロマトグラフィーによる海水中の無機態窒素の同時定量─海水サンプルへのEDTA添加効果の検討─
蔵田 将一 , 藤冨 雄一 , 堀岡 祐太 [他] , 伊藤 一明 分析化学 63(8), 649-655, 2014 J-STAGE
細胞レベルにおける生体材料の検索 III 各種細胞分散法および浮遊液による細胞の単離状態の検討:第3報: 各種細胞分散法および浮遊液による細胞の単離状態の検討
永原 国央 , 兼松 宣武 , 大鐘 清司 , 柴田 寛一 歯科基礎医学会雑誌 25(1), 37-43, 1983 J-STAGE
英語論文
Molecular diagnosis of microbial contamination in cosmetic and pharmaceutical products: a review.
Jimenez L. J AOAC Int. 2001. PMID: 11417629Review.
Cosmetic allergy. A comprehensive study of the many groups of chemical antimicrobial agents.
Schorr WF. Arch Dermatol. 1971.PMID: 5000971 Review. No abstract available